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9/12

生は強制、死は希望制より・・・

 家に帰った俺は風呂に入り、食事を済ませ、テレビを見る準備をしていた。今日、黒井が言っていた生番組に作家の野道三郎が登場するからだ。

 今日はいろいろなことがあったので、心の整理がついていない。そんな状態で生命譲渡関連の番組を見て、楽しむことができるだろうか?

 天国について、国松や中村たちが待っていること。まるで、ファンタジー大作映画の主人公にでもなったかのような感覚だ。

 俺も死ねば彼らと再び会うことができる。まだ、先の話ではあるが、彼らは俺たちを待っていてくれる。もし、本当に天国なるものが存在するなら、中村たちは俺たちの姿が見えるのだろうか? 一体天国とはどのような場所なのだろうか?

 俺はふとあることを思い出した。

 そうか、ヘブンズロードがあった。

 野道三郎が書いた小説が実話を基にした作品なら、その本を読めばその世界が分かるかもしれない。

 しかし、清水の話では、記憶があいまいで中村たちの話以外について、天国の構造や仕組みなどの理解に苦んでいた。この本だって、記憶があいまいで書かれたものなら、読むだけ無駄になる。

 実を言えば、最近は生命譲渡センターの見回り強化のことばかり考えていたので本を開いてはいたが一ページも読んでいなかったのだ。だから、内容もよく覚えていない。それに、黒井をどのようにセンター内に侵入させるか考えていたので、もう本自体に興味がなくなっていたのだ。

 黒井に言われた生放送のテレビ番組が始まるまで約三十分はある。

 俺は他のニュース番組を確認すると、飲酒運転による自動車事故の最新ニュースが流れていた。そして、このニュースの行き着く先を俺は見た。

『飲酒運転事故による生命譲渡をめぐる裁判の行方は思いもよらない結果になりました。なんと、第三者たちからの生命譲渡で亡くなった被害者を蘇生希望が発表されたのです』

 どういうことだ?

『情報によりますと、被害者の夫に命を提供するという事件とは一切関係ない第三者たちが自ら生命譲渡を申し入れしたらしく、被害者の夫は裁判を取り止めるそうです。現在、生命譲渡を申し入れした第三者なる人々の氏名などは公表されてはおらず、現在調査中です』

 見知らぬ人間に命を渡す第三者の存在? まさか、そういう結果になるとは思わなかった。いや、これが今の社会の新たなる変化点なのかもしれない。中村のように友人を救うために自らの命を投げ出し、有能な親友を救った。通常、生命譲渡による蘇生は予約や多額の資金を必要とする。しかし、生命を還元する対象者がいれば、すぐに蘇生医療が施される。多額の医療費もかなり軽減される。

 テレビで報道されている第三者たちはそれを承知で被害者遺族たちに命を提供してきた。これはとても画期的なことだ。もし、生命譲渡医療に欠陥があるとすればそれは時間と資金だ。しかし、対象者に対しての提供なら、医療はスムーズに行われる。臓器移植のようにドナーが存在するのと同じだ。

 俺は今まで考えもしなかった。誰かを救うために命を提供するという考えを。還元されることは分かっていたが、俺は単純に死にたかっただけだ。しかし、中村やテレビでの第三者たちのような考え方は非常に薄かった俺にとって、今の出来事はあまりに衝撃的だった。

『しかし、その第三者たちは命の提供は二つまでと言ってきてるらしく、被害者三人に対し、提供される生命エネルギーは二つになったことで、加害者の男性の生命譲渡による死刑は免れない状態です』

 なるほど、殺した加害者の命はそのまま譲渡され、足りない分を第三者なるものが提供する。すばらしい。実にすばらしい。

 もしも、ここで加害者の分まで提供してしまっては示しがつかず、頭に乗って同じ事件が起こる可能性がある。飲酒運転事故を起こした男に酌量の余地は微塵もない。死で償うしかないだろうし、仮に釈放されてもまた同じことを繰り返す可能性が十分にある。

 しかし、この第三者なるものは一体何なのだろうか? ただの自殺願望者か? どこかの団体か?

