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We are syerupas!  作者: ムラ松
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うすい鉄道

消すほどじゃなかったのですが以前書いていたやつを軽く訂正して再投稿です。

実機のロクサンを見たり、いろいろと資料を漁って書き上げました…。まだまだなところはたくさんですがよろしくお願いします…。

1997年9月30日。この時はまだ、私は生まれてませんでした。でもこの日の夜は「伝説の夜」と多くのファンから呼ばれてます。

「伝説の夜」の舞台は群馬県にあるJR東日本の横川駅。ここの駅は他の駅とは少し違います。それは…


「まもなく3番線に特急あさま37号長野行きがまいります。危ないですから黄色い線の内側でお待ちください。この電車は当駅で補助機関車との連結を行います。」


放送と共に白の車体に、窓には大きな緑のラインの189系の3037M特急あさま37号が入線してきまsy。そしてその列車にカメラを向けるたくさんの人々。するとそこに

ピッ!!

短い汽笛を鳴らし、後ろから青とクリーム色の機関車2両がやって来ました。この機関車は峠のシェルパこと、EF63型電気機関車。通称ロクサン。この先、横川~軽井沢間は碓氷峠、66.7‰という急勾配区間があり、ぞの区間を走る列車は全て、このロクサンと一緒にこの碓氷峠を通過します。

この区間の開業は1893年。日本で初めてレールの間のラックレールというレールをつけるアプト式という方式が取られ運転していました。トンネル区間が多いということで機関士の吐血、窒息や乗客の乗車拒否などが多発し、1912年にこちらも日本初の電化が行われました。

それから40年ほどたち、碓氷峠を走る列車の本数は増えてばかりで、従来の碓氷峠の路線ではこの輸送量には追い付きませんでした。ここで新線に変更することになり、1963年に新線が開通し、このEF63がデビューすることになりました。

更に20年、碓氷峠にもまた変化が訪れました。1997年10月1日に北陸新幹線こと長野行き新幹線が開業することに。れにより、この碓氷峠、横軽は廃止されることとなりました。1997年9月30日には多くの人々で横川駅や軽井沢駅はにぎわいました。

そしてこの特急あさま37号はこの碓氷峠の下りの最終列車となりました。

あさま37号とロクサンの連結をファンが固唾を飲んで見守ります。そしてホームにはおくのやの名物駅弁「峠の釜飯」を売る姿が。たくさんの人々でホームは溢れかえりました。


「まもなく、3番線からあさま37号長野行きが発車いたします!!ご乗車のお客様はお急ぎください~!!」


放送と共に車内へ駆け込む人々。あさま37号は特急にもかかわらず、朝の通勤電車のように満員になりました。ドアが閉まり、後ろの方から…

ピー!!

ロクサンの大きな汽笛が。汽笛と共に列車は動き始めました。

「ありがとうございました!!」

「ありがとう~!!」

おくのやの人の挨拶と共にたくさんのファンが碓氷峠への感謝の気持ちを叫びました。



これがあの「伝説の夜」のことでした。これで「JR東日本」としての横川~軽井沢間は廃止されました。


でもそこの区間に目をつけた鉄道会社がいました。


それは埼玉県南部に鉄道、バスを持ち、野球チームや軽井沢のホテル経営する超大手企業の西部鉄道。この会社は群馬県安中市などと一緒に経営する第三セクター鉄道を立ち上げました。

その第三セクターの区間はJR信越本線の高崎~軽井沢。横軽と一緒に群馬県県内の信越本線を第三セクター化し、「うすい鉄道」と会社名がつけられ、旧信越本線はうすい線と名付けれ、横軽は再出発したのでした。うすい鉄道はJR東日本からEF63、21両、EF62、2両、115系、3両編成5本15両と169系、3両編成2本6両、189系6両編成1本6両、12系客車6両が譲渡され、西部鉄道からは高崎~横川の列車用に101系が2両編成、5本10両が譲渡され、それぞれの運用に就いています。



私はそんなうすい鉄道に惹かれました。小さい頃に見たロクサン機関士さんの姿、そして的確な運転操作。普通の電車とは大違いです。私はあのロクサンを運転したい。私も憧れの機関士になりたい。私はそのような気持ちでいっぱいです。




