⭕ 続・村への帰還 2
レスタ・グインノルチ
「 ──何っ!?
それは本当なのか!? 」
セロフィート
「 レスタさん、声が大きいです。
{ 事が事ですし、内密に御願いします }」
レスタ・グインノルチ
「{ す…すまない……。
然し…………それが事実なら── }」
セロフィート
「{ 隠密行動,情報収集に長けたキノコンの調査結果です。
信頼の出来る確かな情報です。
連れ去られた行方知れずの冒険者達の討伐班に敵のスパイが潜入し、巧妙に冒険者達を誘導していた可能性は高いです }」
レスタ・グインノルチ
「{ そうなのか?
私の討伐班は大丈夫だったが── }」
セロフィート
「{ 全ての討伐班が対象では無いと思いますよ。
レスタさんの討伐班の様に無事な討伐班は他にも在る筈です。
残念ながらワタシの討伐班は対象でしたけど── }」
レスタ・グインノルチ
「{ セロが1人で森の中を歩いていた理由がそれなんだな }」
セロフィート
「{ スパイは冒険者達を連れ去る際に、転移を使ってました。
魔法とは異なる様です。
優れた魔具を使ったのかも知れませんね。
逃げられてしまったのは残念でなりません }」
レスタ・グインノルチ
「{ 逃げられた──。
游がせる為に態と逃がした訳では無いのか? }」
セロフィート
「{ あぁ、その手が有りましたね。
ふふふ…うっかりしてました♪ }」
レスタ・グインノルチ
「( …………本当に“ うっかり ” なんだろうか? )
{ マオの討伐班も対象外だと良いのだが…… }」
セロフィート
「{ マオなら大丈夫です。
仮に襲われたとしても、マオなら返り討ちにするでしょう }」
レスタ・グインノルチ
「{ それもそうか──。
マオの剣術の腕は、確かだからな。
然し、このまま放っておく訳にはいかない。
どうにかしないと── }」
セロフィート
「{ その心配は無用です。
全ての後始末はキノコンに任せてます。
ワタシ達が特別何かする必要は無いです }」
レスタ・グインノルチ
「{ キノコン達が後始末をするのか?! }」
セロフィート
「{ ワタシのキノコンは優れてますから、安心して任せれます。
ワタシ達が≪ 村 ≫に到着する頃には殆んどの事は解決しているでしょう。
今回のとんでもない事件を起こした犯人達も捕らえている筈です }」
レスタ・グインノルチ
「{ そ…そうなのか?
既に解決しているなら一安心だが…… }」
レスタ・グインノルチはセロフィートから話を聞くが半信半疑だった。
セロフィートの討伐班で何が起きたのか真相も聞いたが、当のセロフィートは平然としている。
その為、レスタ・グインノルチもそれ以上は深く詮索──詳しく聞こうとはしなかった。
セロフィート
「 レスタさん、≪ 村 ≫が見えて来ました。
キノコン達が帰還して来る討伐班を出迎えてくれてます 」
レスタ・グインノルチ
「 その様だな。
中々手厚い出迎えだ 」
≪ 村 ≫の前では冒険者達の代わりにキノコンの分身体達が警備を担当していた。
続々と魔獣討伐から帰還した討伐班が、≪ 村 ≫を目指して集まって来る。
キノコン達は帰還して来た討伐班にタスキを差し出している。
どうやら受け取ったタスキを掛け、身元確認の済んだ討伐班からでないと≪ 村 ≫へ入る事が出来ないらしい。
レスタ・グインノルチの討伐班は他の討伐班と同様、並びながら順番が来るのを待つ。
笑顔で出迎えてくれる可愛いキノコンに癒されつつ、手渡されたタスキを掛けて身元確認の順番が回って来るのを待った。
1体のキノコンが創造主であるセロフィートの姿を見付けると、他の分身体達に素早く伝達される。
警備をしている全てのキノコンがセロフィートに向かって、ビシッと敬礼を決めて出迎えた。
キノコン:本体
「 お帰りなさいませ、セロフィート様!
魔獣討伐、お疲れ様でしたエリ。
今回、とんでもねぇ事件を起こしやがりました張本人と共犯者を捕らえていますエリ! 」
セロフィート
「 流石です、良くやりました。
レスタさん、折角ですし犯人達を拝見するとしましょう 」
キノコン:本体
「 ご案内致しますエリ。
犯人達は特殊な檻に入れていますエリ★ 」
レスタ・グインノルチ
「 特殊な檻??
魔獣討伐に出た冒険者達を連れ去り、≪ 村 ≫を襲わせた犯人達が檻の中に居るのか? 」
キノコン:本体
「 はいですエリ。
≪ 帝都 ≫で捕獲し、≪ 村 ≫へ連行して来ましたエリ。
現在は《 噴水広場 》にて “ 犯罪者一派 ” と称し、一般公開中ですエリ。
犯罪者一派への “ 御褒美 ” として、手頃で投げ易い石,柄杓と糞を此方にて御用意していますエリ。
時間の許す限り気の済む迄、好きなだけ投げ付けてあげてくださいませエリ★ 」
レスタ・グインノルチ
「 ………………とても御褒美……とは思えないのだが…………。
抑、見世物にして大丈夫なのか?? 」
セロフィート
「 摘まみ喰いせず、生かしているとは気が利きます。
“ 待て ” が出来て偉いですよ 」
キノコン:本体
「 恐悦至極ですエリ♥♥♥
有り難い御言葉、痛み入りますエリぃ~~(////)」
キノコンは全身をプルプルと震わせながら、左右のつぶらな瞳に涙を浮かべて感極まっている。
今にも喜びの舞を踊りながら、胞子を撒き散らしそうな雰囲気で、人間にとっては非常に危険な状態である。
セロフィート
「 結界を張るとしましょう。
≪ 村 ≫の警備は切り上げなさい。
お前達への御褒美を用意しました。
新鮮な臓物ですよ。
皆で分けて喰べなさい 」
キノコン:本体
「 セロフィート様ぁ~~♥
有り難う御座いますエリぃ~~♥♥♥
早速、頂きますエリ♥♥♥ 」
キノコンはセロフィートから受け取った魔法の袋を近くに居た分身体へ手渡す。
キノコン達は警備を中断させると、嬉しそうに≪ 村 ≫の中へ去って行った。
≪ 村 ≫を包み込む巨大な結界を張ったセロフィートと、何故か不安そうな面持ちのレスタ・グインノルチは、キノコンに案内されて≪ 村 ≫の中へ入った。




