⭕ 魔獣討伐 2
──*──*──*── 担当区域
約8時間程森の中を歩き続けて、漸く第8班が担当する区域に到着した。
転移魔法が使えたら一瞬なんだけどな~~。
8時間のロスが痛い。
担当区域に到着したからと言って、直ぐに《 キャンプ地 》を作る訳じゃなくて、皆で良さそうな場所を探し始める。
全員一致で良さそうな場所を見付けれても、地面に生い茂る草を刈り取って作る派と草を刈り取らないで作る派に分かれて揉めたりするんだよな~~。
一応、余分に防水シートを持ってるから、草の上に敷いてテントを張るって方法も有るけど、この≪ 大陸 ≫には防水シートなんて優れた道具は無さそうだ。
時代的にも出すのは拙いかな?
魔法で誤魔化せないかな──。
班員達が揉めてる間に土魔法で簡易竈を作っとこうと思う。
態々拾い集めに行く必要が無い様に移動中、薪になりそうな枝や燃え易そうな落ち葉なんかも拾っては魔法の袋に入れて有るから直ぐに火を焚く事が出来る。
1番は揉める事なく決まる事なんだけど──、この班は大丈夫かな?
どうやら、話し合いの末に作業の負担を減らす為、草を刈らずにテントを張る事になったみたいだ。
不満な班員も居るみたいだけど、多数決には素直に従うだけの理性は持ち合わせてるみたいだ。
揉めて言い争いの喧嘩に発展しなくて良かった。
班員は17名居るから、6名2組と5名1組に分かれてテントを張るらしい。
1人だけ溢れる事になるけど、どうするんだろう??
ヘレイム班長がオレの所へ来ると、「 1人用のテントを貸すから使え 」と言って来た。
どうやらオレは班員達からハブられたみたいだ。
一時的とはいえ、いきなり仲間をハブるとか子供かよ?
こんな幼稚でくだらない事をして、この班は大丈夫なのか??
オレはハブられても全然構わない人種だから困らないけど──。
1人用のテントを貸して貰えるらしいから、有り難く借りる事にする。
後で「 テントを返せ 」と意地悪な事を言われても──って、それは無いか。
1人用のテントは生地が破れている事が分かったからだ。
オレは自分用のテントを持ってるから、貸してもらったテントを使う必要が無くなった。
まさに備え有れば──だな!
因みにテントが別って事は、調理も別って事らしい。
テントに分かれた4名 ~ 5名で手分けをして準備や調理をするらしいから、オレは自分が食べる分だけを作れば良いそうだ。
作る料理が自分の分だけで良いなんて楽で有り難いから、ヘレイム班長に御礼を言っとく。
誰に気兼ねする事なく、1人で寛げるのは楽で助かる。
久し振りに堪能出来る貴重な1人時間をゲット出来るなんて、嬉しい御褒美だ♥
オレはボッチとか気にしない質だから平気なんだ★
人の目を気にしないで草の上に防水シートを広げて敷く事も出来ちゃう!
破れてるテントは横に置いといて、自分用のテントを張る。
外見は1人用だけど、中は広々としている魔法のテントだ。
折角張ったテントが強風で飛んで行かない様に固定させる為、セロから教わった定着魔法を使う。
後は防水魔法,防音魔法,防犯魔法も重ね掛けしとく。
動物除け,モンスター除けの魔法も重ね掛けしとかないとな。
テントが張り終わったら、簡易竈を土魔法で作る。
簡易竈は水を温める専用,鍋専用,網用の3つを作った。
ヤカンの中に幻神水を注いで簡易竈の上に置く。
今夜は茸たっぷりスープを作ろうと思う。
鍋の中に幻神水を入れたら、切った茸と鶏肉で作った肉団子を入れて、香草と薬草を入れたら、簡単に味付けをする。
両方の簡易竈に火魔法で火を着けたら、出来上がるまで待つだけだ。
網が有るから奮発して鶏肉に串を刺して焼いちゃおう!
串を刺した鶏肉に万能味塩胡椒を振り掛けて網の上に並べる。
香草もパラパラと振り掛けよっと!
火魔法で火を着けたら、焼き色を見ながら引っくり返す。
良い感じに焦げ目が付いて、美味しそうな匂いが鼻を擽ってくれる。
木皿を出して、焼けた鶏肉の串焼きを置く。
折角だから、キノコンが持たせてくれた輪切りイカも焼いちゃおう!
輪切りイカの焼き加減を見ながら、スープの煮込み具合を確認する。
沸いた湯は保温性の卓上ポット,保温性の水筒の中に注いでおく。
水筒は明日の朝食用だ。
輪切りイカも焼けて、スープも完成した。
早速、1人きりの夕食を始めよう!
◎ 訂正しました。
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拙にかな? ─→ 拙いかな?