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異世界ALIVE  作者: 路地裏
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y3.何事も常に突然に


 月が沈み、空が白んできた頃、私は起きた。

 夜明けの空気が少し体温を奪ってくるが、私は海水で顔を洗い、飲み水を作る。


 異世界生活二日目だ。



 とりあえず水の為にコップとか量産しないと。

 異世界生活二日目は草むしりから始まった。



 水を作る仕掛けをセットし、水が出来るまでに草をむしって編み込む。

 また水を作って草をむしって編み込む。

 またまた水を作って草をむしって編み込







 やってられるか!!!!


 本当は潮風で全身ベタベタするから、水浴び出来るほどの水を用意したかったが

 これはキツイ。か弱いJKには無理だ。何よりこんな時間かかる事ずっと出来るほど私は気が長くない。


 とりあえず食べ物はその辺の木の実で我慢する。

 昨日食べてみたけどお腹痛くもなんないし、虫がかじった後とかあれば大体毒はない。多分。


 私は草を編み込んで水筒を二つ作った。

 両方ともいっぱいになる分の水は作ったし、思い付いた事がある。これで少し遠出してみよう。


 昨日横になりながら考えてみたんだが海沿いに歩いて行ったら川があるかもしれない。いやていうかこんなに地球に似てるんだ、きっとある!そこなら水浴びも出来るし水の問題は全部解決!拠点にするには最高だ!

 川を求めて意気揚々と白い砂浜を歩きだす。




 どれぐらい歩いただろうか、川なんて見当たらなかった。

 砂浜に足を取られながら歩き続けるのは日頃、運動不足気味で昨日の作業の代償に筋肉痛となった体にさらに大打撃を与える。


 それでも歩き続けた。水浴びという乙女のたしなみ的心の支えが無ければもうとっくに足を止めてるところだ。

 いやていうかね、ほんと飛ばす所考えてくれよ……。



 だがしかし!ここまで何も収穫がなかった訳では無い。

なんと歯ブラシを作れた!!

 これはデカい!私は寝る時、口を開けたままじゃないと寝れないのだ。

 だから朝から口の中が気持ち悪くて仕方なかった。


 なんかモジャモジャしたのがついてる、見たことない植物が海岸沿いに生えていたから、

 そのモジャモジャをむしって、枝に付けただけだけど無いより遥かにいい!

 これで私の口内の平和は守られる!




 そしてそれだけじゃない!むしろ大事なのはこっちだ!!

 海岸沿いに歩いていると、なんと!うっすら海の向こうに陸地が見えるのだ。

 そしてその陸地には、人口物らしき塔のような、見張り台のような建物のシルエットが見える。



 目標は決まった。あそこにはきっと人がいるはずだ。

 いかだを作ってあそこまで行く。それでこんな暮らしとはおさらばだ!


 ……でも私人と関わるのあんまり得意じゃないんだよなー。

 大丈夫かな、そもそも異世界の人ってどんな感じなんだろ……



 まあどっちにしても生半可な物じゃこの海は渡れないだろう。


 とりあえずは川と拠点が先だ。

 そう思いながら歩みを進めてると問題が発生した。





 いや、かなり前から兆候はあった。

 だが今、もう無視出来ない脅威となって私を襲って来ているのだ。




 そう、便意である。

 だがしかしジャングルにトイレなんてあるはずがない。

 となると私に残された選択肢は一つ。




 野〇ソである。


 いやいやいやいや馬鹿な考えはよせ私。

 うら若き乙女が野グ〇なんてしていいはずが……



 いやいやいやいやそれこそ馬鹿な考えだ。

 今は緊急事態!それに他に手段など無いし誰も見てないだろう!



 そんな脳内会議をしている間にタイムリミットを知らせる警鐘が私の腹に響く。

 ええい、仕方ない!!せめて紙!紙だけでも!!



 近くの大きめの葉を何枚かちぎって、草むらで身をかがめる。











 危機は去った。だが私は確実に今、何かを失った。



 無念……。




 拠点にトイレを作ることを決意した瞬間だった。



 危機は去り、歩みにも力が入る。

 そのまま歩き続けて日が傾く頃にやっと見つけた。


 「川だ!!!」


 疲れを忘れて思わず駆け寄り、少し河口からジャングルに入った所の水を舐めてみる。

 しょっぱくない。……しょっぱくない!!





 それは感動的な出会いだった。

 歩き疲れて水筒の水も残り少なくなってきた頃。

 運命の人 いや運命の川は疲れ切った私を優しく迎える為待っていてくれたのだ。


 私達は出会えた喜びを確かめるようにキスを交わし熱い抱擁を……


 え?茶番はもういい?


 まあわかりやすく言うと、川見つけたから全力で水を啜り全裸で飛び込んで水浴び中だ。

 水筒を洗って汲み直すのも忘れない。


 日も落ちて来たしそろそろ寝る準備しないとなー。

 私は周囲の木の実をかき集めて川沿いの浜辺へと戻った。


 なんで浜辺へ戻るかって言うとジャングルで寝て虫とかいたら怖いじゃん?


 それだけだ。たくましいと感じるかもしれないが

 私は実はインドアJKなのだ。

 虫は怖い。


 無駄に乙女感だしつつ二日目も無事に生き延びた。

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