 ただ、はっきりしているのは、彼らの存在が新たな時代の幕開けになるということだ。

 それから、しばらくして。黒井が言っていた生番組が始まった。これも生命譲渡をテーマにした討論番組であることはすぐに分かった。

 そして、この番組の司会者が番組を進行した。

『これから、生命譲渡装置の【リアル】をテーマにした番組を始めます。ゲストはごらんの方々です。では、まずVTRをどうぞ!』

 すると、次のVTRで俺は少し驚いてしまった。前に立ち読みした本の内容が公開されたからだ。

『皆さん。今動物から採取される生命エネルギーで人間を蘇生させる実験が行われていることをご存知でしょうか? 次に公開されるVTRは実際に起こった人の一例です』

 すると、別の再現ドラマVTRに切り替わった。

『自殺願望者だったAさんは事故で自ら自殺を謀り、一命は取りとめたものの、片腕を失いました。そんなAさんは生命エネルギーによる治療は高額すぎたために受けることができませんでした。絶望にうちひしがられた毎日を送っていたAさんにとある仕事を耳にしたのです。それは動物から採取した生命エネルギーで人体を蘇生させる、人体実験の仕事でした。職を失っていたAさんは自暴自棄になり、その仕事に応募したのです。すると、その仕事を手にしたAさんは人体実験に参加しました。すると、人体実験参加者はAさんだけだったらしく、不安にかられましたが、死んでもいいという気持ちで動物から採取した生命エネルギーをAさんの人体に注入されたのです。すると、失っていた腕がすぐに再生し始めました。しかし、突然強烈な痛みに襲われ、意識を失いました。そして、しばらくしてから、Aさんは再生したはずの右腕に包帯が巻かれ、ベッドの上で目を覚ましました。すると、実験の担当者から『実験は失敗しました』と言われました。しかし、Aさんは確かに失っていた右手に感覚があり、巻かれていた包帯を自分で取りました。すると、確かに右腕はあったのです。しかし、それは人間の腕ではなく、動物のような毛深い腕に熊のような鋭い爪先があり、明らかに人間の腕ではなかったのです』

 VTRが終了し、司会者が口を開いた。

『では、実際に被害に遭われたAさんをご紹介します。どうぞ!』

 すると、用意されていたゲートからドライアイスの煙が噴出し、Aさんらしき人物が右腕に包帯を巻かれた状態でやってきた。

『それが、人体実験で失敗した時の腕ですか?』

 司会者が質問すると、Aさんはうなずいた。

『何で人体実験なんか受けたんですか?』

 有名タレントの一人がAさんに叱責した。

『それは私の自由です』

 とAさんは反論した。すると、気まずそうに司会者が口を開いた。

『その右手を見せてもらっても良いですかね?』

 ゴールデンタイムでそのようなものを見せて良いのか俺には若干疑問であったが、それ以上にその右腕に興味を引かれていた。

 すると、Aさんは何のためらいもなく、包帯を取って見せた。生放送のこの番組は間違いなく、視聴率ナンバーワンであろう。包帯を取ったその右腕は黒い毛が大量にあり、手に関してはまるで『熊』のようであった。爪は鋭く、とても生々しい。精神の弱い人間ならトラウマになりそうな映像だ。しかし、Aさんは平然としている。

『これは・・・・・』

 司会者や他のゲスト人もドン引きしていた。すると、Aさんはまるでその腕を自慢するかのように言った。

『私に注入された生体エネルギーはヒグマのらしいんです。だから、この腕は熊の腕なんですよ』

 これが科学の進歩というべき光景なのだろう。創造は破壊からしか生まれないと言うが、この場合、科学は倫理を破壊してからしか生まれないという言葉が適切であろう。

 Aさんのひじから上は確かに人間の手だ。しかし、肘から下は明らかに動物の腕だ。アニメであういう光景を見たことがあるが、現実に見ることができるとは想像もしていないかった。俺は今歴史の傍観者となったのだ。

 すると、Aさんは口を開いた。

「人体実験の担当者の人の話では、最初、遺体で実験したらしいのですが、蘇生反応が出なかったらしいんです。それで、体の一部を失っている人向けの被検体が必要だったらしいです」

 この実験は世界に新たな秩序と破壊をもたらすことは間違いない。これを知った世界は導反応するであろう。動物の身体を手に入れることができる。そう考え、軍事利用をしようと考える者、人間を超えた新たなる人種になろうとする者などが現れる。これは可能性と危険の両方を併せ持つ映像だ。映像に触発された人間たちがわざと腕や足を切断して、動物の身体を手に入れようとするやからも現れるかもしれない。

 しかし、俺の中では人類の進化という言葉が頭を駆け巡り、興奮している。喜びという名の興奮を。

 この実験の本来の目的は人間以外から採取した生命エネルギーで身体を蘇生させることが目的だったはずだ。もし、その医療技術が成功すれば、生命譲渡センターという名の自殺場所を失い、批判も減少するはずであった。しかし、実験は失敗した。しかし、別の新たなる価値観を見出してしまったのだ。

「Aさんは人体実験に参加して後悔していますか?」

「いいえ。むしろ、参加してよかったと思っています。確かに実験は失敗しましたけれど、私にはこの腕をもらいました。普段は包帯で隠しているんですけれど、私は生命譲渡法案や装置の存在には賛成の立場なので、これからもそのような実験があればまた参加したいと思っています」

