店主
機関車トーマスという現象
余りに金が無いので、これはおかしいのではないか、最後の審判はどうしたのか、と思い出して自分の身をバラ売りするしか無いと思い至った。いざ売るとなると何処を売ってやらうかと迷うものだが、どうせ頭が値が良いに決まっている。ところがどうした訳か私の頭は350銭にしかならないと言ふではないか。逆に親指の爪などは1片1万円になるという。私の頭は爪以下、ということか。そんな茶番があるか、おひ、店主を出せ、出せというんだこの腑抜けども。この腑・ど・ぉ。奥からゆっくり現れた店主らしき主体はどう見ても機関車トーマスだった。私の頭を350銭と値切った奴の不正を正そうとして出会ったのが機関車トーマスとはお笑いぢゃないか。おひ!トーマス!私の頭の値が可笑しい。どうかしている。そう言うと、トーマスと思しき主体は訳のわからない言葉で話し始めた。機関車トーマスは何処の国のものだったか、そもそもここはドーソン島ではない!ドーソン島には毛の生えた機関車も有るという。まるでマジックのように毛が生えるのだ。そうだ、ドーソン島は英国に違いない。それだから毛の生えた機関車等があるのだ。英国には島が多数あるからな。私を言語で愚弄しようとしても動じぬ。ドーソン島には毛の生えた機関車が走り始めていた。そしてその毛には小さく数式らしきものが書かれている。その数式を研究する専門家集団の長は、鼻の長さで全ての物を測る天才として君臨していた。彼の鼻は特に短くも、長くもなかった。普通だった。ただ、極めて平均値を取っているかと言われれば寧ろそんな事は無く、つまり特出したものではなかった。彼はその鼻を使って数式を解こうとしていた。
解けなかった。




