『運営サイド』想定外ってだいぶ嫌だよね
私の名前は篠原圭。『sacrifice savior』の調整部門で部長をやっている
調整部門と耳ざわりのいい呼び方で読んでいるが、やってることは尻拭いと変わらない部門だ
「さて、新人への説明用の台本を作らねば」
『上層部から君たちへの説明を任されたので、この会社についてや、調整部門の仕事について説明していく。
最初はこの会社についてだ。まずプロデューサーやメインデザイナーなどが基本的なところを決め、
デザイン部門が敵デザインやNPCの造形などを決める。
そしてプログラム・モーション部門がモーションや干渉する部分を確認し
最後に調整部門に渡ってくる。』
『まずモーションの微調整。ここは主に当たり判定の調整や、干渉するデザインの調整だ。そう、プログラム・モーション部門は確認しかしないので調整は私たちがすることになる。
次にスキルやボスなどの調整。この調整をミスしてしまうと、強すぎる弱すぎるスキルが生まれてしまうし、プレイヤーが勝てないようなボスが生まれてしまう(例として大猪 ブラーファングの画像)このボスは昔時速100キロで霧から飛び出すのを繰り返すボスとして出したんだが、プレイヤーから多くの苦情がきた。主な苦情は「速度が早すぎる」「霧が邪魔」などだ。
霧はそういうボスだったので消せなかったが、速度を100キロから80キロに落とした。個人的には速すぎる気がするのだが、
それを言ったら上層部が「簡単にクリアされたら悔しいし、スキルを強くすればいいでしょ?称号でバフもできるんだし。」と言われまじで殺してやろうかと思った事がある。皆はこんなことにはならないように気をつけましょう。』
『その次が称号システムの調整だ。この会社に入った皆ならおそらく知ってるとは思うが一応説明しておく。
このゲームは称号に効果がつけられている事がある。というか効果がない称号の方が珍しい。
隠し称号とかは効果がないことの方が多いがな。話を戻して称号の調整は主に効果の調整だ。
例えば(称号『破壊者(猪)』の画像を出す)この称号は先ほど話した大猪への特攻をつけた称号なんだが、
この称号を作ると大猪の攻略率がみるみるうちに増えていった。これが本来の調整部門の仕事だ』
『最後に最終調整だ。最終調整した結果大猪が生まれたのは私たちの不手際だが、それは置いておくとして
最終調整はまず実際に調整が終わったプロト版を実際にプレイして、その結果からさらに調整する
例えばレベルが上げずらかったりするのだが、これは上層部が『称号あるからレベル上げづらくていいっしょ』
とか抜かしたからこうなっているのだが、これでも調整した方なので私たちを責めないでもらいたい。
でもそれ以外は結構いいバランスになってるでしょ?1週間寝ずに調整してたのでね…』
『とまぁここはなかなかやばいところなのだが、私たちは皆さんを歓迎します。あ、ちなみに入社一年目は割と退社できないので、諦めてください。』
「こんなものでいいか…」
流石に疲れたな…コーヒーでも飲んでリラックスするか…
湯を沸かし、豆を挽く…湯を少し使いドリッパーとサーバー、カップをあらかじめ温めておき、
ドリッパーにペーパーフィルターをセットとし、コーヒー豆を挽いた粉をフィルターに入れる。
湯が全体に行き渡るように粉の中心から楕円を描くように少しずつ湯を注ぎ、蒸らす
二、三十秒立ったらもう一度湯を注ぎ、粉が常に均一に湯に浸るように湯を注ぐ。
最後にもう一度湯を注ぎ、湯が落ち切ったら完成だ。
「こんな事ができるのも調整が終わっているからだよなぁ…」
コーヒーを口に含む…口に含んだ瞬間に広がるフルーティな香り…苦味の奥に感じる確かな甘み…やはりコーヒーはいいな…リラックスができr
バン!!!!
勢いよく部長室の扉が開かれる
普通部長に部屋は与えられないのだが、調整部門は部長に流れる書類が多すぎて、部屋がないと整理できないので、部屋が用意されている。
「部長!緊急の伝達です!」
「どうした柏田。お前がそんなに慌てるのは珍しいな」
「慌てずにはいれないですよ!」
「とにかく話を聞かせろ」
柏田はいつも冷静で、バリバリ仕事するすごいやつ。
あと結構イケメンなのに多忙すぎて彼女ができない可哀想なやつ
そんな柏田が焦るってどんなことだ…?
「原初の龍が倒されました!」
「は?」
私は手の力が緩み、手に持っていたコーヒーカップを床に落とす
「何があった!あの進行度で倒せるわけがないだろ!後ルートはなんだ!討伐か撃滅か!」
「それが…懐柔ルートです!」
「懐柔ルート!?あれはほぼ無理な基準で作られたルートのはずだ!」
原初の竜が倒された!?あんなエンドコンテンツじみたモンスターを!?
しかもまだプレイヤーはヴェルビムで詰まっているはず…あそこ周辺の装備じゃ最初の咆哮で死ぬはず…
意味がわからない…しかも懐柔ルートだと?嘘だろ…懐柔ルートは条件が終わってる代わりにめちゃくちゃ報酬豪華にしたからあの段階で入手されるとだいぶまずいんだが!?不死のモンスターもまだ出してないし…
「と、とりあえず…懐柔された原初の龍と懐柔したプレイヤーはわかるか?」
「はい!懐柔された原初の龍はウェルムオームで、懐柔したプレイヤーはショウという名のプレイヤーのようです」
ウェルムオームか…ならまだセーフな部類だが…どうやって倒したんだ?
「ショウというプレイヤーにチートやグリッチ仕様の疑いは?」
「ないですしありえないです!AIがそういうの感知したら即BANするように組んでるんですから!」
「そうだよな…まぁ一旦ショウというプレイヤーの今までの行動をまとめてこい。俺は今から上層部に連絡し、原初の竜が倒されたことを伝える。」
「了解しました!早急にショウの行動をまとめてきます!」
はぁ…しばらくは家に帰れるか怪しいな…
どうも作者です。最初の方あんまり関係なかったけどこの会社の酷さが伝えられるように入れました。
でも新人への説明でこんなこと書いちゃダメじゃないって?その通りじゃ
あとコーヒーのくだり要らなくないって?それもその通りじゃ
あとプログラム・モーション部門何やってるんだろうねこれ…だって干渉する部分確認しかしてないんだし
あ、ちなみに掲示板回で話したAIに関してですが、まだ出ません
多分次の運営サイド描く時とかに出るんじゃないっすかね?




