鳥になった娘 ある公爵夫妻の後悔と懺悔
ダリアの事情を少し加筆いたしました。
「愛しているのよ…ごめんなさい」
公爵夫人ダリアはベッドの上で自分によく似たアッシュブラウンの髪をした人形を愛おしそうに抱いて語りかけている。
「ふふふ…いい子ね。ゆっくりおやすみなさい。ママはずっとあなたのそばにいるわ…愛しいセイラ…いい子ね」
セイラとは公爵夫人ダリアの実の娘だった。
ナッシュベル伯爵家の次女として生まれたダリアは傾いた家を助けるためにガイドナー公爵家に嫁いできた。
なかなか結婚をしない嫡男ヒューイットを心配してガイドナー公爵がダリアを伴侶として連れてきたのであった。
ガイドナー公爵に紹介されたヒューイットは王宮騎士団勤務と聞いていたが、荒っぽさはなく、綺麗な顔立ちで金髪碧眼のいかにも貴族の嫡男といった風貌だった。
そんなヒューイットにダリアは恋した。
持参金すら作れない、婚姻することによって実家は公爵家から援助を受ける。肩身の狭い生活を強いられると思っていたダリアの結婚に一筋の光がさした。
結婚を機に夫が公爵位を継承し、前公爵は領地に隠居した。
夫となったヒューイットは優しかった。
感情を乱すことなく、ただ穏やかな笑顔でダリアに接してくれていた。
夫は王宮騎士団の副団長だった。彼は多忙な日々を送っていたので、公爵家内のことはダリアが引き受けた。忙しいが幸せだと思っていた。
結婚して一年後、前公爵夫妻は馬車の事故で突然亡くなった。
前公爵夫妻の葬儀からしばらくして、ダリアの妊娠がわかった。
妊娠したことにダリアだけでなく、公爵家の使用人達も喜んでくれた。
帰ってきた夫にも妊娠を告げた。
「そうなのか、よかったね、大事にして」
かえってきた言葉は、優しかったが、明らかに他人事だった。
ダリアも家令のジャックも使用人達もよそよそしいヒューイットの態度に怪訝な顔をした。
しかし、その理由は子どもの誕生と共に判明した。
ダリアは月満ちて元気な女の子を出産した。
ダリアと同じアッシュブラウンで、ヒューイットと同じ青い瞳の女の子だった。
出産の時にヒューイットはそばにいてくれなかった。
ひと月前から仕事で、家に帰ってくることはなかった。
ヒューイットに子どもの名前をつけてもらおうと待って1週間。ヒューイットはやっと帰ってきた。
生まれたばかりの女の子を抱いて。
これにはダリアもジャックも使用人も全員驚愕した。
「だ旦那様…そちらの赤子は…」何も言えないダリアの代わりにジャックが尋ねる。
「私の子だ、名をシャロンと言う」とヒューイットは顔色ひとつ変えずに皆に告げた。
そして初めて立ちすくむダリアを見て「訳あって、母親が育てることはできない。我が家で育てることにした。ダリア大事に育ててくれ…そういえば子は生まれたのか?」
ショックで声を出せないダリアに代わりジャックが「先週お生まれになりました。元気なお嬢様です」とヒューイットに伝えた。
ヒューイットは「なんだ、女か…次は男を頼むぞ」と言って私室に向かおうとした時
「ヒューイット様、娘の名前をつけていただこうと待っておりました」掠れた声でダリアはヒューイットに言うと
「女…セイラ…とつけよう」ひとこと言ってその場を去って行った。
ダリアはふらつきながら子ども部屋に行き、ベッドですやすや眠る我が子を抱きしめ、静かに泣いた。
「セイラ…ああ…セイラ」
突然やってきたシャロンはセイラと双子だと届けが出された。シャロンは金髪碧眼、セイラはアッシュブラウンで碧眼。瞳の色のおかげで世間から不審に思われることはなかった。
セイラがシャロンより3日早く生まれたので、セイラが姉ということにした。
シャロンの母親は誰なのか…ジャックが主人に内緒で調査した。
シャロンの母親は旅の一座の踊り子だった。
長く王都に滞在していたその一座は既にこの王都にはいなかった。どうやらシャロンの母親もシャロンを生んですぐに王都を出たようだった。
ふたりの娘はすくすく育った。
成長するにつれふたりの性格に違いが出てくる。
セイラは穏やかでおとなしく、シャロンは活発でよく大声で笑っていた。
ダリアはふたりを平等に扱おうと気を配ったがヒューイットの愛情はシャロンのみに注がれた。
いつしかセイラはシャロンの子守りを担うようになっていた。
セイラとシャロンが5歳だった時、庭で遊んでいたシャロンが転んで怪我をした。
ダリアは家内の仕事で手が離せなく、シャロンの泣き声を聞いてもすぐに動けなかった。
やっと手があき、子ども達が遊んでいる庭に向かった。
目の前で、シャロンを抱いたヒューイットにセイラは平手打ちされ芝生に転んでいた。
