⭕ 新生活の1歩 3
≪ 村 ≫へ通じる地下の隠し通路を歩き続けていると、橋に差し掛かる。
中間地点となる目印にもなっている。
橋の下には地下水が流れており、透き通った綺麗な水だと分かる。
マオ
「 わぁ~!
綺麗な水だな~~。
魚が泳いでるよ! 」
セロフィート
「 ふふふ…。
美味しそうです? 」
マオ
「 そんな目で見てないからな! 」
レスタ・グインノルチ
「 はははっ。
向こうには地底湖が在るんだ。
釣りが出来るぞ。
魚が食べたい時は地底湖で魚を獲れば良い 」
マオ
「 えっ、良いの?
うわぁ…………楽しみかも…… 」
セロフィート
「 マオ、決して遊びで魚釣りをしてはいけません。
マオに釣られる為に地底湖で泳いでいません。
悪戯に釣りを楽しまない様に── 」
マオ
「 分かってるよ…… 」
セロフィート
「 宜しい。
ルアーで口を引っ張らなくて良さそうです 」
マオ
「 痛いから止めてくれよな! 」
レスタ・グインノルチ
「 セロフィートは手厳しいな。
今後は私も魚釣りを控える様にしよう 」
セロフィート
「 ふふふ…。
ワタシ達は命懸けで漁を営む漁師さんでは無いです。
不要な殺生は好みません 」
マオ
「( 良く言うよ。
不要な殺生を1番してるのはセロなのにな~~ )」
セロフィート
「 マオ、どうしました。
何か言いたそうですね? 」
マオ
「 え゛っ?!
うぅん………………≪ 村 ≫って他にも在るかな──って思ったり??
モンスターが出没する物騒な森の中に≪ 村 ≫が1つだけってのもさ── 」
セロフィート
「 此処の森は随分と広大ですし、探せば他にも在るかも知れませんね。
レスタさん、どうでしょう? 」
レスタ・グインノルチ
「 うん?
そうだな──、歩きながら話そう 」
橋で一休みをした後、レスタ・グインノルチと共にマオとセロフィートも橋を渡りきり、隠し通路を歩き始める。
レスタ・グインノルチ
「 確かにこの森は広大だ。
森に生えている木々は全てが巨大で多い。
当然だが他にも≪ 村 ≫は在るし、冒険者が所属する幾つもの “ ギルド ” に衛られているな。
森の外に在る≪ 町 ≫へ行くには、森の中に在る≪ 村 ≫を経由して向かうしかないからな 」
マオ
「 森には終わりがあって、外には≪ 町 ≫が在るの?? 」
レスタ・グインノルチ
「 そうだな。
他の≪ 村 ≫へ向かうには片道3ヵ月 ~ 半月は掛かるんだ。
森の中だから、馬車は使えず、徒歩で進む事になり、モンスターを倒しながらの移動だ。
何事も無く順調に進めば3ヵ月程だが、大抵イレギュラーな事が起こり、到着が遅れるのは御約束だな 」
マオ
「 そうなんだ……。
3ヵ月も歩くんだ…… 」
レスタ・グインノルチ
「 森から出ても直ぐに≪ 町 ≫へ着ける訳ではないんだ。
1ヵ月程、日照りに耐えながら干魃地帯を抜けると更に1ヵ月を掛けて荒野を抜ける必要が有る。
荒野を抜けた後は2週間を掛けて山岳地帯を抜け、漸く1つ目の≪ 町 ≫に到着するんだ 」
マオ
「 ちょ…超絶ハードな旅になるんだね……。
2ヵ月と2週間の長旅かぁ~~。
想像しただけでもしんどい…… 」
セロフィート
「 多目に見て9ヵ月でしょうね。
どの様な不慮の事態に遭うか分かりませんし。
≪ 町 ≫に着けず、途中で命を落とし全滅してしまう場合も有りますし 」
マオ
「 森から出る為に他所の≪ 村 ≫を向かうだけでもハードなのに──、幾つもの≪ 村 ≫を経由して…………、やっとの思いで森を出ても更にハードな旅が待ってるなんて……。
( 転移魔法を生み出した偉人ってマジで神レベルだよな!!
偉大過ぎて尊敬するよ…… )」
セロフィート
「 レスタさん、≪ ローダルドタ大陸 ≫には転移魔法は存在しません? 」
レスタ・グインノルチ
「 転移魔法だと?
それは遥か昔に忘れ去られた高度な魔法だ。
優秀で優れた魔法士,魔導士,魔術士ですら転移魔法を扱える者は居ない筈だ 」
マオ
「 えと──、じゃあさ、転移魔法より簡単な転送魔法も?? 」
レスタ・グインノルチ
「 転送魔法?
