狂ってる男
ゲームにはいろんな人がいるよね
物作りが好きな人、冒険が好きな人、殺し合いが好きな人
俺は全部好きなんだよね まぁ作るのは刀だけだけど
刀はいい…斬り方次第で首を飛ばすことができる
あとかっこいい…ロマンもある
ただ扱いがクッソむずい
刃の入れ方によっては全然斬れないし、なんならよく折れる
刀は横方向の力に弱いから最初のころはポキポキ折れた
そんなある日俺は考えた…
リアルでそういうの習えば良くね…と
俺がやってるのはフルダイブ型VRのゲーム『sacrifice savior』略してSS
フルダイブ型で昨今量産されてるMMORPGみたいなやつ
SSは基本的な動きを結構アシストしてくれたりはするけど
やっぱり本気でやり込むためには体の使い方を学ぶ必要がある
ちなみにSSは世界でめちゃくちゃ人気で、世界の総人口が100億超えたらしいんだけど、大体2人に1人がやってるらしい…怖いね
そんな人数でサーバー耐えられるの?って思ったけど流石に何個かに分けられてた
で、さっき言ったように本気でやり込むために体鍛えたり、スポーツやり始めたり武道を始めたりする人が多いらしい。
話を戻して、刀を使うために剣道と居合と抜刀術をはじめた
なんか俺は筋がいいみたいで、剣道と居合は二年しかやってないから2段で止まってるけど実力なら6段はあるらしい。
抜刀術は師範倒して終わったから一年もかかってない
そんな経験を積んだ俺は今23歳 流石に五年ぐらい経ってるから
SSだいぶ進んでそうだなーとか思ったが、五年前とほぼ変わらなかった
なんでだろうなぁ…とか思ってたらみんな鍛えてからやろうとしてるんだろうね
その結果がこの進まなさでした
あとは単純に理不尽な難易度のボスがいたりするからそのせいもあるらしい
攻略サイトに書いてあった。
で、俺はとりあえずゲーム内の道場に行ってみた
そこは全人流って言ってまぁゲーム内で刀使うなら必須って感じの道場だった
まぁ…うん、リアルで鍛えてたら10分でマスターできた
ここは本来リアルで鍛えない人のための道場だから初歩的なことしかやんないなぁとか考えてたら
その道場の師範に話しかけられた
「お前さんは筋がいい。どうだ?ここ本来の流派を習ってみないか?」
「本来の流派?なにそれ」
「習うまで教えることはできない…すまん」
「そりゃそうか…秘匿してたみたいだしな。よし、習ってみるよ」
「そうか!ならこのゲートを通ってくれ!」
急にワープゲートに通されて、その先にあったのは
道場だった。
いや道場じゃん…変わんないじゃん…とか思ったけど、周りを見て気がついた。
竹に囲まれていて知らないところだと
俺が今までいた道場は木に囲まれた感じだった。なんだっけあの木…松の木か
マップにも映ってないとこだからほんとに隠しイベントって感じ
とりあえず道場に入ってみた。そこには優しい感じのおじいちゃんがいた
おじいちゃんは俺が道場に入った瞬間、俺の首めがけて刀が振った。
そう、おじいちゃんがとんでもない速度で近づいて刀を振ったのだ
しかし俺は間一髪のところで刀を抜き、その刀を弾き飛ばした
おじいちゃんは驚いた様子で後ろに下がった
「ほほう。この一撃を受けるものが現れるとはな…」
「急になんだよおじいちゃん」
「ここの流派を学ぶ資格があるかをみたんじゃ」
「なるほどなるほど」
「本当なら反応できただけ入れるんじゃが…受けられたなら満点じゃな」
おじいちゃんは俺に近づき、袴を与えた
その袴を見ると
胴装備『神斬流の袴』
VIT:500
効果:道場にいる時に限り不死
壊れてる装備だなぁ…
ちなみに今の俺のステータスがこれ
PN:ショウ
レベル:5
職業:流浪人
HP:30
MP:5
スタミナ:40
STR(筋力):20
DEX(器用・素早さ):20
