いつか王子さまが
いつか王子さまが
私のところにも訪れるはず
ジリリリリリリリ
「ん…」
朝からうるさいな
そう思いながら目覚まし時計を止める
時刻は7:20
憂鬱だ
月曜日が来てしまった
今日から1週間、また仕事漬けの日々が始まる
ようやく起き上がり顔を洗って無理やり目を覚ます
テレビをつけ、朝ごはんの支度をしていると、とある大型アミューズメントパークの特集が始まった
キャスター「こちらの施設では今日から、新しいアトラクションが公開されるんですね!」
心を無にして朝食づくりを再開する
本当のことを言えば、行きたい
ものすごく行きたい
しかし、1人で行けば最後
周りのカップルの多さに心えぐられることになるだろう
友だちがいないわけではない
一緒に飲みに行ったり旅行だってする友だちはいる
しかし、私の友だちには彼氏がいる
私だけ見事におひとりさまなのである
そういう施設には、ぜひ彼氏と行ってほしい
それは、私のささやかな願いだ
そのことについては友だちも同じである
だから、誘わないし、向こうから誘われることもない
シュゥゥゥゥゥ
そんなことをぼんやり考えていたら、朝食のウインナーが丸焦げになっていた
これじゃあ、ただの炭だ
「あっつ」
指をやけどしそうになりながらフライパンを冷やす
炭になってしまったウインナーは申し訳ないが三角コーナーに
そうこうしているうちに、残念なことに朝食を食べる時間が無くなってしまった
仕方ない、今日は朝食は抜きだ
急いで着替え、最低限の化粧をし、
「いってきまーす」
返事があるはずのない部屋に向かってそう告げると、
私は家を後にした