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あのときの、きもち。 ~恋愛編~  作者: 桃色 ぴんく。
3/5

中学校1年~2年生。

 中学校に進学した私は、小6の時からのこうちゃんとそのままお付き合いをしていたのだが、クラスの中に気になる男子ができてしまった。

その子の呼び名は「はぶ」。ニキビ面のブツブツなほっぺをしていたが、顔立ちはジャニーズにも入れそうな感じの可愛い顔だった。

 はぶのことが気になりだした私は、こうちゃんに手紙でサヨナラを告げた。こうちゃんも、さほど私を好きではなかったので、あっさりと「わかった」と、返事をくれた。


 こうして、私のはぶへの片思いの日々が始まった。授業中にひそかにはぶの顔を眺めていたり、休み時間に校庭で遊ぶはぶの姿を目で追ったり。そして、はぶのことを見ているうちに、はぶの好きな女の子が誰なのかも知ってしまった。学年一綺麗と言われる「近ちゃん」だ。

 近ちゃんが相手なら、私は到底勝ち目がないことはわかっていた。それでも、近ちゃんがはぶのことを何とも思っていない様子だったので、私も少しはチャンスがあるのかなぁ・・・などと期待しながら毎日を過ごしていたのだった。


 その時に私が一番仲良くしていた女の子は韓国出身の「金ちゃん」で、その子の家が焼肉屋をしていることで、休みの日には度々ごちそうしてもらえる機会があった。そんな中、金ちゃんが

「クラスの男子も呼ぼうよ」

と、言い出して、金ちゃんは自分のために好きだったKくんを、私のためにはぶを、その他数人を呼んで男女でパーティーを開いてくれた。

 学校で見れないはぶの姿を見れて私はとても嬉しかったのを覚えている。金ちゃんのお店の焼肉もすごく美味しくて、〆にうどんを入れて食べたのも美味しかった。宴会用のカラオケの機械を引っ張り出してきて、みんなでワイワイと盛り上がったのだった。


 結局、友達として数人で遊ぶことはあっても、私とはぶの恋の発展はその後全くなかったのだった。もう1年生も終わるという頃、金ちゃんのお兄ちゃんが、なぜか私に自分の友達を紹介してくれたのだった。


 当時は、ローラースケートを履いたアイドルが流行りだした頃で、私たちの間でもローラースケート場に通うことが流行っていた。

 ローラースケート場は、ナンパスポットでもあったし、ディスコには年齢制限で入れないけど、ローラースケート場も時間帯で暗くなってライトアップされたり、と、プチディスコのような楽しみ方も出来たので、私も毎週のように通っていた。


 そんなある日、金ちゃんと私ともう一人と、金ちゃんのお兄さんと友達2人の計6人が、初顔合わせで、ローラースケートに行くことになった。

 金ちゃんのお兄さんはもう大学生だった。なので、大学生3人と、中学生3人の異色な集まりだったのだが、その中の一人、「岸本さん」に、私はとても気に入られてしまったようだった。

「もし良かったら文通してくれる?」

文通ぐらいなら・・・別にいいかな。と思ったので私はOKした。


 こうして大学生岸本さんと中学生2年になったばかりの私の文通が始まった。

”今度、2人でローラースケート行こうよ”

と、誘われたので、私は別に暇だし、と行くことにした。

 普通にローラースケートを楽しんだ後、帰り道で近くの公園のベンチに座った。

座ってすぐ、岸本さんが私の肩に腕を回してきた。そこで私が何も言わなかったから、岸本さんはイケルと思ったのか、その手を少し下にずらし、私の脇腹の辺りをタッチしながら、少しずつ胸の方を触ろうとしている感じがした。さすがに「むっ」と思って、岸本さんの顔を見たら、目が真っ赤に充血していて、とても怖かったのを覚えている。興奮していたんだろうなぁ・・・。某エリート男子校卒業生だったみたいなので、中、高と女性に縁がなく大人になっちゃったんだろう。そんなことを冷静に考えながら、その日はそれ以上何もなく、帰ることにした。


 後日、岸本さんから送られてきた手紙には、

”もうすぐ僕の誕生日なんだ。誕生日には・・・君が欲しい”

と、書いてあって、ゾゾゾッとしたのを覚えている。一緒に手紙を読んでいた親友のえみこは

「するなら、ちゃんと体を清潔にしてからだよ!」

と、アドバイスしてくれていたが

「するわけないでしょ・・・」

私の初体験の相手が岸本さんというのは、ちょっとありえなかったのだ。

そして、やんわりとお断りをして、それ以来、岸本さんとの文通もしなくなった。


 その後は、ローラースケート場で知り合った男の子と仲良くなったのだが、彼はおとなしそうな顔をしていながら、結構なやり手で、私とその周りの女の子数人と電話番号を交換し、同時に何人も仲良くしていたようだった。私に最初に声をかけてきたくせに、私より可愛い友達を見つける度に、そっちへそっちへと移って行った感じに見えて、最悪な野郎だと私は認識したのだった。でも、所詮はまだ学生の恋、友達数人と仲良くなろうが、別に誰が悲しい思いをするわけでもなく、みんな平気なようだった。


◆中学校1~2年生のちょっとした恋の記録・おしまい。



 

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