TEC(技量):10
VIT(耐久力):10(20)
LUC(幸運):10
スキル
居合斬り
袈裟斬り
装備
武器:凡庸な刀(自作)
頭:なし
胴:全人流の羽織(VIT+10)
腕:なし
足:初心者のズボン
まぁ初めてすぐ離れたからこんなもんよ
なのにあの袴は強いのよ。VITが510になっちゃうよ
隠しにしても強すぎる。SS終盤になったらこんな装備がポンポン出てくる可能性もあるのやばい
まぁとりあえずきておじいちゃんと会話してみた
「似合っておるぞショウよ」
「いつの間に名前を!?」
「異邦人は頭の上に名前が出とるじゃないか」
「そうだった…」
「さて、この流派について話そう…だいぶ長くなるぞ」
「覚悟はできてるから大丈夫です」
「そうか!では話していこう。まずわしの曾祖父さんまで遡る…」
おじいちゃんが語る。
まずおじいちゃんの曾祖父さんの妻が神に攫われたらしい。
で、曾祖父さんがブチギレて元々使ってた刀で神を斬る技を作ってたんだと
その結果がこの神斬流だそうで…
結果的には曾祖父さんは妻を取り返せたんだけど、
神を殺したっていうのはだいぶまずいことで
曾祖父さんは地図にもない孤島に幽閉されてしまった
それでも流派を切らすわけにはいかないって感じで子供作った
で、曾祖父さんの息子の代で次元を斬れる技を開発して
孤島から出れて、なんやかんやあって今に至ると
「孤島から出れたならここじゃなくてよくない?」
「それがそうもいかんくてのぅ…60になると強制的にこの島に来させられるんじゃ」
「なるほどねぇ」
「さて、話は終わりじゃ。稽古を始めるぞ」
「わかりました!なんと呼べば良いでしょう」
「師匠とか好きによべ」
「わかりました師匠!」
稽古が始まった
でもすぐ神斬流を教えてくれるわけじゃなくて、素振りとかから始めるらしい
毎日素振り1万回+基本的な打ち合いを10日間続けた
その結果、称号を手に入れた。
称号『神斬流見習い』
・神斬流を習い始めた証。
そのことを師匠に伝えたら
「もうその称号を取ったのか!筋がいいな!」
と褒められた。ちなみにSSではNPCでも称号を取れるらしい
その次の日に師匠に呼ばれた
「見習いの称号を取ったお前には今日から技を教えていく。」
「本当ですか!」
「技を教えていく過程でレベルも上がるらしい。実際わしのレベルは90じゃ」
「たっか…」
このゲームは全然レベルが上がらないことでも有名で、1レベから2レベになるのにイノシシをおおよそ1000体倒さなきゃ行けないとかいうクソゲー具合。
正直普通のゲームならやめるんだけど、このゲームあんまりレベルが重要じゃ無いというか…装備品やスキルでどうにでもなるんだよね!だから推奨レベルが高くても攻略できる時もあるらしい。でもレベル上げた方が強いからねぇ…俺がやってた時はパーティ組んでファームとかよくあったなぁ
めちゃくちゃ話が脱線したけど師匠のレベルがすごい高いことがわかったところで
師匠は技を教え始めた
「最初に教える技は烈火系列 炎を自在に操る技じゃ」
「炎…道場燃えないですか?」
「安心せい!この道場はそんなやわじゃない。さて、まず全ての系列には始式から終式がある」
師匠が言うにはまず神斬流には五つの系列がある
炎を操る烈火 水を操る絶海 風を操る突風 雷を操る豪雷 そして空間と闇を操る虚無
この五つを使い分けることによって神を斬る。それが神斬流
で、技には始式 二式 三式 終式がある
始式は始式のみでも使えるが他の式と併用することによって色々な形に変わる
二式三式は、使いやすい方の技があったりする
終式は、詠唱を挟むことで真力(俺らで言うMP)を使い、とんでもない威力の技を出す
その中でも虚無の終式は使うと使用者すらも滅ぼしかねない技
だから使うなよ…と。