「いつも言っているだろう!妹の面倒をしっかり見ろ!と」
「…はい、お父様…ごめんなさい」目に涙を溜めて殴られた頬に手を当てて座り込むセイラ。額に血が流れてきていた。
「旦那様!セイラ!」ダリアは思わず駆け寄ってセイラを抱きしめた。
「お前もシャロンの泣き声が聞こえたなら早くきてやれ」そう言ってシャロンを抱いたヒューイットはシャロンに優しく「傷の手当てをしような」と言ってふたりに背を向けた。
シャロンは「姉様も…」と泣きそうに言ったが、ヒューイットはそれを無視して屋敷に向かった。
ダリアは「セイラ…セイラ、遅くなってごめんね…大丈夫?」とセイラを案じた。
セイラは力無く「うん…ごめんなさい」と言うだけだった。
ジャックが、そっとやってきて「奥様、お嬢様の手当てをいたしましょう…ゆっくり参りましょう」とダリアとセイラを屋敷に連れて行った。
ヒューイットの娘達への態度は変わらなかった。そしてそのまま年月は流れた。
ダリアは二度と妊娠しなかった。誰にも知られないように避妊薬を飲んで、妊娠させなかった。
ヒューイットは「まったく…なぜ妊娠しない?」とダリアに詰め寄ったが「申し訳ございません。旦那様」と上辺だけ謝った。
ヒューイットはいつの間にかダリアから名前で呼ばれていないことにも気づかなかった。
そんなダリアもいつの間にかセイラを蔑ろにしていることに気付かずにいた。
ヒューイットが娘の10歳の誕生日パーティーをすると言った。
その日の主役はシャロンだけだった。
招待客は怪訝そうな顔をしていたが、ヒューイットは着飾ったシャロンを嬉しそうに見るだけで、それに気づく様子はなかったがダリアもヒューイットの隣で同じように微笑んでいるだけだった。
セイラは会場の隅で小さくなっていた。
15歳になったセイラはヒューイットに「男児がいない我が家はお前が婿を取ることになる。これからは親の手伝いをして仕事を覚えるように」と言われ執務室を与えられた。
ダリアの視線はシャロンに向くことが多くなった。シャロンとダリアと連れ立って出かける時ヒューイットの機嫌は良い。3人で出かけるために馬車に乗り込む。
ふと気になって、セイラの執務室がある窓の方に目をやると、こちらを見ているセイラと目が合い思わず逸らしていた。
ヒューイットもダリアも所用があり、出かけるシャロンに付き添えない時はセイラが付き添った。
シャロンは久しぶりに姉妹で出かけられる嬉しさからいつも以上にはしゃいで、引き留めるセイラを強引に連れ回し、帰宅が予定より大幅に遅れた。
帰宅したセイラにヒューイットの平手が飛んできた。
「こんな時間まで何をしていた!シャロンに危険が及んでもいいのか!」
「お父様!違うの!私がお姉様が止めるのを聞かずに…」
「シャロンは優しいな…姉を庇って。しかし、諭さなければならない。お前は部屋に行ってなさい…ダリア、シャロンを部屋に」
「はい、旦那様」
ダリアがシャロンを連れて部屋を出た途端、バチン!という音と何かがぶつかる音がした。しかしダリアは引き返すことなく、シャロンを部屋に連れて行った。
その後もセイラの部屋に様子を見に行くことはしなかった。
セイラは呪詛のようにヒューイットに言って聞かされていた
「お前は、この家とシャロンを守らなければならない」と。
セイラもシャロンもデビュタントで王宮舞踏会に参加した。
お淑やかで思慮深そうなセイラと明るく朗らかなシャロン。美人姉妹で特に目立っていた。
デビュタントが済むと公爵家に釣書が届くようになった。殆どセイラに宛てたものだった。
ヒューイットは苛立った。その矛先はセイラに向き「セイラはこの家を守らなくてはならないのだから、今後、家内の仕事はセイラにやらせろ」とダリアに告げた。
ダリアは何も疑問に思わずに言われた通りにした。
セイラは仕事に追われ、シャロンひとりの外出の時も同伴することはできなくなっていた。
ヒューイットは仕方なく護衛騎士をふたり雇った。
そんなある日、セイラの時間が空いたことを知ったシャロンが「お姉様、久しぶりに外に息抜きに行きませんか?お姉様はずっと屋敷の中にいるのだから、たまにはいいでしょ?」と誘ってきた。
セイラは躊躇ったが、シャロンが「護衛もいますし、大丈夫ですよ…早く帰ってきましょう」と言うので
「じゃあ、少しだけ…」と言って姉妹と護衛騎士ふたりで出かけた。
カフェに入り、お茶とお菓子で姉妹だけの時間を楽しんだ。
「もう少しゆっくりしたいけど、お父様達が帰ってきたらまた面倒なので、帰りましょう…でもお姉様また来ましょうね」とシャロンの微笑みにセイラは頷いた。
護衛騎士達もそんなふたりを暖かく見守っていた。
