セロフィート
「( さてと──。
初めての魔獣討伐だけど、面白くなって来たんじゃないかな?
ボクのマオはどうしてるだろうね?
魔獣討伐を満喫してるかな?
未だ2日目だし、魔獣とは遭遇してないかな? )」
セロフィートはテントの中で休んでいる負傷者達の手当てと治療を続けながら、別の班で行動しているマオの事を考える。
セロフィート
「( ≪ ローダルドタ大陸 ≫では、動物が突然変異をしてモンスターにはならない──か。
モンスターが突然変異をして魔獣になる訳でも無い。
モンスターと魔獣は別物──。
レスタから聞いた話とは違うなぁ。
レスタが嘘を吐いてない事は明らかだし──。
どうやら今回はボクが態々事を起こさなくても誰かが “ 何か ” を起こしてくれそうかな?
≪ ローダルドタ大陸 ≫では〈 皇 〉の存在は感じない。
長期出張中で、未だ産まれてないのかな?
〈 時空の亀裂 〉の存在も感じないし、≪ ローダルドタ大陸 ≫の防衛本能は未だ低い様だね。
森の調査ならキノコンが適任だし、させてみようかな )」
セロフィートは古代魔法を使い、キノコンへ念話を送り、森の調査をする様に指示を出す。
キノコンは元人間であるものの、モンスターに分類される種族である。
2名の人間をキノコンに変えたのは誰でもないセロフィート自身だ。
モンスターであるキノコンは、動物,モンスターとの対話が可能だ。
森で棲せい息そくしている動物,モンスターから話はなしを聞き出し、情報収集するのは御手の物ものである。
樹じゅ木もくや植物にも精せい通つうしている事もあり、現在の森の状態や森で起こっている不可解な異変等などに関しても信頼の出来る情報を上あげてくれる事だろう。
──*──*──*── キノコンSide
キノコン怪物モンスターは1体だけで、≪ 大陸 ≫を死の大地にしてしまえる程ほどの脅きょう威い的てきな能力ちからを秘ひめている。
これは歴代人セロ形フィート達の実験体の集しゅう大たい成せいとも言える最高傑作である。
セロフィートによる研究と実験によって改良されまくった現在のキノコン怪物モンスターは、1体で1000体まで分身体たいを出す事が可能となっている。
分身体たいの能力ちからは1000分の1となるものの改良の末すえ、余裕で一いっ国こくを滅ぼすくらいは容よう易いである。
仮に森の中で魔獣と遭遇し、戦闘する事になったとしても、敗北する様ような事はない。
森の中に転移陣が出現し、見た目は可愛い癒し系のキノコン怪物モンスターが1体、転移される。
転移されたキノコン怪物モンスターは、体からだをリズミカルに上じょう下げへ動かし、ピストン運動を繰り返す。
笠かさから出る大量の胞子を森の中に撒まき散らしながら、分身体たいを増やしていく。
1000体の分身体たいは、各おの々おのの意思意志で四し方ほう八はっ方ぽうへ散らばり、森の調査を開始した。
キノ本コン体は笠かさから机,紙,ペンを取り出すと、分身体たいから受けた報告を文章化する準備をち整えた。
1000体もの分身体たいからの報告を的確に纏め、文章化する事はキノ本コン体には造ぞう作さもない事である。
何なにせ、1000体の分身体たいは全すべて “ 自分自身 ” だからである。
本体から一時的に分裂した分身体たいには個別の人格が有り、性格,個性,癖,仕草等なども様さま々ざまで有るが、元もとである本体が主導権を握っておろり、分身体たいにとって本体とは絶対的な存在である。
ややこしい事この上うえ無い生態では有るが、心こころ強づよくも頼もしい存在なのは間違いない。
キノコン怪物モンスターが収集した情報は全すべて、キノコン怪物モンスターの創造主ゴディオールであるセロフィートに送られる。
セロフィートはキノコン怪物モンスターが収集した情報を参考にし、人知れず暗あん躍やくし、秘ひそかに楽しむ事になるのだが──、それはま・た・別の話はなしである。
◎ 訂正しました。
2名めいの人間をキノコンモンスター ─→ 2名めいの人間をキノコン怪物モンスター
歴代人セロ形フィート達 ─→ 歴代人セロ形フィート達
敗北する様よううな事はない。─→ 敗北する様ような事はない。