なんだか難しいなぁ
「理解できていないようだな」
「あっすいません」
「いい、わしだって最初は理解できんかった」
師匠の親は教えるのが壊滅的に下手だったらしく、師匠は先祖が残した文書を読んで学んだらしい
ちなみにその文書は全人流のところに置いてあるらしいけど、異邦人には解読できないらしい
そんなに難しいのかぁ…とか考えてたら師匠が訓練用人形に刀を構えた
「では、行くぞ…『烈火始式 蓮火』」
師匠が人形に始式を放った瞬間、人形の右腕に蓮の花のような炎が現れた
「蓮火は相手を斬り、斬った場所に炎でできた蓮の花を作り出す技じゃ。殺傷能力はないに近い」
「なるほど…」
そんな修行をして二年がたった
俺はいまだに稽古を続けている。ただ今だに技を習っているわけではない。
習える技は全て覚えた。問題は師匠に勝たなきゃいけないことだ。
師匠に勝てば神斬流皆伝らしいが、全然勝てない。師匠は技の練度が違いすぎて技の速度がすごいことになってる
俺が0.5秒で出す技を師匠は0.1秒で出すからね?勝てるわけないやん
「今回も負けました…」
「そんなに簡単に勝たれたらわしの面目丸潰れじゃ…」
「そりゃそうですね」
師匠は倒れた俺を起こし、とある提案をした
「そろそろ外の世界に戻ってはどうじゃ?」
「確かにいいかげん道場とか見飽きましたけどね…」
「あと教えることは…刀作りぐらいかのぅ」
師匠は「ついてこい」といい歩き始めた。目的地は鍛冶場らしい
「刀ぐらいなら俺にも作れますよ?」
「最初来た時のあの刀か?あんなもん模造刀と同じようなもんじゃろ」
「あれでも当時の俺の最高傑作なんですよ?」
「あの程度が最高傑作とは笑えるのう」
そりゃ師匠の刀に比べたら模造刀レベルだろうけどさ…
着くまでそんな話をしていると、鍛冶場に着いた
鍛冶場は壁がレンガで作られていて、煙突もついている
そんな見た目に何か既視感を感じた
「…パン工場?」
「何か言ったか?」
「いえなにも」
師匠は鍛冶場に入り刀を打つ準備を始めた
「異邦人が基本使うのは『即完鍛治』と言うもの。これは数秒で終わる代わりに出来が疎かなることが多い」
師匠が解説してくれた
俺らが基本使う『即完鍛治』は早さこそいいが、出来がひどくなることが多いらしい。
出来がひどいと言っても俺らからしたらいい出来なんだけどなぁ
で、師匠や熟練の鍛治氏が使う技が『真完鍛治』と言うらしい
これは早さを捨て、出来を優先するというこの世界で使うものがほぼ居ない作り方だそうで
師匠の知り合いにもこの作り方をする人は1人しか居ないらしい
簡単に書いた作り方レクチャー
1:まずいい玉鋼を探します
2:いい玉鋼を熱して柔らかくします
3:柔らかくなった玉鋼を打ち伸ばし、大体の刀の長さにします
4:伸ばした玉鋼を折り返し不純物を除きます
5:ここで現実とは変わり、剛核というものを混ぜます
6:金槌で鎬などの形を作る
7:焼入れをし、刀の反りを出す
8:柄を作り、鍔と一緒に刀を嵌めたら完成
いや長いわ
ゲームでやるレベルじゃない本格さじゃん
そりゃこんなやり方やるよか出来悪くても早さ選ぶわ
こんなんやってらんないよ
「ずいぶん面倒ですね…」
「じゃがこっちの方が刀はより強固に、より良くなる」
師匠から刀を渡された。その刀を見る
刀:『』
攻撃力:400
あ、ちなみに言い忘れていたがこのゲームのダメージ計算はSTRx10+武器の攻撃力だ
この武器はどんな初心者でも400ダメージは出ると言うこと
ちなみに俺が使ってた刀は
刀:凡庸な刀
攻撃力:50
とかこんなもん
まぁ素材もこっちのほうが数十倍いいけど、やっぱり『真完鍛治』のほうが出来がいい
そもそもの見た目から違う…俺が作った刀はよくある刀といった感じなんだけど、
この刀は色が青緑で、刃紋も綺麗に出ている。