しかしそんな温かい時間はすぐに終わった。
帰宅したセイラを待っていたのは、今回もヒューイットの平手打ちだった。
「黙って妹を連れ出してどう言うつもりだ!」理不尽な怒声が飛んできた。
シャロンも今回は父親に抗議した。
「お父様!お姉様は悪くないわ!私が強引に誘ったの!いつも…いつもお父様とお母様にこき使われて…お姉様にも休息は必要だわ!だから私が連れ出したの!ちゃんと護衛騎士も一緒だったわ!危険なことなんてひとつも無いわ!」
シャロンの言葉にダリアは〈はっ〉とした。
いつから私はセイラを蔑ろにしていたのだろう…嫌な動悸がした。
「うるさい!お前達、シャロンを部屋に連れて行け」とヒューイットの怒鳴り声がホールに響く。
「お父様なんて、嫌いよ!この家は居づらいわ!」捨て台詞を吐いてシャロンはひとりでその場を去っていった。
いつに無いシャロンの激しい抗議にヒューイットも冷静になったようで「勝手な行動はするな!わかったか!」とセイラに怒鳴る。
セイラが「はい」と言い終わる前にヒューイットは背中を向けて去って行った。
護衛騎士のセインは「お嬢様、お部屋に参りましょう」と促し、使用人から冷たい水の入った桶とタオルを受け取りセイラを私室に連れて行った。
ダリアはシャロンの部屋に急いだ。
シャロンはもうひとりの護衛騎士のロイドに縋り付き泣いている。
「もう嫌!なんなのよ!わあぁ!」
「シャロン…」おずおずとダリアが名を呼ぶと、シャロンがロイドの腕から泣き腫らした顔をあげダリアを見た。
「シャロン…大丈夫?」
「お母様、心配してくる場所が違います!なぜお姉様の所に行かないのですかっ!」
「あ…」
「早くお姉様の所に行ってくださいっ!」
シャロンの叫ぶような大声にビクリとしてその場を離れた。そしてセイラの部屋に向かった。
セイラの部屋からセイラと家令ジャックと護衛騎士セインの声が聞こえてきた。
「お嬢様、大丈夫でございますか?」
「ありがとう、なんとかね…」
「セインに言われて、すぐに調べてまいりました」
「え?」
「シャロンお嬢様の侍女と御者が旦那様にお嬢様達の事を逐一報告していたようです。気付かずに申し訳ございません」
「そうだったのね…」
「いかがいたしましょう?解雇もできますが…」
「そのままでいいわ…辞めさせたのをお父様が知ったらまた騒ぐでしょう?」
「かしこまりました。でもお気をつけくださいませ」
「ふふ、ありがとう。いつも気を遣わせるわね…」
「セイン…後は頼みますね」
「わかりました」
そしてジャックがセイラの部屋から出てきて、ダリアと見合う形になった。
ジャックは黙って一礼してダリアの横を通り過ぎて行った。
感情のない瞳でダリアを見るジャックにダリアはその場から動けなくなった。
部屋の中のふたりは会話を続ける。
「お嬢様…タオルを…」
チャプン…チャプン…
「ありがとう…冷たくて気持ちいいわ…」
「腫れてきましたね…」
「ふふ、2、3日したら治るわ…セイン…」
「はい」
「生まれ変われるとしたら、あなたは何になりたい?」
「考えたことはないですね」
「私は、鳥になりたいわ…自由に空を飛べるでしょ?」
「…では、私も鳥になります。お嬢様と一緒に空を飛びたいです」
「なれたらいいわね」
「はい…お嬢様」
「うん?」
「お辛かったら、逃げましょう」
「え?」
「一緒に逃げましょう、逃がして差し上げます」
「そんなことしたらあなたの家族に迷惑がかかるわ…」
「私は孤児です。家族はいません」
「まぁ、セインはたくさん頑張ってきたのね…」
「腕っぷしだけでなんとかやって参りました」
「素晴らしいわ…そう…孤児だったの…悪く思わないでね…しがらみがないのは羨ましいわ…」
「だから逃げましょう」
「ふふ、一緒に逃げてくれるの?」
「はい、ご一緒します。そばにおります」
「ふふ、嬉しい」
ダリアはふたりの話を聞いてセイラの部屋に入ることを躊躇い、その場から離れた。
自分は取り返しのつかない間違いを犯していたのではないか…と震えがきた。
その日の夕食時、シャロンはダイニングに姿を現さなかった。
「シャロンは?」
「今日はお部屋で…」
「そうか…」
ヒューイットはそれ以上何も言わずにダリアとふたり食事を続けた。
ダリアはその時初めてこの席にセイラがいない事が当たり前になっていた事実に驚愕した。
しかしヒューイットの前で「セイラは?」のひとことをジャックに問う勇気が出なかった。
私室に戻ったダリアは混乱していた。
(いつから?…いつから私はあの子を避けている?…
どうして?…どうして私はあの子を避けている?)
