異常な成長
「なるほど、そんな事があったんですか。」
「勇者は馬鹿ばっかりなのか……。ハルキも含めて……。」
そういって、ジルは微笑み、ミーシャは呆れる。
「失礼な。あいつらよりかはマシだ。」
「お嬢様の相手をしながらよく私たちと話せるよね……。
三日前までは一般人だった人間とは思えないわよ……。」
「ハルキ!話してる余裕があるなら本気で相手をしろ!」
「え?割と今でも余裕ないんですけど……。」
「とかいいながら私たちに視線向けてるじゃない……。ハルキの規格外さは日に日に酷くなってるわね……。今の私じゃ話にもならないくらい。」
「ん?最初からお前は話になってなかったぞ?ミーシャ。っと!……今のはいい一撃でしたよ、お嬢様。」
「うっさい!言わなくてもいいことを言うな!」
「随分と余裕があるんだな、ハルキ。これからはジルと私の二人がかりでしごくべきか?」
「良い事を思いつきますね、お嬢様!ジルさん、一緒にやりませんか?」
「ふむ。私ですらもう相手にならないと。大きく出たものですね、ハルキ殿。」
「あ、ジルが珍しくワクワクした顔してる。」
「爺やまで本気にするとは……。冗談だと言いづらくなってしまうではないか……。」
そういって、ため息を吐くリオネス。
ジルは苦笑いしながら、
「今のハルキ殿なら我々2人でギリギリかも知れませんよ?お嬢様。明日にはそれでも足りなくなっているかもしれない。」
と言いつつ攻撃を始める。
「ハルキの成長速度には本当に目を見張るものがあるな……。勇者補正というやつだろうか?」
「いえ、そういう訳では無いかと。ハルキ殿以外の方はそこまで変わってはいないようですし。」
「はぁ……。ここまで頑張って来たのにこうもすぐに超えられると落ち込むものだな……。」
「え、え〜と、なんかすいません。」
そう言いつつも、ジルとリオネスは春輝に攻撃を続け、それを春輝はさばき続け、周りの騎士は呆然とそのやりとりを眺める。
そうして結局、リオネスがスタミナ切れでギブアップするまで、ひたすら攻撃を躱し続ける春輝であった。
作者「ふぅ。ようやく書き終わった〜。」
魔王「……作者よ。いつになったら私の出番が来るのだ?」
作者「え、え〜と……、現予定だと早くて50話くらい?(目逸らし)」
魔王「……作者よ、お前の罪を数えろ……。」
作者「い、いやだ!や、やめて、やめてぇぇぇ!」
その後、作者の部屋にはビクンビクンと痙攣して「も、もうやめてぇ……。」と、うわ言を呟く作者と、それでも作者をこそばし続ける魔王の姿があった。
魔王「惨殺してもよかったんだが、それだと本当に私の出番がないまま終わってしまうからな。」