迷宮探索編 終了
「えー、みんなのおかげで、なんとか30階層のボスを倒せました!ありがとう!そして、乾杯!」
千秋の掛け声に、みんなも「かんぱーい!」と言って、宿屋で夕食が始まる。
そこで、美冬の元に直也がやって来る。
「望月さん……、その、俺、ごめん!」
「いえいえ。飯田くんは操られていたんだから、仕方がありませんよ。きちんと分かってますから、謝らなくてもいいですよ。」
そう言って、微笑む美冬。
その表情に直也は安堵する。
「それに、王子様もちゃんと来てくれましたし♡」
そう言って、表情を思いっきり緩ませる美冬。
その表情を見て、直也は、春輝には適わないと感じさせられた。
「許してくれてありがとう。じゃあ、俺はこれで。」
そう言って立ち去ろうとする直也。
その後ろ姿に声をかける美冬。
「あ、飯田君。フェデルクさんがどうなったか、知りませんか?」
「うーん、俺が目覚めた時にはもういなかったと思う。力になれなくてごめん。」
「いえいえ。ありがとうございます。」
美冬は、少し表情を曇らせる。
その表情を見て、愛歌が美冬に声をかける。
「どしたの?望月さん?」
「いえ、春輝君のお仕置きって、何だったのかな?って。」
「そういえば、聞いてなかったね。何だったんだろね?」
少女達は可愛らしく首をかしげるのであった。
一方その頃、フェデルクは暗闇の中、森を走っていた。
「はぁ、はぁ、はぁ!おい!どうなってるんだよ!どうしてこんな事になったんだ!答えろよ!ゼルジオン!」
真っ暗闇の中、そう叫ぶが、誰も答えるものはいなかった。
2016年 6月8日 9時頃 迷宮都市にて
「さて、出発するぞ!みんな、準備はいいな?よし、出発進行!!」
オリガのその声で、馬車は動き出す。
かくして、迷宮組の探索は幕を閉じた。
そして、またほのぼのとした日常が幕を開ける。




