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執事流異世界物語  作者: 一兄@茄子推し
1章~執事道は意外とハード?~
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美冬の想い

2016年 5月22日 イルセ王国の王城の第4騎士寮にて。


東雲春輝の朝は今日も早い。


午前4時にいつも通り起床し、日課のトレーニング。

その後、昨日覚えたばかりの魔力制御の練習をしたあと、ステータスプレートに書かれていた、ユニークスキルの一つである、[無限収納]を試していた。

[無限収納]は、その名の通り、通常時は空間魔法によって切り離された[固有世界]に、どんなものでも収納しておける、というものである。

大きさや重量にも一切の制限はなく、あずけていた物をイメージすることで即座に呼び出すことが出来るという、まさに四○元ポケットである。

もちろん、ポケットの中のものは時間が停止しており、保存状態も完璧なわけであるが、この魔法には重大な欠点があった。

確かに、この魔法は素晴らしいのではあるが、消費魔力が多すぎるのだ。数値にして毎分500も魔力を消費し続けるのである。魔力量がバグっているような数値の春輝の魔力回復速度でなんとかずっと維持し続けていられるだけで、空間魔法関連では最下位である[有限収納の箱]ですら、毎日維持し続けられる魔術師は優秀といわれるほどである。


話はそれたが、春輝は難なくこの魔法の行使に成功した。そして、その中身の情報が頭に流れ込んできて驚いた。

元いた世界の物が入っていたのだ。

いや、正確には元いた世界でも春輝が愛用していた、エプロンや調理器具、ほかにも調味料や服も入っていた。

理由は理解出来なかったが、春輝はありがたく使うことにした。


そんな訳で、寝間着からいつもランニングの時に着ていたジャージに着替え、4時30分位になったところで、そろそろ行こうかと廊下に出たところ、美冬が部屋の中に入るところだった。

そうして気がついた。美冬の笑顔が不自然な事に。

春輝は心配になって、声をかけることにした。


「望月さん、おはよう。こんなに朝早くに起きたのか?……あと、大丈夫?元気なさそうだけど……。」


「あ、春輝さん、おはようございます…。昨日はちょっと寝付けなくて……。でも、大丈夫ですよ?」


そう言って、微笑もうとする少女を見て、春輝は唇を噛み締めた。そして、急に美冬を抱きしめ、こう言った。


「嘘、言わなくていい。大丈夫じゃないことくらい、分かる。」


それに対して美冬は、一瞬何をされたかわからないような表情をして、すぐに現状に気づき、春輝から離れようとしたが、何故か力がこもらなかった。


「望月さん、辛い時は、辛いって言って欲しい。泣きたい時は、思う存分泣いて欲しい。そうする事で、君が笑顔になれるなら、俺はとても幸せなんだから……」


そう言って、一旦春樹は言葉を区切り、抱きしめる力を少し強め、言葉を続けた。


「俺は、望月さんが笑ってる顔を見るのが、大好きだから。

だから、こんな俺の胸でいいなら、いくらでも貸すから、今は、思いっきり泣いても、いいよ。」


美冬は、その言葉を聞いた途端、彼女の中で何かが切れる音がした。

この世界に来て、彼女はずっと元気にふるまい続けてきた。

しかし、家族思いで、両親のことが大好きな彼女が、辛くないわけがなかったのだ。

だが、周りにそんな態度を見せるわけにもいかず、ずっと我慢し続けてきたが、自分の好きな人である春輝の優しい言葉で、その抱擁で、一気に押し込んでいた気持ちが押し寄せてきたのだ。

そうして、その場で春輝を抱きしめかえし、子供のように泣き続けた。

春輝は、美冬が泣き終わるまで、ずっと彼女の頭を、子供をあやすように撫で続けた。


そうして、美冬は思った。


(やっぱり私は、この人のことが大好きだ。)


と。


美冬が泣き終わり、落ち着くまで、互いに抱き合っていた2人だったが、落ち着き始めると、冷静になった美冬が、


「ご、ごごごご、ごめんなさい!!」


と、真っ赤な顔になって離れた。

そして、春輝も、真っ赤になっている自分の顔を見られないように顔を逸らしながら、


「じゃ、じゃあ、俺は約束があるから。ご飯の時間まで時間があるから、寝ておくといいぞ。」


と、言いながら歩いていった。


その後ろ姿を見届けた美冬は、自分の部屋に入り、ベッドに倒れ込むと、そのまま寝てしまうのであった。

凰雅&千秋「「第2回!番外コ〜ナ〜!!」」


春輝「また、やるのか?」


凰雅「うむ。どうやら作者もそろそろ限界のようでな。本編を書き終えた後、「我が生涯に……一遍の悔いなし……っ!」とかほざいておったぞ。」


千秋「そんなわけで、今回のお題は「身長」だよ!これは作者が書き忘れてたからだってさ。」


春輝「おい作者、このお題、俺達からしたら分かりきってるけどいいのか?」


作者「………いいんじゃない?」


春輝「おい作者、絶対考えてなかっただろ。」


作者「……(バタッ」


千秋「死んだふりをしてる作者は放っておいて、発表〜!」


春輝 [161cm]

千秋 [172cm]

凰雅 [173cm]

真人 [183cm]

愛歌 [147cm]

穏乃 [162cm]

美冬 [158cm]


凰雅&千秋「……(ポンッ」


春輝「おい、お前ら。なんで俺の肩に手を置く。別に気にしてないからな。身長が弟に負けてて辛いとか、穏乃さんと同じくらいの身長とか、そんな事気にしてないからな。おい、愛歌までそんな哀れむような表情をするな。泣きたくなってくる。」


美冬「大丈夫ですよ!春輝君は小さくて可愛らしいですよ!」


春輝「小さくて可愛らしい……(死んだ目)」


美冬「むしろ!小さくない春輝君なんて春輝君らしくないですよ!」


千秋&凰雅&愛歌&穏乃(あ、トドメ刺した。)


春輝「……帰る。」


美冬「え!?春輝君!?帰らないで下さい〜!!」


凰雅「言ってはならんことを……」


愛歌「褒めているのにトドメを刺すなんて……美冬、恐ろしい子……!」


千秋「では、今回はここら辺で。ありがとうございました〜。」


凰雅&愛歌&穏乃「ありがとうございました〜。」


春輝「……グスン」


美冬「……泣いてる春輝君……可愛い……」


千秋&凰雅&愛歌「え?」

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