横軽がうすい鉄道として再出発して20年。ところ変わって春の神奈川県横浜市神奈川区のある住宅街。そこに私、横川香は住んでいます。

ピピピ…

スマホのアラームを止め、私はベットから起き上がり、少し、寝ぼけながらも制服を着ます。そして、下に下りて、顔を洗い、リビングに向かいます。


「おはよ~!!」


私は元気よく、リビングにいる家族にあいさつをします。


「おはよ~。朝ごはんできてるよ~。」


台所で洗い物をしていたお母さんが言います。


「は~い。」


私は返事をして朝ごはんが準備されている席に着きます。


「お兄ちゃんとお父さんは今日も仕事?」


横で先に朝ごはんを食べていたお兄ちゃんとお父さんに聞きます。


「そうだよ~。」


「今日も仕事だよ。」


こんなことを聞いてるのは2人の仕事が時間については特殊だからです。2人の仕事はJR東日本で運転士をしています。


「2人とも大変だね~。」


私はパンを一口食べて言います。


「お前も来年になればわかるよ。」


「そうだね~。」


私は高校3年生。来年には就職するつもりです。


「そういえば、香、どこの会社受けたいんだっけ?」


お兄ちゃんがコーヒーカップ片手に言います。


「うすい鉄道受けようと思ってるよ。」


私は例の碓氷峠を走るうすい鉄道を受けようと考えています。


「ふ~ん。あそこの鉄道か~。」


お父さんがゆっくりうなずきます。


「やっぱり、ダメかな…?」


「お前の進路だし、別に口出しはしないつもりだ。まぁ、香、がんばれ。」


そう言ってお父さんはまたうなずきます。


「お前、面接でロクサン運転したいとか言ったら落ちるからな~。」


お兄ちゃんは笑いながら言います。


「そ、そんなこと言わないよ!!」


私は顔を真っ赤にして言うとお兄ちゃんは笑いました。



行く準備をして…


「行ってきます~!!」


家を出て、最寄り駅の東急東横線の反町駅へ向かいます。そこから横浜へ向かい、湘南新宿ラインに乗り、高校がある土呂へ向かいます。

私が通う高校は普通の高校ではないんです。大宮鉄道高校。この名前を聞いて勘のいい人はわかるよね?普通教科にプラスして鉄道専門教科を教えている学校です。それにこの学校はJR東日本が経営している学校で東大宮車両センターにあるJR東日本東京訓練センターに併設された高校です。この学校は高等教育以外にもJR東日本の新人研修にも使われています。JR東日本が経営してる高校だからと言ってこの高校にいる人たちがみんなJR東日本入らなきゃいけないわけではなく、普通に東急や小田急など私鉄にも入れるし、大学進学も可能な高校です。

土呂駅から歩いて15分ほど、そこに私の高校があります。そして教室に向かうと…


「今日、235の甲種あるぽいぞ。」


「昨日、211のN買ってさ~。」


「小田急の新しいロマンスカーが…」


教室に入れば、鉄道の話が飛び交っています。そして周りを見ても男の子ばかり。私のような女子は1学年で数人ほど。

私が席について準備をしていると…


「香ちゃ~ん!!」


そこにクラスメイトの女の子がやってきました。彼女は奥野桜ちゃん。私の大親友です!!


「桜ちゃん、おはよ~。」


私はにっこり笑います。


「いや~、もう今年が就職試験だね~。」


「そうだね~。もう、勉強大変だよ~。」


私はうなずきます。


「香ちゃん、どこ受けるか決めた?」


「うん!!私はうすい鉄道受けようと思うんだぁ~。」


「え?嘘!?」


私がそう言うと桜ちゃんは自分の口元を手で塞いで言いました。


「もしかして、桜ちゃんも?」


「うん!!」


桜ちゃんはにっこり笑います。


「やった~!!就職さえ出来れば一生桜ちゃんと一緒だ~!!」


私は立ち上がり、桜ちゃんに抱きつきます。


「そうだね~!!私も嬉しいよ~。」


桜ちゃんも私を抱きしめます。

このシーンを見た男の子たちが、立ち尽くしていたのは言うまでもありません!!



それから9月の就職試験まで必死に勉強や面接に向けての練習をしました。

そして迎えた就職試験当日。私は本社がある高崎の近くで前泊をし、その時を待ちました。


「よ~し、頑張るぞ~!!」


「香ちゃん、一緒に頑張って働こうね!!」


「うんっ!!」


私はにっこり笑って、桜ちゃんと一緒に本社の建物に入ります。



筆記試験に面接。どれも予定通りにうまくいけたと感じました。さすがに面接で「ロクサンを運転したい」とは言わなかったけどね。一応、この会社は地域を支える路線を持つ会社だけど、碓氷峠をメインにした観光鉄道。私はその観光業に惹かれて来たってことにしてたりする…。まぁ、たぶん、人事さんには本音がバレバレだと思うけどね…。

それから数日後、学校から家に電話があり


「横川、おめでとう!!うすい鉄道に内定もらえたぞ!!」


と、先生から賞賛の声が。


「やった~!!ありがとうございます!!」


そう言って私は電話を切りました。


「香、おめでとう!!」


「おめでとう!!」


「香、やったな!!」


家族全員がにっこり笑って私を見ました。


「ありがとう~!!」


その時、私の目には涙が溢れていました。



そして数日後、学校で


「香ちゃん、結果どう?」


桜ちゃんが聞きます。


「内定もらえたよ!!桜ちゃんは?」


私はピースをします。


「私も内定したよっ!!」


桜ちゃんもピースをします。


「やったね、桜ちゃん!!」


「うん!!香ちゃん、これからもよろしくねっ!!」


「うん!!」


そう言って私たちはまた抱き合いました。



憧れのうすい鉄道に内定がついにもらえました!!私の憧れに一歩近づけました!!でも私はまだスタート時点に立ったばかり。私の夢はまだはじまったばかりです!!


今回は解説が多めでしたが次回からは本編の(序章)に突入です。(この話は序章の序章ってとこかな?w)とにかく次回からは百合成分を上げたいと思います!

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