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無限書庫の優雅な休日  作者: 二ツ樹五輪(*´∀`*)
『その無限の先へ』第六章
23/28

第13.1話「過去を語る兎」

超どうでもいい話。(*´∀`*)





 決戦に向けた準備中、一人でクーゲルシュライバーの休憩所に行くと先客がいた。


「休憩ですか?」

「ウサ。少し煙いかもしれんが悪いウサ」


 簡易ソファに腰を掛けてタバコを吹かすのは、ダンディハゲこと、< 獣耳大行進 >のロベルトさんだ。

 その頭頂の兎耳と語尾さえなければ、どこのマフィア幹部かというダンディズムを醸し出している。一人ですらこの雰囲気なのに、もう一人のハゲでないほうが加わってしまったらと考えると恐ろしいものだ。とても冒険者なんてファンタジーな職業に就いているようには見えないだろう。


「煙いのはともかく、ちょっと意外ですね。相方のアインさんは確か嫌煙家だって聞いてますけど」

「あいつの場合は嫌煙家じゃないウサ。家で水タバコやってるから、外で吸ってる奴が気に入らないだけウサ」


 八つ当たりかよ。しかも、迷宮都市でもメジャーとは思えない趣味だし。


「出身違うから詳しくは知らないが、族長の嗜みとかで子供の頃に仕込まれたとか言ってたウサ。会った時は吸ってなかったのに、迷宮都市に来てしばらくした頃、部屋に戻ったらなんかの呪術みたいな事しててビビったウサ」

「……まあ、初見だとビビるかもしれないですね」


 俺が前世で見た時も正直ビビった。

 とはいえ俺は前世でも現世でもタバコは嗜まないので、自販機でコーヒーを買い、それを手に向かいのソファに座る。


「あと、これは精神安定用のハーブウサ」

「別に誤魔化さなくても問題ないのでは?」

「いや、隠語とかじゃくてマジのハーブウサ。……正直、簒奪された記憶に押し潰されそうでな。ハードだよ……ウサ」


 こんな時まで、無理に語尾つけんでもいいと思うのだが。……俺だってキツイのは理解しているつもりだ。

 むしろ、それすら精神安定の一種なのかもしれないが。


「別に休憩しに来た渡辺氏に話振る気はないウサ。問題があればちゃんと会議で上げるウサ」

「はあ」


 実際< 獣耳大行進 >含む、ロベルトさん担当のグループ内でケリが付くならそのほうがいいだろう。人数が多くなると情報の摺り合わせは大変だし。


「じゃあ、話題変更ついでに聞きたかった事があるんですけど」

「何ウサ」

「紅葉さんの色んなところがツルツルというのは一体……」

「…………」


 グラサンの向こう側の目が泳いだ気がした。あんな場での発言だから問題ないと思ったんだが、聞いちゃまずかったかな。


「えーと、まさか昔付き合ってたとか?」

「そんな雰囲気になった事すらないウサ。あいつはずっと自分のところの団長しか目に入ってないウサ。生まれた時から一緒だったらしいから、筋金入りウサ」


 夜光さんと紅葉さんは同じクレスト出身ってだけじゃなく、幼馴染みって事なのかな?


「クレスト崩壊前の事は知らんが、あいつは国体が崩壊してもしばらく向こうにいたウサ。だから冒険者になるのも遅れて、何度か臨時パーティを組む機会があったウサ。まだ紅葉じゃない、クレハだった頃の話ウサ」

「改名したって事ですか?」

「クレスト出身者、特に王族・貴族の亡命者には多いらしいウサ」


 そりゃ、夜光さんにしても最初から漢字名なはずないか。紅葉さんも、元からクレハだったからもじって付けたとかそういう事なのだろう。


「そんな縁もあって、ちょっと大きなイベント……下級・中級冒険者向けのレイド戦で同じ部隊に組み込まれた時の事ウサ。初めてのレイド戦で舞い上がっていた俺たちは、レイドボスの攻撃で吹き飛ばされて文字通り舞い上がったウサ」

「駄洒落か」

「その時、強風に煽られてあいつのスカートが捲くれ上がったんだが、何故かパンツ履いてなかったウサ」


 コーヒー噴いた。


「空中で身動きのとれない状態で正に目の前……マジでビビッたウサ」

「は、はあ」


 想像以上にダイナミックな展開である。


「しかも、その事をネタにしてからかってたら、毛の処理した事ないって言うウサ。……あいつ、自滅し過ぎウサ」

「……色々すげぇ」


 天然さんか。……今度、顔を合わせた時に間違って拝まないようにしないと。

 というか、まさか常にノーパンって事じゃないよな?





この話は次回更新時に書庫へ移動します。(*´∀`*)

しました。(*´∀`*)

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