呼び出し
キーンコーンカーンコーン。
起立!
礼。
学級委員が号令をかけて4時間目の授業が終わって昼休みになった。
え?授業風景がないって?気にするな、特になにもなかったから。りょーまとかりょーまとかりょーまがイチャイチャしてたぐらいだから。誰と?もちろん、転校生の元村さんに決まってるだろ、転校してきたばかりで教科書がないから隣という事を活用してりょーまが見せてやっていたんだよ。1つの教科書を2人で見ると自然と距離が近くなる訳で、それを見た男子達から殺気が放たれて、ある女子2人は、前を向いているのに羨ましいそうな視線を送っていた。器用じゃね?あの2人はりょーまより席が前なのにどうやってるんだよ。
『ピンポーンパンポーン。2年3組の柳本凌馬くん。2年3組の柳本凌馬くん。至急生徒会室に来てください。』
アナウンスが鳴って連絡があった。というよりただ単に会長がりょーまに用?があるが為に校内放送?校内連絡?を私的に使用していた。
(駄目だろ私的に使用するのは、しかも自分でチャイムを言ってるし(笑)りょーまは人気に者だな。ハッハッハッハ)
『そこで笑っている鈴木宮くんもついでに来てね♪』
なぜ笑っているのがバレたし、しかもついでかよ…。りょーまの方は慌てて生徒会室に向かった。
「君は行かなくてもいいのかい?」
隣の席の人が声をかけてきた。
「大丈夫じゃない?りょーまが行ったし………それより田中!学食に行こうぜ」
隣の席の人は、名前が田中。特徴はメガネ。以上。
「僕は安田だよ、………学食に行くのはいいけど、アレどうする?」
指差した方には、クラスの男子達から誘いを受けている元村さんの姿があった。全く、りょーまがいないからチャンスだと思ったのかよ。という事は……
「お前もか!」
「何が!?」
とぼけても無駄だって、お兄さんには分かります。オレたちみたいな平凡なヤツだって、夢をみたいよな叶わぬ夢でも。
「仕方ないな田中、お前の為に誘ってきてやるよ。」
なにか田中が言ってるが気にしない。さて、どう声をかけるか…他の奴らのを聞くか。
「元村さん一緒にお昼でも」
「ごめんなさい!」
「じゃあ俺t…」
「ごめんなさい!」
秒殺!?何か無理そう…田中、無理でも恨むなよ。
「元村さん、ちょっといい?」
声をかけるこちらを向いた。良かった~いきなり断られると思ったし
「あれ?あなたは昨日の……」
「(HRと同じのような…)人違いじゃあないですか?」
「でも、凌ちゃんと一緒に居たよね?」
やっぱり同じだし、この娘天然?ま、オレも同じこと言ったけど
「人違いじゃあないですか?」
「でも、凌ちゃんと一緒に居たよね?」
また同じだし
「人違いだって」
「でも、凌ちゃんと一緒に居たよね?」
こ、コイツ………出来る!
「人t「どっちでもいいわよ!!」……。」
少し青色がかった髪色の女性にツッコミをされた。この人は
「何だよ、ぺったんこ」
「変態!というかぺったんこ言うな!!」
胸元を腕で急いで隠して変態呼ばわりした後、すぐさま右ストレートと同時にツッコミをいれていた。もちろん、右ストレートは避けたが
「会長にりょーまを持っていかれたからってオレに当たるなよ」
「何でそうなるの!!」
「アレ?もう1人は?」
「はぁ~……凜なら早退したでしょ、3時間目に」
知らなかった……ちなみにオレと会話をしているのは、春川さん。
「それで、何の用だよ?」
「用は特にないけど…あんた元村さんに用があったんでしょ?」
そうだった、サンキュー!ぺったんこ。
元村さんの方を向いて
「これから、学食に行くけど一緒にどう?ついでにぺっ…春川さんも
どーせ、りょーまは昼休み終わるまで帰って来ないと思うし、それに………」
田中の方を指差して
「アイツの奢りだから」
田中がぼ、僕!?と言ってるが、ここはスルーで
「それなら、行ってあげるわ」
何様だよぺったんこのクセに… 元村さんは何かを考えているのか、難しい顔をしていた。
「あ~、無理ならいいですよ。」
「え?あっ!大丈夫です、大丈夫ですよ!」
へ?いいんだ。じゃあオレより前の男子達からの誘いを断ったのは?と思ったけど、まっいいか。
田中に向かって成功した事を合図で知らせたら、涙目になっていた。
泣くほど嬉しかったのかよ、頑張ったかいがあるな。
「あ、あの!」
いきなり後ろから呼ばれて、慌てて振り向いたら元村さんが何かを決心したような顔をしてた。
「聞きたい事があるのですが……いいですか?」
「ど、どうぞ」
もしかして告白!?………………んなわけないか、聞きたい事って言ってたし
「ぺったんこって……何ですか?」
は?