 すると、ゲストの六十歳くらいの有名女性タレントが挙手をして発言した。

「Aさんね。もう少し自分の体大事にしなさいよ。そんな腕で一体どうやって生活していくんだい? ふざけんじゃないよ。おかしいでしょそんなの!」

 確かに。このおばさんタレントの言っていることは間違ってはいない。しかし、もうそういうことを言う時代ではないと俺は思う。このAさんの結果もまた次の時代へのステップなのだ。だから、俺はAさんを否定することはできない。

 まさに、新人類の誕生である。

 しかし、世間とは冷たい存在だ。Aさんを非難する人は出てくるだろう。しかし、一番悲しいことは非難している人々が本人をどれだけ苦しめるか気がつかないことだ。

『あの~ いいでしょうか?』

『どうぞ』

『その腕になった後、何か生活に支障はでませんでしたか?』

『そうですね。包帯を巻かないで就寝すると、次の日の朝にベッドの布とかが傷だらけになっていることですかね。後、やっぱりお箸とかも使えないんで、腕を失ったときと変わりありませんね』

 Aさんはむしろうれしそうにしゃべっている。馬鹿な子供が真似しようと、腕を切らなければ良いが。

『あなたはそれでいいかもしれませんが、あなたの真似をして腕をわざと切断して、動物の腕を移植なんてする人が現れるかもしれません。それはとても危険なことです』

『では、私はテレビに出なければ良かったといいたいんですか?』

 Aさんが反論した。

 その後も、賛否両論の議論が繰り広げられた。しかし、一つの答えにたどり着くことはできなかった。

 そして、後半の議題は『再生人』である。

『では、次に再生人をテーマにした話し合いを行ってもらいます。実はゲートの向こうに再生人を公言する著名人が待っています』

 ついに・・・くるか。

『では、来ていただきましょう。一度死に生き返った有名作家、野道三郎さんです』

 すると、スタジオが静まり返っていた。有名人の中で再生人であることを公言したのはこの作家が初めてなのだ。

『皆さん。すいません。私が再生人の野道です。実はヘブンズロードを書く前に一度死んでしまい、印税で貯めた資産で蘇生措置をとってもらったんです。今まで黙っていてもうしわけありませんでした』

『野道さんは今まで自身が再生人であることを隠していましたね。なぜでしょうか?』

『臨死体験というのをご存知でしょうか?』

『はい』

『私はしばらく遺体となっていました。つまり、死んでいたんです。その間、私は天国を見たんです』

 すると、スタジオにいる人すべてが静まり返った。

『私は確かに見たんです。生き返った私はすぐに筆跡活動を行いました。今では記憶があいまいなのですが、当時はまだはっきりしていました。記憶が新しいうちに筆跡したかったので再生人であることを一旦伏せたかったのです。その時に完成した作品がヘブンズロードです。もちろん、多少事実と異なるシーンもありますが、ほぼ事実と同じ世界観です』

 この天国発言は周囲を驚かせたが、VTRがあると司会者が言ったのでそちらに画面が移った。

『私たちはとある場所に来ています。ここは一度命を落とし、生命譲渡による蘇生された人々、再生人たちが集うカウンセリング場所に来ています。中へ入ってみると、数人の再生人の方々が話し合っています』

 再生人同士の悩み相談室って所だな。

『すいません。○○番組というものなんですが、皆さん何をなられているんですか?』

 すると、代表者らしき男性が説明した。

『私たちは再生人限定での集団カウンセリングを行っています』

『どのような悩みで皆さん来られるのでしょうか?』

『詳しいことは申し上げられませんが、やはり再生人に対する差別と偏見が一番です。次に多いのは臨死体験ですね』

『臨死体験ですか?』 

『はい、これは患者さんたちが一度冷凍保存された状態で一定期間遺体でい続けた人に覆い現象です』

『すると、天国に行っていたとおっしゃりたいんですか?』

『本当のところは私には分かりません。私は再生人ではないので。ただ、私は彼らが嘘をついているとは思っていないですから、天国の存在に対しては肯定的立場です』

 すると、リポーターがカウンセリングを受けている中に割り入って話しを聴くことにした。

『皆さんは臨死体験をしたことがあるんですか?』

『はい!』

 全員一致で返事が返ってきた。

『では、皆さんは全員天国を体験してきたと?』

『そうなりますね。だから、苦しんでいるんですよ』

『苦しむ?』

『はい、遺体となって冷凍保存されている期間、私たちは天国で過ごしていた記憶があいまいに残ってしまい、混乱しているんですよ。時々、夢で天国にいた時のことを思い出して目を覚ますんです。それが辛いんですよ。ここにいる皆がその辛さを互いに分かりあうためにここにいます』

