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小さな憧れ
「真理ちゃん帰ろー」
なっちゃんがそう言った。いつも一緒に帰っている私の親友だ。
「ごめんなっちゃん。私ちょっと用事があるの」
「そっか、残念。また明日ね」
二人で手を振り合う。
なっちゃんの背中に背負われたピンクのランドセル。
まだ少し大きいなーなんて思いながら親友を見送った。
私の名前は杉崎真理。
小学四年生で淡いピンクのランドセル。
私は知人から背が低いことをよくバカにされる。
だけれどそんなみんなに言いたいことができた!
もうみんな私を子供とは呼べない。いや、呼ばせない。
だって私、もう大人の女だもの......
私、『恋』をしたのっ!!
相手は大人だけれど、とっても素敵で優しい人。初めて行った公園で迷ってた私を、出口まで案内してくれたのだ!
その時にドキッと来てしまった。
あぁ............今あの人は何をしているのだろうか。
私の初恋、実るかなー?