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ヤクザと召喚師  作者: 緑一色
片桐組誕生編
16/38

セントラル到着

狂助はエレナが召喚してくれたロープでハイジャック犯の4人を縛りあげた。

4人ともぐっすりと眠っている。



ちなみにエレナ曰く召喚は生物に限らず存在するものは陣さえ分かれば召喚できるらしい。


だが、あまりに殺傷能力が高かったり危険と判断されるものの召喚は色々と制限される。

ある程度の特例は認められるが基本危険物(生物も含まれる)の召喚は禁止である。



狂助がちょうどハイジャック犯を縛り終えた時だった。



自動ドアが開き、隣の車両から修道服姿の容姿端麗な女性が現れた。

歩くたびにウェーブのかかった金髪がなびく。

歳は狂助とさほど変わらないだろう。


「凄いわね。大捕物があったからっていうから来てみたら・・・・・・あなたがこれを?」


狂助は澄ました口調で返した。



「1人は俺であとは子供達のお陰ですよ」


ネイク、ゼブラスが同時に狂助を見て目を丸くした。


「へえ、でも一般人が無茶したら駄目よ。怪我でもしたら大変でしょ」

「ハハハ・・・・・・久しぶりに怪我でもしてみたいですよ」



女性は頭にクエスチョンが浮かび上がったが、はっと気づき自己紹介を始めた。


「私はガード凶悪犯罪殲滅部のNO.9ヴェロニカ・E・ガスト・・・・・・って、あなたがまさか狂助?」



ガードの名前を聞き、狂助はスイッチを切り替えた。


「ああ、そうだが」

狂助が続けようとした台詞はエレナに取られた。


「何で知ってるんですか?」



ヴェロニカは甲高くそれでいて色っぽい声で笑ってから続けた。


「何でって・・・・・・結構あなた有名よ?クラークさんは無口だけどレイヴンはああ見えてお喋りだからね」

「あいつがね・・・・・・」



狂助はそう言って苦笑した。


そこで、ゼブラスが口を挟んだ。


「もうすぐに着くぞ」

それを聞き、ヴェロニカ以外の全員は席に戻った。


「本当は貴方をこの場で拘束するのが仕事なんだけど、今回はハイジャックの事もあるし見逃してあげるわ」


「そうしていただけるとありがたい」



ヴェロニカは狂助に優しく笑いかけると自分の席へと戻って行った。















ーーーセントラル空港・入口ーーー



「セントラル、着きましたね!」

「エレナ殿はなぜそんなに喜んでいるのだ?」

「女だからな。服とかそういうのが欲しいんじゃないのか?」


ゼブラスはそう言って冷めた目でエレナを見た。


しかし、エレナは不服そうな顔をしている。


「違いますよ。ここでは沢山の召喚術の本が売ってるんですよ。私にとってはそっちの方が目当てです」

「真面目だな」



ゼブラスは素っ気なくそう返して欠伸をした。


エレナはどうもゼブラスは冷たいなと思い、顔をしかめた。


それに反してネイクはゼブラスの横顔を見て、頬を赤らめている。



狂助は遠目にその様子を見て微笑んだ。


「くくく。ネイクも子供らしいところあるじゃねえか」



一人でそう呟き、狂助は子供たちの輪へと歩み寄って行った。


「悪い、待たせたな。着替えに時間がかかってな」



しかし、誰ひとりとして返事をしない。


不思議に思い、狂助が尋ねようとした時にエレナが口を開いた。

「えっと・・・・・・何ですかその恰好は?」


「ああ。こっちの世界でも売ってて良かったぜ。和服」



狂助は紺の和服に身を包んでいる。



上界での狂助の所持する洋服は少なかった。

その為、たいてい彼は和服を着ていた。



勿論洋服を全く持ってない訳ではなく、着ないわけでは無かったが狂助は純粋に和服が好きだった。


「何か変か?」


「目立ち過ぎだ」

「同意です」


ゼブラスだけは何も言わなかったが狂助の服装には賛成していないようだった。



しかし、狂助は全く気にせず話を転換した。


「まあいい。とりあえず、ここから別行動にしないか?俺も色々見て回りたいし」



少しの沈黙の後、ネイクが主張した。


「私は武具店に行きたい」



それからゼブラスとエレナも続けた。


「俺は魔術具を見て回りたい」

「私は召喚術の書籍を」

「じゃあ、俺とエレナは一緒だな。バカ大人とネイクは?」


当然狂助のことだがあえて狂助はスルーした。



「誰がこんな奴と!?」


ネイクはそう吐き捨てどこかへ行ってしまった。



「というわけだ。俺も一人で行かせてもらおう」


狂助が少し歩いてから振り返ってゼブラスに注意した。



「俺を呼ぶ時は狂助さんだぞ?ゼブラスくん」



狂助は下品に笑ってネイクとは別の方向に消えた。


それを見送りエレナとゼブラスも歩き出した。

次回は幕間いれます

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