それも転移魔法と同様で遥か昔に忘れ去られた魔法の筈だが…… 」
マオ
「 ひぃえぇ~~~~。
じゃあ、本当に徒歩で移動するしかないんだぁ!! 」
マオは両手で頭を抱えて真っ青な顔をしながら叫ぶ。
かなりショックを受けてしまった様だ。
セロフィート
「 古代人であるレスタさんでも使えません? 」
レスタ・グインノルチ
「 あぁ……。
大抵の魔法は使えるが、転送魔法や転移魔法といった高度な魔法は使えないな… 」
セロフィート
「 そうですか。
≪ 村 ≫ ─→ ≪ 村 ≫へ移動する際に利用する道を舗装した方が良さそうです 」
マオ
「 地面に煉瓦でも埋め込むのか? 」
セロフィート
「 モンスター除け,魔獣除けの効果の有る煉瓦を使い、道を舗装すれば安心,安全に森の中を移動する事が可能になります。
道中の犠牲者も減少しますし、馬車を走らせる事が出来れば3ヵ月以内に他所の≪ 村 ≫へ到着する事も可能となります 」
マオ
「 それは物凄く良い案だと思うけど、勝手には出来ないだろ?
村長さんに話を通さないとさ── 」
セロフィート
「 レスタさん、村長さんと面会する事は出来ます? 」
レスタ・グインノルチ
「 可能だが──。
今の話を聞いたら村長も村人達も泣いて喜ぶだろうな。
然し、可能なのか? 」
セロフィート
「 問題無いです。
ワタシが道の舗装作業をする訳では無いですし 」
レスタ・グインノルチ
「 そうなのか? 」
セロフィート
「 はい♪
古代兵器に作業させます 」
レスタ・グインノルチ
「 は?
古代兵器だと?? 」
マオ
「 セロぉ!?
急に何を言い出すんだよ! 」
セロフィート
「 正確には古代兵器の姿に似せた自動人形です 」
マオ
「 自動人形ぉ?? 」
セロフィート
「 原動力は〈 テフ 〉ですから作業中
年
モンスター,魔獣に作業を邪魔されない様
マオ
「 だからって≪ 天上界 ≫で暮らしてた天使族が戦争の為に悪用してた古代兵器に土木作業をさせるなんて── 」
セロフィート
「 あくまでも古代兵器に似
自然破壊する能力
マオ
「 本
信じても良
セロフィート
「 勿論です。
マオだけのセロフィートを信じてください 」
マオ
「 ………………………………(////)
その言い方
セロフィート
「 はいはい♪ 」
レスタ・グインノルチ
「 セロフィートは何
本
セロフィート
「 ワタシはか
レスタ・グインノルチ
「 か弱い吟遊詩人?? 」
マオ
「 吟遊詩人は唯
吟遊詩人って貧弱で戦えない役立たずなイメージが強いし、相手を油断させるのに都合の良
セロの本職は──超越の
だよな、セロ! 」
セロフィート
「 はいはい。
マオの言う通
ワタシが魔法士
レスタ・グインノルチ
「 どうやら訳ありの様
分かった。
セロフィートが魔法
セロフィート
「 お心
助かります 」
レスタ・グインノルチ
「 構わないさ。
──そろそろ墓地に着くぞ。
この先に階段が在るんだ。
階段を上
墓地は≪ 村 ≫の外
隠し通路の出
周囲を気にする必要も無いぞ 」
マオ
「 認
モンスターの出現や遭遇率を上
レスタ・グインノルチ
「 古代人
この事は此
マオ
「 秘密にするって事だね 」
セロフィート
「 ふふふ…。
ワタシ達は今から共犯者ですね♪ 」
マオ
「 言い方
レスタ・グインノルチ
「 ははは(////)
共犯者か──。
ならば共犯者同士、仲良くするとしよう 」
セロフィート
「 ふふふ…(////)
楽しい毎日を送れそうです♪ 」
マオ
「( こ…この2人、気が合いそうで何
にこやかに笑い合うセロフィートとレスタ・グインノルチの様子を見ながら、今
セロフィートだけではなく、レスタ・グインノルチにも振り回されるんじゃないかと思わずにはいられないマオだった。
レスタ・グインノルチ
「 此
明かりは灯
レスタ・グインノルチは慣れているのだろう、軽快に石
マオは左手をセロフィートから握られた状態で階段を上がる。
マオは自分の歩
◎ 訂正しました。
こ
何
多目に見て3ヵ月 ~ 5ヵ月でしょうね。─→ 多目に見て9ヵ月でしょうね。
「 ワタシは弱い吟遊詩人です♪ 」─→ 「 ワタシはか