しばらくして…
(ああ、そうか…。私の目がシャロンに向いている時は、あの人の機嫌が良いから…だから私はセイラを…)
自分の欲のために我が子にした仕打ち…自分の行いにダリアは絶望した。しかしさらなる後悔がダリアを襲う事になる。
………………
ヒューイットがシャロンに縁談を持って帰ってきた。
「シャロン、サーレアル伯爵家の嫡男との縁談を決めてきた…」
「え?決めてきた?…私は初めて聞きましたが…」
「ああ、初めて知らせたからな…」
「お父様!そんな…」
「家系も資産も我が家と釣り合う…良い縁談だ」
ダリアは目の前で繰り広げられる父娘の会話を黙って聞いていた。
サーレアル伯爵夫妻と相手の嫡男が顔合わせにガイドナー公爵家にやってきた。ダリアも同席する。
サーレアル伯爵家の3人は穏やかな笑顔でシャロンを見ていた。(ああ、私はこの笑顔を知っている…)既視感のある笑顔だった。
その頃からシャロンの周りで不審な事が起きるようになった。
シャロンが街を歩いていると目の前に植木鉢が落ちてきたり、買い物に行った先で背中を押されて階段から落ちそうになったりした。
どれも護衛騎士がそばにいられない隙を狙っていた。
ヒューイットはセイラに外出時は付き添うように命令した。
そして悲劇は起こった。
サーレアル伯爵家に向かって馬車を走らせていた。馬車の前後はセインとロイドが守っている。
シャロンもセイラもサーレアル伯爵家には何度か足を運んでいた。
サーレアル伯爵家はシャロンのみならずセイラのことも歓迎してくれていた。特に夫人はセイラにとても良くしてくれた。
なので、サーレアル伯爵家に向かう馬車の中、これから楽しい時間が待っていると思っているふたりはとてもリラックスして笑顔で姉妹の時間を楽しんでいた。
突然、馬車が横に揺れ、馬のいななきがあたりに響いた。セインとロイドの怒鳴り声が響いた。剣と剣がぶつかる音もする。
セイラとシャロンが乗る馬車が大きく揺れて横倒しになった
「きゃあ!シャロン!」
「お姉様!きゃあ!」
「お嬢様!」ロイドがふたりを横転した馬車から救い出した。
セインは斬りかかってくる賊に応戦していた。
「早く逃げろっ!」
「お嬢様!早く!」ロイドがセイラとシャロンの手を掴んで走り出す。
しかし賊はセイラとシャロンを追いかけ、すぐに追いついてきた。
セインも必死でセイラ達と賊の間に入り込み、応戦している。しかし多勢に無勢、状況は悪くなるばかりだった。
逃げるシャロン目掛けて剣が振り下ろされそうになるのを見たセイラはロイドの手を振り払いシャロンの後ろに回り盾になった。
セイラの背中に熱が走った。
「きゃあ!お姉様!いやぁ!」
「お嬢様ぁ!」シャロンとセインの声が重なった。
「逃げて!早く…逃げて!ロイド!早く!」
「ロイド!行けっ!助けを呼んでくれ!」
セイラとセインが叫ぶ。
「すぐに戻る!それまで頑張ってくれ!」
ロイドはシャロンの手を引いて必死で走った。
「いやぁ!お姉様!私も…」と蹲りそうになるシャロンを無理矢理立たせて、走らせた。
セインは追手をこれ以上先に行かせないように、セイラがこれ以上傷つけられないように鬼の形相で賊に斬りかかっていった。
「セイン!危ない!」の声と共にセインの背中に誰かがぶつかってきた。振り返るとセイラがいた。その先には賊が剣を振り下ろしている姿が見えた。
「うぅおぉーっ!!」地の底から唸るような声をあげて、狂ったようにセインはその賊と残りの賊を倒すために剣を振り回した。
しかしその時にはセインは既に深傷を負っていて、思うように体が動かない、三度、四度とセインの体に賊の剣が振り下ろされる。セインの方も賊に三度、四度と剣を振り下ろす。賊の力が尽き勝敗は決まった。
すぐに踵を返してセイラの元に駆け寄る
「お嬢様!…しっかり!すぐ…に助けがき…ます!」
薄らと目を開けたセイラはセインに微笑んだ。
「ええ、大丈夫…だって鳥になるんだもの…」
「ええ、お供しますよ…いつも一緒にいましょう」
「ふふ、嬉しい…セイン」
「はい、セイラ…」
それがふたりの最期の会話だった。
…………………
急ぎの知らせを受けたダリアとヒューイットは現場に駆けつけた。
ダリアの目の前には夥しい血溜まりがあちらこちらにある光景が広がっていた。その中、一際血溜まりが広がったところに倒れている赤い人型とそれを抱き込むように座って微動だにしないマントを血に染めた人型があった。