「ところで師匠、この刀名前がないんですが」
「名前は無い…と言うより刀に聞かなければ名前はつかない」
「刀に聞く?」
師匠は自分が使っている刀を見せ、話し始めた
「刀を打ってる途中で剛核と言うものを入れただろ?あれは刀に魂を込めるために入れたものだ。」
刀に魂が入ると刀に綺麗な刃紋が出るのと、単純に切れ味が上がったり特殊効果がつくらしい
「なるほど…でも俺の元持ってた刀がにも刃紋ありましたよ?」
「そりゃそうだ素材には少なからず魂が入ってるんじゃから」
「そうなんだ…」
「さて、本題に戻そう。その刀から名前を聞き出せたら、その刀をお前にやる」
「本当ですか!?がんばります師匠!」
その日から俺は刀から名を聞くためにいろいろなことをした
例えば話しかけてみるとか
「刀さん!あなたの名前を教えてください!」
「…………」
「くっだめか!」
あとは…鞘に入った刀を抱いて一緒に寝たりとか一緒に散歩したりしたんだ
でも教えてくれなかった。でもある日称号を手に入れたんだ
称号:『刀に見初められし者』
刀に見初められた者の証
そう刀に見初められたらしいんだ
でも一向に名前を聞けない…どうしたらいいんだ
で、行き詰まった俺は攻略サイトを開いた
でもやっぱり情報はなくて、諦めてスキル一覧とかを見始めた
スキル一覧を見て引っかかるスキルがあった
そのスキルの名は【対話】
このスキルは動物たちと話すことができるスキルで、
正直とるやつはほぼいないようなスキルだったが
一か八かとる事にした
取り方は動物に話しかければいいらしい
てことでなぜか道場の付近にいるうさぎに話しかけてみた
「うさぎさんうさぎさん!お話ししようよ!」
なんて話しかけること10分。ついにウサギの声が聞こえた
「キッショい猫撫で声で喋りかけんじゃねぇよ!」
「おぉうドスが効いてる」
「で、なんのようだ」
「いや対話スキルが欲しかっただけ」
「なんやねんお前!大体な…」
うさぎにはドチャクソキレられたけど、これで刀と対話できるはず!
て事で刀に話しかけてみた
「刀さん!名前を教えてください!」
「…………」
「刀さん!」
「あーもううるさいわよ!なんなのよ!」
「あなたの名前が知りたいんです!」
「刀さんって言われるのも嫌だし…いいわ!私の名前は碧蘭よ!」
苦節大体2時間!刀さんの名前聞き出しに成功!
「師匠!刀から名前を聞けました!」
「ほう…随分とかかったな」
「まさか対話スキルが必要とは思いませんでした!」
「対話スキル…?ただ話しかけるだけで聞けるんじゃがのぅ」
「えっ」
師匠が言うには真剣に刀に話しかけるだけで名前が聞けるらしい
うさぎに話しかけた意味なかった…
「まぁ良い。その刀は今からお前の相棒じゃ」
「やった!よろしくね碧蘭!」
「ま、まぁよろしく」
「その刀、だいぶ恥ずかしがっておるな…相当気に入られたようじゃな」
「えっこれが?」
えっこれが?
どうも作者です
こういうVR系あんまり描かないので上手く書けてるかは分かりませんがこれからも楽しんでくれると助かります。
作者の自己満解説コーナー
今回初回ですがやっていこうかと思います
今回は『即完鍛治』と『真完鍛治』の違いです
作中でも解説したんですが、作る速度がめちゃくちゃ違います
即完の方は街にある鍛冶場の金床に素材を置いてハンマーで三回叩くだけでできます
速さはピカイチですが、出来が悪くなりがちです。
真完の方は下手すれば2〜3時間飛びますが、平凡な鉄ですら即完の方より5倍ほど強くなります
えっそれ即完の武器量産すればええやんと思うでしょ?思わないかも知れないけど
耐久値も5倍ほどになってるから全然壊れないのよ
まぁただ時間かかりすぎだからNPCはやらないし、異邦人でやり方知ってるのは主人公だけです。




