春輝の配下
王の間を出て、ふと春輝はリオネスの朝食の準備を思い出し、サラの方へ振り向く。
「さて、サラ。これでお前は晴れて俺の配下なわけだけど、俺は別にお前に何かを強制する気は一切ない。」
「……べつに命令してくれて構わないんだぞ?」
「命令した方がいいか?俺としてはお前が勝手に動いてくれる方が楽なんだけど……。」
「なら、そう命令すれば良いのではないか?」
「んー、それもなんか違うような気がする……。ま、いいか。
ところで、サラ、お前その口調、本来の口調じゃないだろ?元の口調で喋ってくれると嬉しい。」
「たしかに、もう魔王でなくなった以上、この口調である必要は無いが……何故?」
「見た目的に、元の口調の方が似合いそうだから?」
「……それは、今の口調とあまりあっていないという事か?私の見た目と。」
「まあ、かわいい女の子の口調じゃないな。というわけで、命令かな?「元の口調でしゃべりなさい。」っと。これでいいのか?」
「……なんて無駄なことにあんたは命令権を使うのよ……。別に命令権は無限だからいいものの……。」
「お、そっちの口調の方がやっぱり似合ってるな。可愛いと思うぞ、サラ。」
その言葉に頬を染めるサラ。
「……ありがと。」
と短くお礼をいう。
春輝は、そこでお願いしようとしていたことを思い出す。
「あ、サラ、お願いがあるんだけどいいか?」
「いちいち許可なんて取らなくていいわよ……。で?何?」
「今からお嬢様の部屋に行って、朝食を食べる人数を確認してきてくれるか?確認できたら通信魔法で伝えてくれ。」
「主殿、使えるの?通信魔法。」
「今使えるようになった。」
「……は?え?どういうこと?」
「いや、だから今自分で作ったんだよ。別にそんなに難しくなかったぞ?」
「……なんかあたしが負けた理由が分かった気がするわ……。」
そう言ってうなだれるサラに、「じゃ、頼んだ。頼りにしてるぞ。」と言って、厨房に行く春輝。
頼りにしていると言われて素直に嬉しくなると同時に、自らの単純さに少し自己嫌悪するサラであった。