ヒューイットに向かい報告する誰かの声が聞こえる。
「賊と思われる者の遺体は全部運び終わりました。閣下…お嬢様を確認に行かれますか?」
「お嬢様?」
「はい、セイラお嬢様と護衛騎士のセイン…です」
それを聞いたダリアは「いやぁー!」と慟哭し気を失った。
…………………………
「墓石にはなんと刻まれますか?」ジャックの声が聞こえた気がした。
ダリアは「鳥を…空に羽ばたく2羽の鳥を…」と答えた気がする。
セイラとセインは並んで埋葬された。そんな事は異例だったが、ダリアがそうして欲しいと指示した。
捜査の結果、犯人はすぐにわかった。
サーレアル伯爵家の嫡男と婚約寸前まで行った伯爵家の令嬢が闇ギルドにシャロンを襲うように依頼したらしい。
王都の騎士が「既に身柄を確保してあります。実行犯は全員死亡して、本人の供述で裁くしかありません。シャロン嬢証人になってくださいますか?」と聞いてきた。
「当たり前じゃないか!シャロンがあんな酷い目に遭わされたのに!極刑もうあり得る!我らは公爵位だぞ!」とヒューイットが激昂するのを横目に
「落ち着いてくださいお父様…私ではなく、お姉様が亡くなったのですよ…」と諭されたヒューイットは
「あ、」と発するだけだった。
ふとヒューイットが顔をあげ前を見ると、呆れたような顔をした王都の騎士と目が合った。
「騎士様、私にできる事はなんでも協力致します。しかし極刑は望みません。姉はそんな事を希望する人ではありません。全ての元凶は私にあることも承知しております」
そして、令嬢は修道院に送られた。
全て終わった。
…………………
「お父様、縁談も破談になりました。私を廃籍にしてください」
「なぜだ」
「私、実は知っています。私はお母様の子ではない事を…私は旅の一座の踊り子が生んだ子だということを…」
「ぐっ…しかしお前は私の子だ」
シャロンはそれには答えず、一枚のチラシをヒューイットの目の前に差し出した。
旅の一座の興行を知らせるチラシだった。
「もうご存知でしょうが、明日、またやってきます。きっと会いに行かれるのでしょう?でも、その前にこの街に入る一行を見に行ってください」シャロンは冷たくヒューイットに告げた。
……………………
翌日午前、ヒューイットはシャロンに言われた通り、街に入ってくる一行を見るために、街道がよく見えるカフェの窓際に座っていた。
旅の一座の名前を大きく描いた荷馬車がやってきた。
先頭の御者台に彼女がいた。久しぶりに見るシャロンの生みの母親だ。歳は取ったが変わらない色気を纏っている。隣の恰幅のいい帽子を被った男にしなだれかかるように座っていた。
その時、一陣の風が吹き男の帽子が後ろに飛ばされた。金髪碧眼の昔はかなりの美丈夫であったことを思わせる顔がヒューイットの目に飛び込んできた。
なんとなく面立ちがシャロンに似ている気がする。
「そんな…まさか…嘘だ…」ヒューイットはすべてを否定したかった。
「嘘だ、嘘だ、嘘だ!」その呟きに誰も答えてくれなかった。
呆然としたまま屋敷に戻ったヒューイットにジャックは黙って手紙を渡した。
シャロンからの手紙だった。
「お父様…いえ、ガイドナー公爵閣下。
もっと早くに伝えればよかったと後悔しています。
小さい頃から、私とお姉様はお母様が違う…という噂を耳にしていました。しかし、お姉様はいつも「そんな事はないわ…あなたと私は姉妹よ」と笑ってくれていました。その言葉に私は縋り付くことしかできませんでした。長い間、ずっと縋り付いていました。
しかし、去年知ってしまいました。
親切な方が教えてくださり、一座を覗きに行きました。その時実母に会いました。実母は実父にも会わせてくれました。なんの罪悪感も無く、あっけらかんと…最低です。
全てを知った私はお姉様に謝りました。そしてすぐに出て行くとも伝えました。
お姉様は「このままでもいいんじゃない?シャロンはシャロンで私の妹には変わりないから」と笑ってくださいました。
少なくともお父様には事実を伝えると言いました。
お姉様は「ダメよ…そんな事をしたらあなたに矛先が向いてしまうわ…絶対ダメよ」と笑って私を止めました。
その時に真実を伝えればよかった、出て行けばよかったと後悔しかありません。
長い間、血のつながらない娘を大切に育ててくださって感謝致します。しかしもう、あなたの娘を名乗る資格はありません。どうかお母様を大切になさってください。おふたりがいつまでもお健やかでいてくださる事を願って止みません。ありがとうございました
