⭕ 魔獣討伐 4
──*──*──*── 翌日
──*──*──*── 討伐1日
朝食を終えた後、第8班のオレ達は、《 キャンプ地 》を拠点にして、周囲を探索する班と《 キャンプ地 》から離れた場所を探索する班に分かれて行動を開始する。
因みにオレは、ヘレイム班長から単独行動をする事を許可された。
そんな訳で、身軽なオレは1人、木を飛び移っては高い場所から周囲を探索している。
周囲の気配を読んでは、森の中を移動しているモンスターを倒し、死体を回収する。
解体したら素材と肉に分けて、〈 器人形 〉に売って来てもらうんだ。
マオ
「 魔獣は何処から現れるんだろう?
もっと奥かな? 」
オレは更に森の奥を探索する事にした。
単独行動が出来るって良いな。
──*──*──*── 森の奥
マオ
「 結局、奥まで来たけど魔獣らしい魔獣は見当たらないな。
モンスターは見掛けるんだけどなぁ~~。
一旦、戻るか 」
オレは木の上から下りて森の中を歩く。
食材になりそうな茸,木の実,山菜,なんかを採る為だ。
《 商業ギルド 》で買い取ってもらえそうな花とか薬草とかも摘み取る。
その途中でモンスターに囲まれている見慣れない動物を見付けて助けてやった。
赤毛のモフモフした動物なんて初めて見た。
名前を付けたいな──。
怪我をしてるみたいだから、回復魔法を掛けてやる。
元気になった赤毛のモフモフは、オレを何処かに連れて行きたいみたいだ。
必死な姿が可愛いなぁ~~(////)
別にオレに悪さをしようとしてる訳じゃ無さそうだし、案内したい場所が在るなら行ってみようと思う。
──*──*──*── 洞窟の中
赤毛のモフモフの案内で洞窟の中へ入る。
かなり奥まで進むと、巨大な赤毛のモフモフが居た。
小さな赤毛のモフモフは “ 何か ” を必死に訴えている様に見える。
此処にセロやキノコンが居てくれたら何を訴えているのか明確に分かるんだけどな……。
赤毛のモフモフにとってのオレは、正体不明の生物だと思う。
にも拘らず、赤毛のモフモフはオレを頼る選択をしたんだ。
回復魔法使ったオレを此処まで案内したのも、もしかしたらオレに回復魔法を使ってほしいのかも知れない。
オレは巨大な赤毛のモフモフの様子を確認する事にした。
どうやら怪我をしているみたいで、傷も深そうだ。
オレは惜しみ無く巨大な赤毛のモフモフに回復魔法を掛けてみる。
赤毛のモフモフは小さな体を震わせている。
巨大な赤毛のモフモフの事を心配しているのかも知れない。
マオ
「 オレの回復魔法は万能じゃないから、何処まで回復させれるか分からないんだ。
傷が深いし、完治させれなかったら御免な 」
言葉が通じるかは分からないけど、絶対に助けられる保証は無いって事は伝えときたいと思う。
オレはセロじゃないし、キノコンでもな──あっ!!
マオ
「 キノコンじる!
そうだよ!
困った時の “ キノコンじる ” が有ったじゃないか! 」
オレはポーチの中からキノコンが用意してくれた “ キノコンじる ” を取り出す。
濃度の高い “ キノコンじる ” は人間に対しては有害だ。
原液なんかを飲ませたら人間はコロッと死んじゃうんだけど、モンスターに飲ませても “ 死にはしない ” って言っていた。
モンスターには濃度を薄めた “ キノコンじる ” を飲ませても効果の期待は出来ないみたいだから、このまま原液を飲ませてみようと思う。
巨大な赤毛のモフモフに高濃度の “ キノコンじる ” を飲ませて、回復魔法を掛け続けた。
暫くすると、巨大な赤毛のモフモフが少しずつ動き始める。
深い傷は塞がって、元気になってくれたみたいだ。
マオ
「 もう大丈夫そうかな? 」
巨大な赤毛のモフモフは、オレに感謝の気持ちを伝えてくれてるみたいだ。
小さな赤毛のモフモフも喜んでるのかな?
マオ
「 元気になって良かったな。
この洞窟は、お前達の住み処なのか?
元気にはなったけど、病み上がりだし、暫くは安静にしといた方が良いかもな。
お前達は何を食べるんだ? 」
オレはポーチの中から魔法の袋を取り出すと、中に入っている食材を出してみた。
オレが倒した動物やモンスターも出してみる。
マオ
「 この中から食べれるのは有るかな? 」
洞窟の中に大量の食材を出した後、赤毛のモフモフは歓喜に震えてる??
小さな赤毛のモフモフはジャンプをして喜んでる??
洞窟の奥からは別の赤毛のモフモフが現れる。
家族なのか仲間なのか分からないけど、大所帯だな。
マオ
「 えぇと………………足りるかな??
──そろそろオレは帰るよ。
この洞窟に悪い奴が入って来れない様に防犯魔法を掛けといてやるから、確り養生するんだぞ 」
オレは洞窟を出る前に内側から防犯魔法を掛ける。
これで洞窟で暮らしてる赤毛のモフモフ達と防犯魔法を掛けたオレ以外は洞窟に入れなくなった。
いや、セロとキノコンと〈 器人形 〉は無条件で入れるんだっけな。
入ろうとして防犯魔法に触れると、≪ ローダルドタ大陸 ≫の何処かにランダム転移される事になる。
これで少しは安心して暮らせるんじゃないかな?
マオ
「 よし、これで大丈夫かな。
お前達以外の種族が入って来れなくしといた。
天敵に襲われる心配は無くなったからな 」
オレは右手を振って洞窟の中を出る。
赤毛のモフモフ達は、出入り口付近までオレを見送りに来てくれた。
マオ
「 元気で暮らせよ、ム◯ク達ぃ~~ 」
オレは赤毛のモフモフ達を “ ム◯ク ” と呼ぶ事にした。
ム◯ク──、なんて素晴らしい響きなんだ。
ム◯ク先輩みたいに頭のプロペラで空を飛べたら良いのにな!
とは言え、赤毛のモフモフ達にはプロペラなんて付いて無いけどな。
マオ
「 日が暮れ掛かってるな── 」
オレは急いで自分のテントを張っている《 キャンプ地 》へ戻る事にした。
◎ 訂正しました。
第8班のを拠点にして、─→ 第8班のオレ達は、《 キャンプ地 》を拠点にして、