用語集
■ 転生
仏教用語でいうところの生まれ変わり。
この世界では同世界、他世界からの転生者が無数に存在する。
前世の記憶をどの程度保持しているかはかなり個人差があり、思い出す時期も異なる。
主人公のツナは五歳の時に渡辺綱としての記憶を取り戻した。
転生者の場合、必ず前世の名前を保有している為、教会で調べればすぐに分かる。
■ ステータス
この世界では個人ごとに数値化された能力値を持つ。
教会に行けば無料で調査してくれる。(場所により有料)
この能力値はトレーニングなどで向上するが、迷宮都市の外ではレベルが存在しない為、ただ明示的に能力が確認出来るだけのものとして認識されている。
これは元々の能力値に掛けた補正値の為、見掛けや実際の力とは乖離している事も多いらしい。
就職の際、この数値が採用の基準とされる事もある。
迷宮都市でも外と同様にトレーニングにより能力値は向上するが、レベルアップによるものが基本とされる。
元々の体を鍛えないと効果は薄いので、トレーニングは必要だ。
関係ないが、< マッスル・ブラザーズ >の皆さんの筋肉は魅せ筋がメインである。
■ スキル
ツナが最もこの世界でゲームらしいと感じているシステム。
基準は不明だが、何かしらの修練を経て一定の力量に達した際、固有の名前がついたスキルを習得する事が出来る。
習得するものにもよるが、スキルを習得しているとこれまでの修練に身につけた事以上の能力を得る。
これはステータスと同様教会で確認出来るが、習得の困難さからステータスのチェックのついでに確認される事が多いらしい。
習得の目安としては、ある程度その才能を持っていて一年程それだけに従事すれば習得出来るかも、という位だ。
確認出来ない事も理由の一つだが、何かしら五つスキルを習得しているとかなり優秀と言われる。
迷宮都市でもその目安に違いはないが、ダンジョン内は習得し易いと公言されている他、クラスなどによる独自の習得方法もある。
また、スキルオープを使って習得する方法もあるが、迷宮都市以外ではオーパーツ扱いで一財産築ける希少性を持つ。
○ アクションスキル
スキルの中で、特に能動的に発動が必要とされる物を指す。
本編中では《 獣の咆哮 》、《 パワースラッシュ 》などが該当。
そのスキルを発動する意思を以ってスキル名を発声する事で強制発動が可能な他、明確にそのスキルのイメージを持つ事で発声せずとも発動する事が出来る。
無発声の場合、スキルの効果はより自由度が高い物となる為、無発声、かつ自由自在に発動する事がスキルを使いこなす為の第一歩となる。
○ パッシブスキル
能動的に発動する物以外、つまり常時効果を及ぼしているスキルや、特定条件で自動発動するスキルの事。
例としては、《 剣術 》は常時発動、《 飢餓の暴獣 》は条件発動となる。
○ スキル連携
特定のアクションスキルを連続起動させ、スキル発動前の溜め時間の調整、発動後の硬直時間無視を可能とする技術。
基本的には武器を使用しての攻撃技が対象となり、連携終了後は発動した全スキル分+αの技後硬直が発生する。
基本ルールとしては、
・同一連携上に同一のスキルを複数回発動させる事は出来ない
・連携数増加に伴い、後続スキルの発動タイミングはシビアなものとなる
・連携数増加に伴い、スキルの威力に補正値が発生する
などが挙げられる。
下級上位ランクあたりの冒険者から実戦での使用が多く見られるようになり、中級ランクでは前衛であればほとんどの者が習得している。
○ 魔術
スキルの内、MPを消費するものを大雑把に魔術としてカテゴライズしている。
その為、迷宮都市の分類では《 看破 》や《 マテリアライズ 》も魔術として扱われる。
ちゃんとした魔術は一章ではトカゲのおっさん位しか使用していない。
■ ギフト
スキルとは別の枠で存在する、生まれ持っての才能。(と言われている。)
後天的に発現する事もあるが、基本的には増えない。
前世持ちの場合、前世の特技、才能を反映したものになる事が多いらしい。
そもそも迷宮都市ですら未知の部分が多く、調査が進んでいないシステムである。
■ クラス
RPGなどで見られる、戦士や魔法使いといった職業・役割の事。
一章ではほとんど触れないが、迷宮都市の冒険者はデビュー直前にクラスに就くことになる。
■ 冒険者
迷宮都市の外では何にもなれない人が箔をつける為に就く仕事。
主にモンスター退治を生業とするが、駆除しても依頼料しか手に入らず、依頼も不定期の為、生活は極めて不安定。
チャンスさえあれば、別の仕事に転職するのが普通。
一方、迷宮都市内ではアイドルである。
超人的な能力、若々しい肉体、動画によって人の目に触れ、メディアへの進出も多い事から憧れの職業である。
ただし、最低限困難なトライアルを突破する能力は必要で、その先は一歩ごとに才能と努力の壁が迫ってくる。
大体の目安として、中級冒険者になれれば冒険者の仕事だけで安定した生活が可能。
その上はランクが一つ上がる毎に収入が跳ね上がるが、そこに到達出来る者は限られる。
○冒険者ランク