シャロン 」
シャロンからの手紙を読んだヒューイットは手紙を握りしめダリアの部屋に向かった。
ダリアは窓際の安楽椅子に座り窓の外を眺めながら静かに涙を流していた。
「ダリア…」ヒューイットの声かけに
ダリアは立ち上がり「はい、旦那様」といつも通りに答えた。
「なぜそんな言い方をする?」
「??…いつも通りですが…」
ここにきてヒューイットは初めてずっと前から自分の事を「旦那様」と呼ぶダリアに気がついた。
そして思い出した。ダリアはいつも微笑んでいた。感情の読み取れない微笑みを顔に貼り付けていた。
「ダリア…」と言いながら床に両膝をついて項垂れた。恐ろしい程の後悔がヒューイットを襲っていた。
「旦那様、申し訳ございません。娘が泣いているようです…失礼しても?」
「え?娘?」
顔をあげてダリアを見るが、ダリアの目にはヒューイットは映っていない。
ダリアは私室を出て、廊下の隅にある部屋に入って行った。
ヒューイットは後を追いかけた。
必要最低限の調度品があるだけの飾り気のない殺風景な部屋だった。
ダリアはベッドに駆け寄り「よしよし…ママはここよ…いい子ねセイラ…」と誰も寝ていないベッドに向かって話しかけている。
「ダリア?」
呆然と立っているヒューイットの後ろからジャックの声がした。
「奥様、お嬢様はこちらにいらっしゃいますよ」
振り返るとジャックは人形を抱いていた。アッシュブラウンの髪の人形を。
「まぁ、私ったら…ありがとうジャック」
「いいえ…」
ジャックは人形をダリアにまるで生きている赤子を渡すように渡した。
ダリアも慎重に受け取り大事そうに胸に抱く。
「奥様、この部屋よりも奥様の私室の方が陽当たりも良いのではないでしょうか?」
「そうね!連れて行くわ」
「その方が良いかと…ふふ、お気をつけて」
「ありがとう…じゃ、行きましょうセイラ」
ダリアは人形を抱いて部屋を出て行った。
見送ったヒューイットは「ジャック…ここは…」
「亡くなられたセイラお嬢様のお部屋でございます」
ヒューイットは部屋の中を見回し、クローゼットの扉を開ける。こちらの中も夜会に着ていくような華やかなドレスは見当たらない。
宝石の類いなどは無いに等しい。
ヒューイットの知るシャロンの部屋とは大違いだった。
「あの子は夜会などには行かなかったのか…」
「旦那様がお許しになりませんでしたので…」
「そう…だったな…」
机の上に置いてある箱に手を伸ばす。
「これは…」
中には、メッセージカードや数個のブローチやネックレス。押し花の栞が入っていた。
「旦那様、セイラお嬢様の誕生日は覚えておいでですか?」
「誕生日?え…っと…シャロンと同じ日…」
「違います」
「戸籍を見れば…」
「あれはシャロンお嬢様の誕生日で届け出ております」
「あ…」
「因みにその箱の中のブローチやネックレスはシャロンお嬢様からセイラお嬢様への誕生日プレゼントです。毎年、こっそり渡しにこられていました」
そう言ったジャックは一礼してセイラの部屋を出て行った。
(セイラの誕生日?知らない…確かシャロンより何日か早かった…何日だ?わからない。
誕生日プレゼント?渡した事は無い…それどころか一度もこの腕に抱いていない…。
いつも怯えた目で私を見ていた…苛ついた。なぜそんな目で私を見る?。
いつからか無表情で私を見てくるようになった…いつからだ?…わからない。
何も知らない…何もわからない…)
ヒューイットはセイラの部屋で膝をつき、自分の両手を見て「うううぅわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
ヒューイットは喉が焼き切れんばかりに大声で雄叫びをあげていた。
ヒューイットは脳裏に蘇るセイラに対する行いに、暴言に、暴力に…自分への苛立ちに、後悔という言葉がなまやさしく思うほど、過去の自分を呪いたくなった、その呪いに押しつぶされそうになった。
…………………………
その日を境にダリアは体調を崩した。
笑うことも泣くこともなくなった。ただ腕に抱いたアッシュブラウンの人形に優しく話しかけるだけになった。
ヒューイットはダリアとセイラに丸投げしていた仕事に忙殺されるようになった。
長く勤務していた騎士団は辞めるしかなかった。
団長も彼を引き止める事はしなかった。
「そうか」と言って退団を認めた。
団長の部屋を出た後、廊下を歩いていると
