⭕ 魔獣と遭遇 3
──*──*──*── 森の中
《 キャンプ地 》を離れて森の中を歩いていると、灰色っぽい煙の様な霧が出て来た。
霧が出て来たのは今回が初めてだ。
ヤバい雰囲気──。
オレは腰に提げている剣の柄を手で触れたまま慎重に歩く。
自分の気配を殺し、極限まで神経を研ぎ澄まし、気配を読む。
頭の上で鎮座しているム◯クも神経を研ぎ澄ましてくれてるみたいだ。
マオ
「( 嫌な予感がビリビリするな……。
迷わず≪ 村 ≫まで着けたら良いけど── )」
──*──*──*── 何処か
今、森の何の辺りに自分が居るのか分からない状況だ。
何処から発生しているのか分からないけど、灰色の霧をどうにかしたい。
発生地を突き止めれたら良いんだけどな──。
マオ
「( 音が聞こえる!!
複数人が “ 何か ” と交戦してるな── )」
気配からして動物やモンスターじゃない。
灰色の霧で周りが見え難いから慎重に進む。
近付くに連れて、剣がぶつかる音や人の声が鮮明に聞こえて来る。
マオ
「{ ム◯ク、頭の上は危ないから、ポーチの中に入ってくれるか? }」
ム◯クに小声で話し掛けると、ム◯クは言う通りにポーチの中へ入ってくれる。
音を頼りに前へ進むと、魔獣討伐専用の制服を着ている冒険者達が巨大な “ 何か ” と戦闘していた。
マオ
「( あれが魔獣かよ?
何てデカいんだ──。
苦戦してるみたいだな。
助太刀しよう! )」
オレは気配を殺したまま、冒険者達と戦っている魔獣に近付く。
セロがオレの為に用意してくれた愛剣を振り、魔獣の首を斬り付ける。
安定の切れ味抜群さで、魔獣の首を落とす事が出来た。
地面に倒れた魔獣は起き上がらない。
動物やモンスターと同様、首を落とせば死ぬらしい。
マオ
「 よし、これならイケるな! 」
苦戦を強いられている冒険者達の代わりに、オレは次々に魔獣へ挑み、首を斬り落とす。
気配殺し様々だな!
マオ
「 ──コイツで終わりだ! 」
最後の1体の首を斬り落とし、気配殺しを解いて地上に着地する。
どうやら魔獣の血は緑色みたいだ。
気持ち悪いな……。
マオ
「 ふぅ……。
結構、良い運動になったな。
──大丈夫ですか?
怪我人は居ませんか? 」
班員:男
「 何処の討伐班の者かは知らないが助かった──。
礼を言おう 」
マオ
「 オレは第8班員のマオ・ユーグナルです。
魔獣討伐は今回が初めてです。
灰色の霧が出て来た所為で迷ってしまったみたいで── 」
班員:男
「 そうか──。
まぁ、この霧では仕方無いな。
はぐれるなんて事は良く起こるから気にする事は無いぞ。
我々は第3班員だ。
私はサジタリと言う 」
マオ
「 第3班ですか?
≪ 村 ≫を目指して歩いていたのに随分と離れちゃったんだな…… 」
サジタリ:第3班員
「 ≪ 村 ≫に戻る?
何か不測の事態でも起きたのか? 」
マオ
「 そんな所です 」
サジタリ:第3班員
「 皆、1ヵ所に集まれ!
怪我人は速やかに怪我の手当てを受けるんだ。
元気な者は周囲を警戒しつつ、怪我人の手当てに当たってくれ。
──マオ君、君の話を聞かせてくれないか。
我々も≪ 村 ≫を目指している途中でね── 」
マオ
「 その道中に魔獣と遭遇したと── 」
サジタリ:第3班員
「 灰色の霧は魔獣が出現する合図の様なモノなんだ。
灰色の霧が出て来たら周囲を警戒しつつ戦闘に備えるのさ。
地図は持っているのか? 」
マオ
「 いえ……。
自分の担当区域の地図しか持ってなくて…… 」
サジタリ:第3班員
「 そうか、地図も無しに此処迄1人で来るとは大したもんだ。
マオ君の──第8班の担当区域は此処いら一帯だ。
我々の第3班の担当区域は此処になる。
今は此処に居る。
我々が目指している≪ 村 ≫は──此処だな 」
マオ
「 迷いながらも≪ 村 ≫へは向かえてたんだ。
良かった…… 」
サジタリ:第3班員
「 この地図はマオ君に渡しておこう。
地図が有れば多少はマシだろう 」
マオ
「 有り難う御座います(////)
助かります 」
オレは自分の経緯を話して聞かせる。
オレ以外の班員が居なくなってしまい、誰にも会えぬまま1ヵ月も経とうとしている事だ。
サジタリ:第3班員
「 そうか──。
マオ君以外の全員が行方知れずの状態か 」
マオ
「 驚かないの?
もしかして、去年の魔獣討伐でも同じ様な事が起きてたり?? 」
サジタリ:第3班員
「 いや、去年の魔獣討伐では今回の様な報告は上がって来なかった。
驚かないのは我々も似た様な状況だからな 」
マオ
「 第3班でも行方不明者が出てる事ってですか? 」
サジタリ:第3班員
「 《 キャンプ地 》を作った後、探索に向かった訳だが──、戻って来ると作った筈の《 キャンプ地 》が忽然と消えていてな── 」
マオ
「 えぇぇぇぇぇぇ?!
《 キャンプ地 》が消えたぁぁぁぁぁ??
そんな事が森の中で起きるの? 」
サジタリ:第3班員
「 実際に起きてしまったからな……。
殆んどの荷物は《 キャンプ地 》に置いたままだったから、致し方無く僅かな荷物を持ち≪ 村 ≫へ戻る事にしたんだ。
その途中に灰色の霧が出て、無事だった仲間ともはぐれてしまったな──。
今は7名で≪ 村 ≫を目指しているんだ 」
マオ
「 灰色の霧の中ではぐれた仲間が心配だね 」
サジタリ:第3班員
「 地図は持っているから何とかなるだろう。
何度も魔獣討伐を経験しているプロだからな 」
マオ
「 じゃあ、サジタリさんの班員は誰も行方不明には未だなってないんだ? 」
サジタリ:第3班員
「 いや、《 キャンプ地 》に残っていた班員の6名が姿を消したままだ。
周囲を探索したが見当たらなくてな…… 」
怪我人の手当てを済ませた後、休憩を取ってから出発する事になった。
魔獣を倒した事で灰色の霧も晴れ、歩き易くなったのは言うまでもない。
因みに、休憩している間にム◯クの紹介をしといた。
モンスターのム◯クを受け入れてもらえるか不安だったけど、心配は杞憂に終わった。
第3班員の人達が優しい人達で安心した。
◎ 訂正しました。
何処の班の者 ─→ 何処の討伐班の者
大したもんだ。─→ 大したもんだ。
経とうとしている事だ 」─→ 経とうとしている事だ。




