初めて?
泣き止んだ二人は、ベッドに座りながら寄り添い、会話をしている。
「……そういえば、本当に来てくれましたね。私が危ない時に。」
「もちろんだ。美冬が死ねば俺も死ぬことになる。」
「死なないでくださいよ!?」
「美冬も俺が死ねば死ぬだろ?」
「あ、はい。それはもちろん。生きている意味が無くなりますから。」
「そこまでかよ……。それと同じだよ。死ぬ時は二人とも一緒だ。」
「……はい。」
そう言って嬉しそうに春輝の肩にもたれかかる美冬。
「しかし、どうしたもんかねぇ……。」
「何がですか?」
「いやな、一応あれでも一国の王子なんだ。それに、あのとき頭に血が上ってたせいで、アレまでやっちゃったしな……。」
「アレ?何をしたんですか?」
「それは秘密だ。朝になればわかるよ。」
「そうですか……。……春輝君、朝には帰っちゃうんですよね?」
「まーな。本当は真人たちにも挨拶がしたいけど、あいつらも迷宮で疲れてるだろうし。起こすのも悪い。それに、凰雅のトレーニングにも付き合わなきゃだし。」
「トレーニング?凰雅君、トレーニングをしているんですか?」
「ああ。武器を作る交換条件にダイエットに付き合ってくれって頼まれてな。びっくりすると思うぞ。みんなが今の凰雅を見たら。」
「ふふ、楽しみにしておきますね。……あ、そういえば春輝君、見てください。」
そう言ってウサミミを生やす美冬。
それに驚いた後、悶え出す春輝。
それを不思議そうに見ながら未冬が言葉をかける。
「春輝君、どうですか?かわいいですか?」
「美冬、早くそれをしまってくれ!さもないと俺は理性を保てずに襲いかかってしまう!」
「え?え?」
「大好きな彼女が大好きなウサギの耳をはやしたらどうなる!答えは簡単だろ!」
「えーと……、春輝君がオオカミさんになります?」
「ああ!だから早くしまってくれ!今必死に素数を数えてるから!」
「え、じゃあ、……どうぞ、召し上がれ?」
すると、何かを悟ったような表情になった春輝。
「美冬、俺は宣言したよな。何もしないって。」
「はい。しましたね。……守れそうですか?」
「……無理。俺の彼女が可愛すぎて。」
そう言ってベッドに美冬を押し倒す春輝。
「そ、その、初めてですけど……よろしくお願いします!」
頬を赤らめながらそんなことを言う美冬。
その表情に春輝の頭から何かがプツンと切れたような音がして……
そのまま美冬に覆いかぶさりながら気を失った。




