生徒会長に出来ない事はない?
きっとさっきのは聞き間違いだろ。
「今、何て?」
「ぺったんこって何ですか?」
聞き間違いじゃあなかったし、それにしてもぺったんこが分からないなんてな、オレが春川さんに向かって言ったときの反応を見れば分かりそうだけどな。………はぁ!!もしかしてライバルを蹴落とすために!?りょーまのタイプは私みたいにスタイル抜群の人が好みなのよ!的な感じですか?
「ぺったんこっていうのは、春川さんみたいな人に対しての褒めkグェ」
「んなわけないでしょ~が!!」
春川さんの左ストレートがキレイにボディに決まりその場に蹲った。鳩尾にドンピシャかよ…ぺったんこのクセしてやる!
「も、元村さん。ち、違うからね!この変態が言った事は気にしないでね!」
「そうなんですか?」
必死に誤解を解くために慌てて訂正をしてる春川さん。仕方ない手伝ってやるか、オレが原因だしな
「そうですよ、元村さん。照れ隠し為にこんなこtドゥァ゛」
「あんたは、黙ってて!!」
回し蹴りが顔面を捉えて田中が居るところまで吹っ飛んだ。し、白だと……何がとは言わないが、男子なら分かるだろ?自然と目線がそこに向いてしまうことを。
「元村さん。あの変態なんて放っといて速く学食行きましょ」
「だ、大丈夫なんですか?」
「大丈夫、大丈夫!」
春川さんは引っ張る様にして元村さんと教室を出た。
「お~い、大丈夫かい?」
田中は伸びてるフリをしているオレに対して声をかけた。
「大丈夫だ、問題ない。白だった。」
起き上がり、手で埃などを払いながら答えた。
「本当に大丈夫かい?鼻血が出てるけど」
「大丈夫だ、唾でもつければ治る。」
「初めて聞いたよ、鼻血を唾で治すなんて…」
田中は苦笑いしながら呟いた……知らないのか?唾こそ最高の民間療法だということを!!
「さて、オレたちは売店でも行くか!」
オレは売店に向け教室を出て、田中も後に続いて歩きてきた。
「え?学食に行くんじゃなかったけ?」
「お前は馬鹿か?売店の方が安く済むのに、わざわざ高い学食に行かなきゃいけねぇんだよ。」
「さっき、元村さんたちと一緒に学食とか言ってたのは君だろ?」
「アレは、ぺったんこと元村さんを一緒に行動させる為に言った事だけど……」
ん?ちょっと待てよ、この食いつきは……
「もしかして期待してた?」
「いや、正直嘘で助かったよ。学食で3人分を奢るとなると結構するからね。……でもよく思い付いたねそんな事。」
「まっ、元村さんの対応を見てたら分かるだろ?何があったのかは知らんが、男に対して何かしらの恐怖心を抱いているし」
「え?」
田中は驚いていた。
見れば分かりそうだけどなクラスの男子達から誘われてた時に微かに震えてたし嘘だけど。……本人は気づいてるか知らないがりょーまと話しているときと、クラスの男子達とは、本当に微妙に声とかが違う。
「だから、ぺったんこと一緒に居たら心配ないだろ?それに、そろそろ呼び出しがあると思うし。」
「呼び出し?」
会話をしている内に売店に着いた。それと同時に校内連絡が鳴った。
『ピンポーンパンポーン。2年3組の元村 梓さん。2年3組の元村 梓さん。お連れの凌馬くんがはぐれて困っていまS『ちょっと先輩!これじゃあ俺が迷子になったみたいじゃあないですか!?』もう、凌馬くんは我が儘だなぁ~はぐれたって言ったからわざわざ…『そんな事言ってません!』…そんなわけだから梓ちゃん、生徒会室まできてねぇ~♪』
この連絡?を聞いて田中に向かってドヤ顔して、ほらなと言った。
『あっ!そうそう。そこでドヤ顔をしている鈴木宮くんもついでに来てね♪』
だから何で分かるんだよ!しかもまたついでかよ!
すると会長が怯えた声で言い訳を始めた。
『あっ、あのね!こ、これは違うのよ……ご、ごめん早苗、もうしないからその振り上げてる腕を下ろして『問答無用!』キャア~、助けてS…』
会長は誰かに助けを求めようとしたが、放送は途中で切れた。それを聞いて周りは一瞬シーンとなったが、直ぐにいつもの状態に戻った。
「本当に君は行かなくてもいいのかい?」
田中の肩を軽くポンと叩いて
「オレ、コーヒー牛乳な!」
「何で!?」
「情報料。」
「それは君が勝手に「聞いたよな?」でも「聞いたよな?」……分かったよ、コーヒー牛乳だけだからね。」
「サンキュー!」
その後、自分の金でパンを2つ買ってコーヒー牛乳は田中に奢ってもらった。田中もパンを2つとお茶を買っていた。どこで食べるか話したが、わざわざ外で食べるのも面倒だから教室に戻る事になった。




