第一王子事件の後。
「はぁ……、俺はなんてことをやってしまったんだ……。せっかくあんないい雰囲気だったのに……。」
「まあまあ。仕方ないであろう。その場の空気に流されるのも良くない。帰ってくればいくらでもいちゃつけるのだから良いではないか。」
「……それもそうか。」
そう言って、第3訓練場を走る2人組。
言わずもがな、先ほど意識を取り戻し、美冬にジト目で睨まれて謝り倒した春輝と、この1週間で見違えるほど痩せて、筋肉質な体となった凰雅である。
「我々なんて、未だにキスすらロクに出来ていないのだからな!」
「自慢げにいうことじゃないぞ……?それよりも凰雅、頼まれたヤツ、できそうか?」
「……難しいやもしれぬ。われもずっと作ってみたかった代物だが、正直にいえば難易度が高すぎる。今の我では構造を読み取ることは難しいだろう……。」
「しかし、魔剣を複製するなんてこと、できるのか?」
そう。凰雅は、魔剣の複製を国王から依頼されたのだ。期限は、次回の探索出発時までらしい。
「それでもやるしかあるまい。最悪、オリジナルでも構わないと言ってくれているのだからな。」
「そうか……。今度一緒に理論くらいなら考えてやるよ。」
「その時は頼むぞ。頼りにしている。」
そう言って笑い合うふたりであった。
さて。春輝が王子に施したイタズラとは何だったのか。
フェデルクは、それに気づかずに急いで街へ逃げて歩いていると、町の人から石を投げられた。
何故?と、おもい、窓に移り込む自分の顔を見て絶望する。
そこには、元の綺麗な顔の面影など、どこにもなく、見るに耐えない醜い顔が映り込んでいた。
フェデルクは、それに絶望し、発狂し、街を走り抜けたそうだ。
春輝は、リオネスにかかっていた呪いを、フェデルクに返したのであった。
「そっかー。じゃあ大人の階段は登れなかったんだねー。」
魔物に一撃を浴びせながら、愛歌がそんなことを言う。
「はい……。なんで急にたおれちゃったんでしょう?春輝君は。」
「「ヘタレなだけじゃないか?」」
と、真人と千秋のきつい言葉。
「知ってます。春輝君がヘタレなことは。」
と、美冬からもきつい言葉。
春輝本人がしらないところで、春輝の悪口大会が勃発し、最終的に何故か、いいところを言っていく大会に変わったのだった。