 これでVTRは終了した。

『では、野道さんもこのような体験を?』

『はい、まあ、私のような変わり者は天国の時にいた記憶を逆に楽しんでいますけどね。それで小説書いて食っていますから。彼らのような苦しみは少し理解できませんが。天国は存在します。それだけは彼らと同意見です』

 話がどんどんファンタジックになっていく。そして、この生放送はますます危険な方向へと足を運んでいることも確かだ。これを世界が知れば、宗教的にまずいのではないだろうか? 生命譲渡による死はいわば自殺と同じだ。自殺は地獄に落ちるという考えを持った狂信的信者たちの暴動も起こりかねない。やはり、世界の価値観を大きく変えるにはそれだけ『人の血』が必要なのだろう。

 すると、某有名大学の教授が挙手をしたので司会者が発言を認めた。

『私は非現実的なものは認めない。そんなものあるわけないじゃないですか!』

 この教授はUFOなどの超自然現象などを否定することで有名な人だ。逆に言えば、超自然現象を否定して食っていると言っていいだろう。

『天国なんてものがもし存在するなら言ってみたいものです。きっと、蘇生医療による副作用ですよ。そんな世界ありはしない』

 この教授はこう言っているが、生命譲渡法案には賛成の立場なのだ。超合理主義者なのだろう。その点では俺と同じだ。つい最近までは。

『なら、一度。死んでみてはどうでしょうか?』

 野道三郎は過激なことを口走った。

『あなた、何てことをおっしゃるんですか?』

『一案を出したまでです。もちろん、そんなことで死んでもらっては生命エネルギーの無駄遣いにしかならないので意見を撤回しますが、実際天国で出会ったっていう再生人の方々もたくさんにらっしゃいます。マスコミが報じないだけで』

『捏造ですよ。捏造』

 二人とも、互いの意見を譲る気は毛頭ないようだ。


 生命還元クラブの仕事も後二つになった。黒井と俺の死である。

 今日の放課後、俺と黒井、清水の三人は生命譲渡センターへの進入方法を考えていた。

 次に死ぬのは黒井だ。そして、最後は俺。そうしたら、このクラブは清水一人だけのものになってしまう。

「この方法じゃ、長屋がセンターへ入れなくなっちゃうわよ」

 最近になって、黒井は俺のことを呼び付けで呼ぶようになった。もちろん、構わない。それだけ親しくなった証拠だ。

「でも、この方法が一番いい。俺と清水がお取りになる。清水が自殺願望者の振りをして、見回りをしているやつらをセンターから引き離す。その隙にお前がセンターへ入る。いい方法だろ」

「でも、この方法だとあなたの顔が割れてマークされるは。そうしたら、長屋はどうするのよ?」

「次の手を考えるさ? だから、お前は安心して天国へ行ってくれ!」

「でも、二人がお取りになっても、一人くらい見回りは残る可能性だってあるでしょ。この方法は危険よ」

「だったら、私がお取りになるわよ。さとみ!」

 突然、見知らぬ女子生徒の声が死への扉内から聞こえてきた。

「ともみ・・・・久しぶり!」

 黒井は見知らぬ女の子に抱きついた。

「彼女は?」

 俺と清水は困惑していた。

「佐川ともみよ。自殺に失敗した」

「え?」

 俺は心臓が止まるかのように驚いてしまった。今まで名前しか知らなかったある意味伝説の女子生徒が今ここにいるのだから。

「じゃあ、君が」

「そうか。君が長屋君ね。で、こっちが清水君」

 もっと、根暗な女子生徒だと思っていたが、意外に明るかった。しかし、噂の手首にはリストバンドをしている。

「さとみはやっぱり死ぬの? 両親に会いたいから」

「そうよ。天国で両親が私を待ってるの。だから私は死ぬ」

「長屋君たちも死ぬの?」

「僕は死にません。ただ、二人の手助けをするだけです。僕は再生人なんで」

「私はもう諦めたわ」

 佐川ともみからは死のにおいを一切感じない。むしろ、自身に満ちた感じだ。

「死ぬのに失敗してから、家族にカウンセリングを散々受けさせられて、死ぬに死ねなくなっちゃった。本当は死にたいけどもういいや」

 やはり、自殺願望は残っているのか。

「いいのよ。ともみ。私たちは死を肯定するだけで強制するクラブじゃないわ」

「ごめんね。私は天国にはいけないや」

「国松君と中村君が私たちを待っているから私は死ななくちゃ。両親にも会いたいし」

 二人が天国で待っているか。

「黒井、じゃあおとりの作戦でいくぞ。来週の火曜の朝だな」

「本当にいいのね?」

「ああ、いい」

 これで作戦は決まった。

 しかし、最近はとても暑くなってきた。制服も半そでになり、もうすぐ夏休みだ。しかし、俺は夏休みを送ることはない。学校の終業式が俺の命日なのだから。


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