✒ 続・魔獣討伐 1
◎ 読者の皆さん、「 明けまして おめでとうございます 」です。
めでたい正月早々に作品を覗きに来てくださり有り難う御座います。
◎ 今回はセロフィート視点でも書いてみようと思い、挑戦してみました。
セロフィート視点も期待しないで読んでください。
──*──*──*── セロフィートSide
──*──*──*── 討伐2日目
──*──*──*── キャンプ地
冒険者:班長
「 よし、《 キャンプ地 》を拠点に担当区域の探索をする。
担当区域は広い為、2名1組で探索に当たってもらう。
ペアはジャンケンで決めるぞ。
勝者は右,敗者は左に分かれろ 」
班員達の前に出た班長は班長達と向き合い、ジャンケンを始めた。
班長に勝った班員達は右側に集まり、班長に負けた班員達は左側に集まる。
勝った者同士,負けた者同士でジャンケンをし、更に勝者と敗者を決めた。
右側で勝った者同士,負けた者同士でペアとなり、余った班員は余った者同士でペアとなった。
左側でも同様の方法でペアを決め、揉める事も無く2名1組に分かれた。
セロフィート
「 同じペアですね。
ワタシはセロフィートです。
魔獣討伐は初めてなので色々と教えてください。
宜しく御願いします 」
冒険者:班員
「 オレはボルロレだ。
実はオレも魔獣討伐は今回が初めてなんだ(////)
悪ぃな 」
セロフィート
「 ふふふ…。
初めてさん同士のペアですね 」
班長からの指示を聞いた後、班員達は担当区域の地図を渡される。
地図を確認しながら次々と森の中へ入って行く。
──*──*──*──森の中
ボルロレ
「 セロフィートはレスタ・グインノルチのギルド員なんだな。
彼処のギルドは≪ 村 ≫から離れた森の中に建ってるから不便だって聞くけど──、本当かい? 」
セロフィート
「 事実ですね。
ギルドの屋敷へ向かう途中にはモンスターと遭遇します。
出現率が高いので運動不足にはなりませんね 」
ボルロレ
「 ひぇっ──。
モンスターと戦わないといけないのかよ?
そりゃあ、≪ 村 ≫への行き来が大変だな~~ 」
セロフィート
「 確かに。
慣れる迄は大変でしたね 」
ボルロレ
「 今年は剣士が多いみたいなんだ。
セロフィートも剣士かい 」
セロフィート
「 多少は剣も嗜みますけど、普段は魔法を使います 」
ボルロレ
「 魔法士かい? 」
セロフィート
「 いえ、魔法士ではないですね。
生憎と攻撃魔法は苦手なので── 」
ボルロレ
「 攻撃魔法が使えないのか? 」
セロフィート
「 生憎と苦手でして──。
便利な生活魔法なら使えますよ。
ワタシが得意なのは睡眠魔法です。
対象を眠らせてからトドメを刺せますから、戦闘は比較的に楽ですね 」
ボルロレ
「 眠らせてからトドメを刺す?
……………………えげつない戦法だな 」
セロフィート
「 お蔭様で重宝してます。
盗賊に襲われても睡眠魔法で眠らせてしまえば怖くないですし、身ぐるみを剥いで全裸にも出来ます。
放置しておけば、モンスターが片付けてくれますし、路銀の補充も出来て── 」
ボルロレ
「 セロフィートぉ~~、それは笑顔で言う事じゃないと思うぞぉ~~? 」
セロフィート
「 そうですか?
ワタシには至って普通の事ですから──。
おや、鳥や動物が逃げてます 」
ボルロレ
「 分かるのか? 」
セロフィート
「 気配が一斉に散ったのを感じました。
モンスターから逃げたのでしょうね 」
ボルロレ
「 モンスターか。
森の中で戦うのは苦手なんだがな~~ 」
セロフィート
「 安心してください、ボルロレさん。
ワタシが睡眠魔法で眠らせます。
ボルロレさんは一思いにトドメを刺してください 」
ボルロレ
「 眠らせたモンスターにトドメを刺すのか……。
道徳的にどうなんだろうな、それって…… 」
セロフィート
「 自然界にも生き延びる為に、獲物の寝込みを奪う動物は居ます。
非道徳的だと言うならば、冒険者の存在自体が非道徳的ですよ。
人道的に反する冒険者も普通に居ますし 」
ボルロレ
「 そ…そうだな…… 」
セロフィート
「 モンスターにも守るべき家族や仲間は居ます。
生きる為にはモンスターも狩りをしなければなりません。
モンスターが餌である人間を襲うのは自然の摂理です。
また人間も襲われぬ様に工夫し、モンスターを退治する事も自然の摂理です。
生き続ける限りは、どちらも御互い様です。
“ 大自然 ” という信仰の中で恩惠を受けて生かされている以上、自然の摂理から外れる事は出来ません。
気に病む必要は何処にも無いですよ 」
ボルロレ
「 セロフィートは神官みたいな事を言うんだな 」
セロフィート
「 そうです?
あまりにも気になる様なら、供養して弔うと良いですよ。
尊い命を戴いて生きているのです。
感謝の気持ち冥福を祈る事は尊く崇高な行為です。
喜ばれはしても罰は当たりません 」
ボルロレ
「 くよう?
とむらう?
めいふくを祈る?
やった事が無いからチンプンカンプンだな…… 」
セロフィート
「 お墓を作り、石を3つ積み、花を供えて祈るだけです。
簡単ですよ 」
ボルロレ
「 墓か……。
墓守りがしてる事か? 」
セロフィート
「 近いですね。
≪ 村 ≫では死者を弔う事はしないのですか? 」
ボルロレ
「 墓守りが居るから全くしない訳じゃないと思うけどな──。
墓守りに任せっきりで “ くよう ” なんてした事ないな。
墓は在るけど、気の向く時にしか行かないしな 」
セロフィート
「 そうですか。
──ボルロレさん、この先にモンスターが居ます 」
ボルロレ
「 分かるのか? 」
セロフィート
「 1体ではないですね。
数体は居ます。
眠らせるので、このまま待機してください 」
ボルロレ
「 分かった。
セロフィートに任せる 」