「副団長、辞めるらしいぞ…」
「そりゃ、愛人に生ませた子を実の娘が庇って死んだんだから、気持ちの持って行くところがないよな…」
「それは無いんじゃないか?…副団長は愛人の子ばかり可愛がって、実の娘を冷遇してたからな…」
「お前、よく知ってるな…」
「一応貴族という肩書きがあるからな…子どもの頃親に連れられて公爵家の娘の誕生日パーティーに行ったのさ…着飾っているのは愛人の娘だけで、実の娘が壁際に立っている事すら気にした様子はなかった…あれは社交界では有名な話だよ」
「うわぁーひっでぇ!」
「どうせ、愛人の娘を守るために〈お前は盾になれ!〉とでも言ったんじゃないか?」
「鬼だな…」
「…なぁ、ここだけの話だけど…その愛人の子なんだけど、実は副団長の子どもではないらしいぜ」
「あ、それ…俺も聞いた事ある…マジかよ…冗談だと思っていた」
「酒場で酔った踊り子が漏らしていたらしいぜ…自慢気にな」
「うわぁ…托卵?…怖いね」
「そして、自分の娘は見殺し…って。団長は?」
「当然知ってるさ」
ヒューイットはすぐにその場を離れた。
自分だけが隠し通せていると思っていた。そして屋敷に逃げ帰った。
「おかえりなさいませ」ジャックが迎えに出てきた。
「ジャック、お前は私の世間の噂を知っているか?」
「はい」冷静に答えるジャックにヒューイットは驚いた。
「なぜすぐに知らせない?」
「お知らせした事はあるかと存じますが…」
「あ、そうだ…」ジャックが知らせてきた時「放っておけ」と一蹴した事を思い出した。
ヒューイットはそのまま執務室に行った。
執務室机の上は今は書類が山を作っていた。端に寄せられた姿絵の額が見えた。
取り上げてみるとシャロンの姿絵だった。他にもある額を取り上げる。どれも全部シャロンだった。
屋敷の中を見て回った。どこにもダリアやセイラの姿絵はなかった。
(ああ…俺は…)もう何度目かわからない後悔がヒューイットを襲った。
その時、ジャックが慌てた様子で走ってきた。
「旦那様!大変です!奥様が…奥様が見当たりません!」
ヒューイットは屋敷中を探し回った。
ジャックは騎士団に捜査依頼に走った。
夕方、日が暮れる前、ダリアは見つかった。
騎士に連れられて帰ってきた。
「あの事件現場で、あの場所で座り込んでいらっしゃいました」辛そうに騎士が報告した。
ジャックが送り届けてくれた騎士に礼を告げ見送っていた。
その間、ダリアは感情のない表情で人形を抱いて立っていた。
「ダリア…」ヒューイットは恐る恐るダリアに声をかける。
弾かれたように顔をあげたダリアが急にボロボロ泣き出した。
「ああああああ…あの子がいないの…どこにもいないのぉ…旦那様…あの子を返して…ああああああ」
抱きしめようとダリアのそばに行くと
「取り乱してしまって申し訳ございません。娘を寝かしつけて参ります。失礼いたします」とさっきとは全く違う態度でヒューイットの横を通り過ぎて行った。
(ああ、すべて俺のせいだ…全部俺が壊した…)
その後しばらくして、ヒューイットはガイドナー公爵位を親族に譲り王都から姿を消した。
………………………………
「愛しているのよ…ごめんなさい」
前公爵夫人ダリアはベッドの上で自分によく似たアッシュブラウンの髪をした人形を愛おしそうに抱いて語りかけている。
「ふふふ…いい子ね。ゆっくりおやすみなさい。ママはずっとあなたのそばにいるわ…愛しいセイラ…いい子ね」
悲惨な事件のあった場所から遠くない貴族が住むには少し小さい家のベッドでダリアは今日も人形に語りかけていた。
最近はベッドにいる時間が長い。
「ママも少し疲れたわ…一緒に寝ましょうね」
その時開け放たれた窓から1羽の小鳥が降り立った。
あたりをキョロキョロ見回しチョンチョンと部屋に入ってきた。
パタパタパタ…小鳥は人形に興味を示し人形の頭に乗った。
気配に気づいたダリアが目を開けると、小鳥の青い瞳と目が合った…
「ふふ、セイラ…愛しい子…」ダリアの瞳から涙が流れる。小鳥はその涙を吸い取った。
その日からダリアは窓辺にパン屑の入れた皿と水を張った皿を置いて小鳥が来るのを人形を抱いて待った。
「あら、今日も来てくれたのね!ありがとうセイラ…」
しかし今日は1羽ではなかった。もう1羽連れてきていた。真っ暗な瞳の同じような小鳥だった。
「まぁ!一緒に来てくれたのね!あなたはセインかしら?」
小鳥は当然答えない。
