⭕ 続・魔獣討伐 4
日が完全に暮れる前に班員達が《 キャンプ地 》へ戻って来たが、誰もが傷だらけの状態で命辛々といった様子だった。
ボルロレ
「 おぃおぃおぃおぃおいぃ゛~~~~!!
一体何が有ったって言うんだよぉ!?
瀕死の状態の奴まで居るじゃねぇか!! 」
セロフィート
「 直ぐ手当てを始めましょう。
回復魔法を使える班員は無事ですか? 」
ボルロレ
「 いや──、駄目だな。
回復魔法を使える奴も大怪我してるみたいだ。
回復役は頼めそうに無い…… 」
セロフィート
「 回復薬を使うしかないですか。
( 丁度良いね。
持参した回復薬の効果を試せる絶好の機会到来だねぇ♪ )
ボルロレさん、怪我人にこの回復薬を飲ませてください 」
セロフィートは魔法の袋の中に入っている持参した回復薬を取り出す。
試験管の中に入っている液体の色は黄色い。
ボルロレ
「 見た事の無い色の回復薬だな……。
これ、使っても大丈夫なのか? 」
セロフィート
「 安心してください。
効き目は抜群の筈です 」
ボルロレ
「 筈です──って……。
使うの怖ぇ~~~~ 」
セロフィート
「 死にはしません。
さっさと飲ませてください 」
セロフィートは素っ気無く言い放つ。
まるで道端に落ちているゴミ屑を見る様な目だ。
人形にとって、使い捨ての玩具でしかない人間が何百人死のうがどうでもいいのである。
セロフィートにとって目の前に居る傷だらけの人間──冒険者達は、セロフィートが作った新薬の効果を知る為に利用する実験台でしかないのだ。
ボルロレと班長は負傷している班員達に、セロフィートが用意した回復薬を飲ませて回る。
回復薬を飲んだ班員達は、動ける班員達にテントの中へ運ばれて寝かせられた。
班長
「 他に負傷者は居ないか──。
動ける班員は集まれ! 」
班長の呼び掛けを聞き、動ける班員達が集まる。
とは言え、無事な班員は10名にも満たない。
班長
「 探索中に何が起きたのか報告をしてくれ 」
班員達が1人1人、探索中に遭遇した出来事を報告していく。
どうやら森に棲息しているモンスターに異変が起きたらしい。
班長
「 ──目の前でモンスターが突然変異をして襲って来ただと?
モンスターが突然変異する事例は初めて聞くぞ──。
去年の魔獣討伐でも、そんな報告や注意換気は流れてなかった。
………………この1年の間に森に何が起きてるんだ…… 」
セロフィート
「 動物が突然凶暴化したり、暴走する事例は聞いた事が有ります。
動物が突然変異をしてモンスターになるのではないですか? 」
班長
「 いや、そんな事例は無いな。
確かに動物が突如凶暴化したり、暴走する事例は幾つか有るが──、動物が突然変異をしてモンスターになる話は聞いた事が無いし、報告も無い。
モンスターが凶暴化したり、暴走する事例も聞いた事は無いな 」
セロフィート
「 モンスターが突然変異をして魔獣化する事は無いですか? 」
班長
「 モンスターが魔獣化?
いや、聞いた事は無いな。
動物とモンスターは別物だし、モンスターと魔獣も別物だと認識されている 」
セロフィート
「 では魔獣とは別の新たな脅威が現れた──という事になりますね 」
ボルロレ
「 魔獣討伐だけでも大変だってのに、新たな脅威が発生するなんて──。
班長、一旦≪ 村 ≫へ報告に戻った方が良いんじゃないですか?
冒険者の増員を要求するとか── 」
班長
「 そうだな。
他の班とも連絡を取る必要が有るしな。
だが──、1人で≪ 村 ≫へ戻らせる訳には行かない。
途中で何が起きるか分からないからな。
安全に為に≪ 村 ≫へは5名で向かってもらう 」
セロフィート
「 ワタシは《 キャンプ地 》に残ります。
負傷者の応急処置をします。
これからも増えるかも知れませんし 」
班長
「 それは助かる。
負傷者はセロフィートに任せよう。
手当てを頼む 」
セロフィート
「 任せてください 」
班長
「 では≪ 村 ≫へ報告に行く者は──── 」
セロフィート
「 ボルロレさん、道中気を付けてください。
出来る限り戦力を温存させる為にも、これを持って行ってください 」
ボルロレ
「 セロフィート、これも回復薬か? 」
セロフィート
「 いえ、猛獣,モンスターが嫌う液体です。
聖水とは別物ですけど、効果は覿面です。
取り乱している隙に逃げてください。
聖水は魔獣に使うと良いですね。
良く効く塗り薬も渡しておきます。
怪我をした箇所に揉み込んでください。
応急処置が出来る救急箱と保存食,飲料水も渡しておきます 」
ボルロレ
「 何から何まで済まないな。
助かるよ、セロフィート 」
セロフィート
「 何も無いよりはマシでしょう。
多少の備えが有るだけでも気持ちに余裕が生まれます。
≪ 村 ≫へは5名で戻ってください 」
ボルロレ
「 あぁ、必ず5名で≪ 村 ≫に到着する!
事情を話して、冒険者の増員を頼んで来るからな! 」
班長
「 油断はするなよ。
何処でイレギュラーが発生するか分からないからな 」
《 キャンプ地 》に残るセロフィート,班長,モブ班員の3名に見送られながら、モブ班員とボルロレの5名は《 キャンプ地 》を後にした。
5名の彼等が無事に≪ 村 ≫へ到着する事が出来るかは、誰にも分からない────。
◎ 訂正しました。
効果をしる為に ─→ 効果を知る為に




