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執事流異世界物語  作者: 一兄@茄子推し
1章~執事道は意外とハード?~
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従属魔法

いち早く我に帰ったジルが、わめいている春輝とサラに近づく。


「春輝殿、どうされたのですか?」


「あ、ジルさん。ジルさんは、この手首の黒いアザみたいなのがなにか分かりますか?」


「……私も見たことがございません。鑑定の魔眼で見ても良いですか?」


「ええ。お願いします。」


「その必要は無いぞ、老人。」


そこで口を出すサラ。


「この魔法は、従属魔法だ。知らないのも無理はない。本来ならとうに忘れられたはずの禁術なのだからな。」


「禁術……ですか?」


「ああ。私も、実物を見るのは初めてだ。……この執事は何者なんだ?」


「元勇者です。今は私と同じ主の執事をしております。」


「それは、勇者ではないのか?」


「魔王を倒すために動くのが勇者であるならば、彼は勇者ではありませんよ。」


「で、従属魔法って何なんだ?結局。」


そこで口を挟む春輝。


「それはだな、執事……。いや、もうこの際、主殿と呼ばせてもらおう。簡単に説明すれば、下僕を作る魔法だ。」


「し、下僕?」


「ああ。このアザのせいで、主殿は私に対する絶対命令権を得たというわけだ。これに抗うのは魔王である私ですら、不可能だ。」


「へー。命令権を得る魔法か。禁術としてはしょぼいな。」


「……それだけじゃない。この魔法の一番恐ろしいところ、それは、[主が死ねば従者も死ぬ]という所だ。」


「……は?」


呆然となる春輝。

ジルは黙って目を瞑って聞いている。


「え?じゃあ俺が死ねばお前まで巻き込まれるのか?」


「そういう事だ。無論、メリットもあるのだぞ。

この魔法のメリット、それは命令権と経験値の共有化、そして位置特定ができる点だ。」


「……なあ、それさ、術者にデメリットがないよな?」


「ああ。だからこそ禁術なのだよ……。それと、これはあまり言いたくないのだが……、主殿と私の絆が深まれば深まるほど、双方の力が上がっていく。」


「……絆が深まるっていうのは、その、あれか?エロいことしないといけないとかそんなのか?」


「ば!バカをいうな!確かに、エッチなことをすれば絆は深まるかもしれないが、絶対に必須という訳では無い!勘違いするな!」


「あ、はい。すいません。」


そう言って、サラに平謝りする春輝。


「しかし、妙なことになったな……。」


「これで私と主殿は一生離れられなくなったわけだな……。はあ……。こんな事であたしの運命の人が決まるなんて……。もう、最悪……。」


「うっ……、その、すまん。」


そう言ってさらに頭を下げる春輝。

諦めたように、サラはため息を吐くのだった。

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