しばらく皿のパン屑と水を啄んで庭の木に飛び立って行った。
小鳥は木の枝に並んでとまってこちらを見ている。時折り小鳥達は体を擦り寄せあい仲良くダリアを見ている。
そしてしばらくしたらまたどこかへ飛び立って行った。
そんな日々が続いて、季節が巡った。
ヒューイットが外出先から家に帰ってきた時、ダリアの部屋に窓から鳥が入って行くのが見えた。
様子を見に万が一の時を考えて開け放たれているダリアの寝室の扉から中を覗いた。
ベッドで人形を抱いて眠っているダリアのそばに1羽の小鳥が擦り寄っていた。
眠っているダリアの額に小鳥は頭を擦り付けている。
窓際にはもう1羽小鳥がとまっている。
カタン
音を立ててしまったヒューイットに小鳥は驚いた様子で振り向いた。
目が合った、青い瞳の小鳥と…セイラがこちらを見ているように見えた…
「セイ……」ヒューイットがセイラの名前を言い終わる前に2羽の小鳥は慌てて窓から飛び去って行った。
小鳥達はヒューイットがいなければ、しばらくダリアと戯れて帰って行く。
それを知ったヒューイットはできるだけ邪魔をしないように気をつけた。
毎朝、パン屑の入れた皿と水を張った皿を置いて寝室を去るのがヒューイットの日課になった。
「旦那様…申し訳ございません」ベッドの中から弱々しくダリアが告げる。ダリアは1日の殆どの時間をベッドで過ごしている。
「いや、いいんだ…」そう言ってダリアに感情のこもった笑顔を見せて部屋を後にする。
最近ダリアは本当の微笑みをヒューイットに向けてくれるようになった。
さらに季節は巡った。
「ピィーピィーピィーピィー!」ダリアの寝室から小鳥が激しく鳴く声が聞こえてきた。
ヒューイットは慌ててダリアの寝室に入った。
ダリアは穏やかな微笑みを浮かべて静かに旅立って行った後だった。小鳥はヒューイットが寝室に入っても逃げる事はせず、小さな頭をダリアの額に擦り付けてピィーピィーと鳴いている。
「セイラ…ありがとう…ありがとう」ヒューイットは小鳥に告げた。
それを聞いた小鳥は窓辺にとまっている小鳥と窓から飛び去って行った。
…………………………
木立に囲まれた貴族が住むには少し小さい家に住む金髪碧眼の年老いた男は今日も亡き妻の寝室の窓辺に置いた安楽椅子に座り窓の外を見ていた。
窓枠にはパン屑を入れた皿と水を張った皿を置いている。それは年老いた男の日課だった。
しかし訪れる動物はいない。
「ふふ、今日も会えなかったな…」男は独り言を言って苦笑いする。
少し眠くなってきた。
瞼を下ろす瞬間、待っていた青い目の小鳥と黒い目の小鳥がパン屑の皿に降り立った気がした…小さな小鳥も一緒にいるように見えた…しかし眠くて瞼が上がらない。
「セイラ…」男はひとこと呟いて永遠の眠りについた。
………………………………
王都から離れた片田舎にその家はあった。
その家は周りを畑や果樹に囲まれている。
「ロイド!そろそろ夕飯にしましょう!」と家の窓から金髪碧眼の女性が髪を後ろに纏めてエプロン姿で、畑で鍬を振るう夫に声をかけた。
「ああ!」と元気よくロイドと呼ばれた男は返事をしてから、近くで遊んでいるふたりの子供たちに声をかける「セイン!セイラ!ママが呼んでいるぞ!夕飯にしよう!って」
「はーい!」「お腹すいたー!」泥だらけの兄妹は元気よく返事をする。
まどから顔を覗かせたママは「ちゃんと手は洗ってきてね!あー…それから顔もよぉーパパ!ちゃんと洗ってやってね!」
「ははは!こりゃ酷いな…さぁ、井戸に行こう!」
食卓を囲む家族は皆笑顔で、笑い声が窓の外にまで聞こえている。
その声に誘われて小鳥が数羽窓枠に降り立った。
青い目の小鳥と黒い目の小鳥が数羽の小鳥を連れて時々やってくる。
「わぁ!久しぶりだね!元気だった?今年は3羽生まれたんだね!」嬉しそうにセインが小鳥達に声をかける。
「ピィーピィー」
「雛ちゃん!飛べるようになったんだね!」セイラが口の中をいっぱいにしてもぐもぐしながら言っている。
「ふふ、はい、どうぞ…」シャロンはパン屑の入った皿と水を張った皿を窓枠に置くと、小さな小鳥達は早速それを啄み始める。
親鳥はそれを見ていた。
しばらくセインとセイラと戯れた後、小鳥の一家は夕闇が迫ってくる空に飛び立って行った。
誤字報告ありがとうございます。適用させていただきました。
「日間」「その他」短編 で1位ランクインしました。
皆様ありがとうございます。(泣)嬉しいです。
これからも精進いたします




