お買い物
勇者達が宿につき、各々の部屋に入り荷物を起き終えた後、街を散策しようということになった。
そんなわけで、今、美冬と千秋と真人と愛歌は一緒に迷宮都市のお店なんかを巡っていた。
今は、ガラス細工のお店に来ている。
「これなんかどうですか?千秋君。」
「んー、たしかに綺麗だけど、ハル兄の好みとはちょっと違うかな〜?」
そういって、ガラス細工を選ぶ千秋と美冬。
真人は少し疑問に思い、2人に問う。
「二人とも、春輝に何かあげるのか?」
「ええ。せっかくここまで来たんですし、お土産でも買っていこうかな〜なんて。」
「もちろん、穏乃さんや凰雅の分も選んだよ。でも、なんかハル兄の好みって分かんないんだよね……。」
「ん?望月、お前、春輝については右に出るやつはいないとか言ってたのに、分からないのか?」
「好みならわかるんですよ……。でも、喜んでくれるかと言われると、どうしても納得がいかなくなっちゃって……。」
「ちなみに今、目をつけてるのとかはあるのか?」
「このイルカのとペンギンのですかね……。春輝君、ペンギンがすごく好きなのは知ってるので。」
「……いや、やっぱり言うのはやめておこう。」
「え?なにか思いついたんですか?真人君。」
「あんまり、聞くべきでないかもしれないぞ?」
「気になるので教えてください!」
「分かった。なら教えてやる。……春輝が一番好きなのは望月、お前なんだから、お前が上げるものならあいつは何でも嬉しがると思うぞ?って言おうとしたんだよ……。そんな事言ったら、お前がまた面倒くさくなるから言いたくなかったんだ……。」
「あー、ハル兄なら多分何をあげてもそういうと思うな……。
ハル兄の美冬さんへの好感度は、振り切ってるから。」
「……聞いてすいませんでした。恥ずかしくて死にそうです。」
そう言って真っ赤になって俯く美冬。
愛歌はそんなことを全く気にせずポーっとガラス細工を眺めている。
「愛歌さん?どうしたんですか?」
気づいた美冬が近づく。
近づかれたことにようやく気づいた愛歌が美冬に言う。
「このガラス細工のコップ、とっても綺麗だな〜って。」
「あ、確かに……。あ!そうだ!千秋君!これにしませんか?みんなへのプレゼント!」
「いいね!全員色違いのお揃いのコップ!」
「いいんじゃないか?それぞれのステータスプレートに合わせるというのはどうだ?」
「いいですね!そうしましょ!ね、愛歌さん。」
「そうだね!そうしよー!」
そんなわけで、満場一致でお土産はコップに決まった。
帰り道、夕焼けが見え始めた頃、愛歌は疲れきって真人に背負われていた。
それに真人がブツブツと文句を言っている。
「……だから、動きすぎたらしんどいぞと言ったのに……。こいつは学ばないな……。」
「それが愛歌さんの短所でもあり、長所でもありますから。」
「そうそう。おしとやかな愛歌なんて気色悪いよ!」
そういって、夕日を眺めながら歩く3人。
「いまごろ、春輝君は何をしてるんでしょうか?」
「「どうせ訓練だろう(だね)。」」
「今、ハモりましたね。」
そうして笑いながら宿へ向かう3人。
その背中に、夕日が優しくさしているのだった。
次回、迷宮攻略開始!
その前にずっと謝り忘れていたことを告白したいと思います。
滅茶苦茶短い文章書いたりしてすいません!
その結果、あとがきの方が本文よりも長いなんてことも起きました……。
頑張ってこれからは極力短いのは無しにしようと思います。
この話を書く時に聞いていた曲は、読者様からの感想で教えてもらえた、fripsideの「hesitation snow」です。
とてもいい曲で、一瞬で気に入りました♪
もっともっとたくさん教えて貰えたら嬉しいです(*・ω・)*_ _)ペコリ
では、今回はこの辺で。