迷宮都市の冒険者はその能力、実績により、アルファベットのG~Aランク付けされる。
デビュー直後のGランクからEランクまでを下級冒険者、D~Cを中級冒険者、B~Aを上級冒険者と呼び、E以降は+/-で更に細分化される。
■ ギルド
迷宮都市の外では中世に存在した互助会的な組織をギルドと呼ぶ。
迷宮都市の中でも大凡は同じだが、組織としての規模、権力、出来る事が大幅に異なる。
どちらかと言えば、ファンタジーゲームのギルドに近い組織である。
■ 魔素
空気中に存在する不思議パワー、魔力の素。ダンジョン、モンスターの素にもなる。
人間はこれを体内に取り込んで魔力やMPに変換する。
■ 魔化
モンスターが死ぬ際に魔素に還元されて霧状に消えていく現象の事。
迷宮都市の外でも同様の現象は発生するが、ダンジョンの中ではこの速度が段違いに早く、あっという間に霧になる。
ダンジョン内では冒険者が死んだ場合も魔化する。こちらはモンスターに比べれば遅い。
トカゲのおっさんが霧になりかけでも悠長に喋っていたのは多分ダンジョン側の演出。
■ モンスター
空気中に存在する魔素が実体化したもの。どういう原理で変化する種族が決定するかは不明。
死ぬとすぐに腐って魔素に還元されて空気中に拡散する。
時間を掛けて多く魔素を取り込むと位階が上がり、ゴブリンリーダーなど部族の指揮官的存在になる。
○ゴブリン
汚い矮小なおっさんの見掛けで、個体ごとの区別はつきにくい。
肉が壮絶に不味いのが特徴で、雑魚キャラの代名詞とも呼べる存在。
中級冒険者にとってはカブトムシと同じ位の脅威度。
ちなみにゴブタロウは種族上ゴブリンのままである。
○ゴブリン・リーダー
トライアル第三層で手下のゴブリン達と登場するが、ほとんど描写もなく終了した。
《 指揮 》のスキル効果で部隊全体の戦闘力が向上していた筈なのだが、所詮は雑魚という事だろう。
○コボルト
犬の頭をしたモンスター。原点は良く混同されるゴブリンと同様、妖精。
トライアルダンジョン第一層の任意ボス。クリア方法を知っていると一体も出てくる事なく攻略完了する。
種としてはかなり弱く、ツナの故郷では鹿にすら負けていた。
○オーク
豚のモンスター。この世界では猪でもエルフの眷属でもない、ただの豚モンスターの代表である。
迷宮都市外の冒険者はオークを単独撃破する事で一人前とされるらしい。
豚だが、肉はあまり美味しくない。ツナは普通に食べていたが、ゴブリン肉よりは遥かにマシという位で、一般人なら発狂物。
主に斧やハンマーなどの大物を使うが、長剣や盾を好む物もいる。基本的には前衛アタッカー。
《 獣の咆哮 》が効いてしまえば、オークさん達の独壇場である。
○オーク・ジェネラル
オーク種における指揮官種の一種。基本的にコマンダーより上とされる。
称号スキルである《 ~キラー 》を獲得するのには一定期間中にジェネラルを含む同種族を大量に殺害する必要がある。
ツナが時々"派手なオーク"と呼んでいたのもこれ。
○派手なオーク
ツナがサバイバル時代に遭遇したオーク軍団のリーダーっぽい奴。個体名でなく、ツナがそう呼んでいるだけ。
名前の由来は、鹵獲品なのか妙に派手な羽飾りが付いた兜を着けていた事から。兜以外の装備は貧相そのものである。
初期プロットでは《 飢餓の暴獣 》発動時に回想シーンで彼率いるオーク軍団との死闘が描かれる予定だったが、
(*´∀`*)「これつまらんな」
というスーパーメタ神の一声によりカットされた悲劇の存在。
ちなみに《 強者の威圧 》の打開、《 飢餓の暴獣 》発動に理性が残っていたのは彼のおかげとも言える。
最終的には完全理性なしの暴獣モードになったツナに食われた。南無。
○ハウンドドッグ
トライアルダンジョン第二層から登場する凶暴な犬。
あまり強くないが、ゴブリンよりは強く獰猛な為、一般人には脅威。
トライアルではほとんどが単独行動だが、本来は群れで行動する。
○洞窟蝙蝠
ツナが苦手とする飛行モンスター。
特に強くはなく、吸血せず毒も持たない為、ただひたすらに鬱陶しい。
ユキにとっては良い練習台だった。
○ミノタウロス
腰ミノを着けた牛頭の巨人。
迷宮都市では、ランクアップするとブリーフタウロスになる。
トライアルの伝統的なダンジョンボス。
○強化ミノタウロス
腰ミノを着けた牛頭の巨人。一見、通常のミノタウロスと見分けが付かないが、明らかにデカイ。
死亡経験のない冒険者がトライアル第五層ボス部屋に到達した場合、彼の出番となる。
○サイクロプス
一つ目の巨人。未登場だが、この世界のサイクロプスは目からビームを撃ったりはしない。
○デュラハン
首なしの甲冑騎士。首を持っているかどうかは任意。冒険者の煽り役であるテラワロスの種族。
一説では女性とされる事もあるが、テラワロスは一応男。(生物として定義していいかも微妙なモンスターではあるが)
○吸血鬼
血を好み、夜の世界に生きる高貴なる種族。
迷宮都市の外で吸血鬼がどんな生態を持つのかは描かれていないが、ギルド職員のヴェルナーを基準にしてはいけない。
ニンニクが好物なのはヴェルナー個人の嗜好である。