頬っぺた
「ふぁぁ............」
眠いや。
欠伸をして伸びをして、僕はベッドから這い出る。チュンチュンと小鳥が鳴いて、とても気持ちが良い朝だ。
窓からはみ出た光に照らされながら、部屋を出る。
リビングのドアを開けて、キッチンを越え、ソファを見ると、
「またこんなところで......」
何もかけずに眠りについている一人の女の子、楓。
その可愛い寝顔と無防備な姿に、危うく理性が飛びかけたが、ギリギリで止める。
昨日の夜、「しばらく泊めて!」と、いきなり訪問してきたわけだが、幼馴染みだからっていきなり一人暮らしの男の家に来てもいいのだろうか。
ちょっと配慮が足りないぞ。
ふと、楓が寝返りを打つ......あ、こっちを向いた。
......
......
「ええい、くそ」
少し膨れた頬っぺたに、無償に触りたいと思った。
恐る恐ると、手を伸ばす。
プニ
おおう............気持ちが良い!
なぜ女の子はこんなに柔らかいのだろうか。
本当に困るなあ。
また飛びかけた理性を押し戻し、今度はそっと、艶やかな髪を撫でてやる。
楓は、可愛いな。
そんなことを思ったりして――――