日向にて
山積みされた洗濯もの。
折り重なり、しわくちゃになりながら、まだかまだかと私を急かす。
おどけたように、ふうっと息吐き腰下ろす。
斜めに降り注ぐ日射しが、心地よい空気を作っている。
まだ、まだ、気持ちは動かない。
絶妙なあたたかさ、思わず欠伸が出てしまう。
目の前に、山があれば登る人?
残念、私は、目の前の山は眺めていたい。
それでも、この山は片付けたい。
私はここに寝転びたい。贅沢な退屈を味わいたい。
この私だけの日向にて。
私は決心した。この山に挑みます。
動機は不純?まずはカラフルなタオルから。
すすすっと手際よく、色とりどりのタワーが完成。
スローなライフが憧れ。比例して山はどんどん高くなる。
だけど、私はこの山に挑みます。この山を片付けたい。
淡いももいろに包まれて、贅沢なお昼寝。
動機が不純?いつの間にか、リズミカルに手が動く。
ぱぱんっと弾みつけてシワ伸ばし、さささっとお手頃サイズに変えていく。
しわくちゃな山は無くなって、カラフルなタワーがたちならぶ。
ある意味、山頂制覇に心は達成感に満たされる。
さあ、ささやかな贅沢。ひとときの日向ぼっこ。
寝転がって背を伸ばし、力の抜けた体が気持ちいい。
ほら、もう眠りに満たされていく。
あれ、たたたた、小さな音と振動が近づいてくる。
あれ、きゃっきゃと笑い声が私の周りをぐるぐる回る。
私は一気に力を入れて飛び起きる。
やっぱり、わが家の愛しき暴れん坊。
走って、跳ねて、転がって、全身全霊で暴れて遊ぶ。
ローアングルで君を見て、まさに怪獣王が現れた!
カラフルタワーはぺしゃんこで、全部台無し、お昼寝終了。
だけど、贅沢な時間、君と山岳ジオラマで怪獣ごっこ。
がおー、ぎゃおー、洗濯ものの山にこだまする。
バタバタ、ピョンピョン、ゴロゴロが終わったら、ほどよい疲れが待っている。
淡いももいろに包まれて、きっと君とお昼寝タイム。
ささやかな贅沢が待っている。この日向にて。




