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ちょーく



朝、8:00


学校のホームルームは、8:30から始まるのでまだ時間がある。

今日はいつもと違って柳本家に行って朝食をご馳走になっていなから、空腹だ。そして眠い。




「よっ!

おい、どうした?死にそうな顔して」




登校してきた、なかよしが自分の席に荷物を置き、椅子に座り話しかけてきた。




「何か、食べ物ある?」



「んな、いきなり言われてもな……」




と言いながらもなかよしは、自分のカバンの中に何があるか探していた。



「おっ!コンビニで買ったメロンパンがあった………賞味期限が切れてるけど、いいよな?」




「うぉぉ!サンキュー!」


貰ったメロンパンの賞味期限を見たら、一週間前だった。大丈夫だよな…オレはメロンパンを食べながらなかよしにお返しをした。




「お礼に、いい情報やるよ。今日ウチに転校生が来るぞ、クラスは分からないが…飛びっきりの美人だぞ。」




「マヂで!?」




嘘はついてないしな。ただ、意中の人がいるかいないかの差だけで……頑張ればチャンスはあるかもよ、なかよし。オレは応援しないけどな!




キーンコーンカーンコーン。




チャイムが鳴り反町先生が教室に来てホームルームが始まろうとしていた。




「ホームルームを始める前にいい知らせがある。

男子ども喜べ、女性の転校生が来たぞ。」




『ウォォォォ!!』




うるせぇ~



歓声?を上げてないのは、オレとりょーまだけだった。まっ、オレらは、事前に知っていたからな。




「入れ。」




反町先生の言葉に続いて黒髪の女性が入ってきた。そのまま教卓の近くまで行きその場に立っていた。




『…………。』




何故か教室内が静寂に包まれていた。



可笑しいな?オレはここで、歓声?が凄い事になると思ったんだけど…。



転校生が口を開いて自己紹介を始めた。




元村(もとむら) (あずさ)です。よろしくお願いします。」




手馴れた感じに挨拶をしていた。先程の歓声?よりも大きい歓声?が起こった。




「黙れ、お前ら!質問なら後で聞け。」




反町先生が怒鳴ると、一瞬にして教室が静まった。




「元村の席だが……」




反町先生は空いている席を教室を見渡しながら探していた。


ちょうど、りょーまの隣が空いてるからそこでいいじゃん。




「そうだな、鈴木宮の隣にするか」




「はぁ!?なに言ってるんですか?大体隣空いてないし」




机に両手を置いて席から立ち上がり反論したが




「冗談に決まってるだろ、…チッ……」




全く冗談に聞こえなかったんですけど……そして何故に舌打ち?




「あれ?あなたは昨日の」



転校生の元村さんがオレを見て思い出した様に、それと同時に男子達から殺気が向けられた。




「(このタイミングで言いますか…)人違いじゃあないですか?」




「でも、凌ちゃんと一緒に居たよね?」




凌ちゃん発言により、オレに向けられていた殺気がりょーまに変わった。というより、またお前か!的な感じに憎しみも籠られていた。




(なんとかりょーまに責任転嫁出来たな。)




「お楽しみのところ悪いが、元村、お前の席は柳本の隣だ。」




反町先生は、オレと元村さんに対してそう言った。

どこをどう見たらそう見えるんだよ!

そんな事を思っていると反町先生に問いかけられた。




「なんだ不満なのか鈴木宮?」




「いえ、不満はありませんが…」




「だったらなんだ?」




素直に言ったら、ヤバイからここは…




「ただ、さっきから仲沢君が先生を見てハアハア言っています。」




いきなり呼ばれたなかよしは、へ?と何で自分の名前が呼ばれたのかいまいち分からないのか気が抜けた返事をしていた。



「ほぅ、いい度胸しているじゃないか」




「お前なに言ってくれてんだよ!」




反町先生は怪しい笑みを浮かべて、なかよしは勢いよく後ろを向いてオレに対して抗議してきた。

なかよしの耳元に近付き



「チャンスだぞ、アレを言ってみろよアレを。」



お、おう。と返事をしてなかよしは前を向いた。



「せ、先生!」




「…何だ。」




「今日は一段と綺麗ッスね。」




すると反町先生は段々赤くなって……………………………………………………ない!?逆に怒っているだと!?嘘だろ、確かに昨日、オレが言った時は赤くなってテンパっていたのにな………ん?なかよし"今日は"って言わなかった?それじゃあいつもは、綺麗じゃあないって事になるじゃん!




「全然効果ねェし!すっごい怒ってますけど!!」




なかよしはさっきよりも勢いよく振り向いた。

オレのせいじゃあなくね?

なかよしの肩を軽く叩いて




「安心しろ。」




「何か違うh……」





「骨は拾ってやる。」




「安心できねぇ!!」




何でだよ、お前が今日はって言ったのがわるいんだろ




「仲沢ァ!!」




「は、はぃぃ!」




反町先生に大きな声で呼ばれた事によって、何故か起立をして振り向いていた。


立つ必要なくない?なかよしに立たれると前が見えないんだけど




!?



なかよしがいきなり椅子に座ったと思いきや机にむかって前のめりに倒れた。




「悪かったな!いつもはブサイクでよ!!」




誰もそんな事言ってないだろ。……というか何でなかよしを落としたの?チョーク?




「先生!」




「ア゛ァ!?」




「(お~怖いコワイ)時間。」




オレの指摘に反町先生は自分の腕時計で時間を確認していた。…………元村さんいつの間にりょーまの隣に行ったの?





「……これでHRを終わりにする。」




時間を確認した反町先生は学級委員長に号令の指示もせずに教室から急いで出ていった。

だろうな1時間目の授業が始まるまで1分前だからな。




なかよしをどーすっかな?




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