⭕ 剣術稽古 3
鬼強レベルなんてもんじゃなかった。
鬼強レベルの上って何だ?!
セロに打ち込んでたレスタさんって、こんなに激しかったのかよ!?
オレを相手に打ち合っていたのは御遊戯レベルの様に感じてしまう──。
鬼気迫る迫力をビリビリと感じながら、オレはセロが繰り出す攻撃を受け流したり、避けたりしている。
「 全ての攻撃を受け流せ 」って言われても、コレは無理だっ!!
無茶振りをレベルの限度を超えてるだろがっ!!
セロは容赦無く次から次に打ち込んで来る。
オレへの慈悲が欠片も感じられ無いんだけどぉ!!
そろそろ、休憩してほしい。
左手を終えたら、すかさず右手に変わる。
休憩無しでセロの打ち込みが始まる。
右手が終わったら両手──双剣でセロの攻撃を受け流す。
レスタさんになっているセロの攻撃は重い。
受け流す度に両腕がビリビリするんだ。
最初の片手ずつので、かなりやられてしまったみたいだ。
セロフィート
「 マオ、良く耐え抜きました。
円からも出てませんし、合格です 」
マオ
「 そ、そうか?
良かったぁ~~~~ 」
セロフィート
「 休憩しましょう 」
マオ
「 やっとか…… 」
オレの両足は踏ん張り過ぎたのか 、予想外のダメージを受けている。
歩く動作がぎこちなくなっている。
これは日々にヤバいかもしんない……。
レスタ・グインノルチ
「 ──セロもマオも凄いな。
セロとマオが魔獣討伐に関わってくれれば、3ヵ月も掛からないで済むかも知れない。
特にセロは規格外過ぎる…… 」
マオ
「 ……………………だろうね……。
久し振りに死ぬかと思った…… 」
セロフィート
「 大袈裟です。
この程度で音を上げるとは、随分と鈍りましたね。
マオには特別にスペシャルコースを用意── 」
マオ
「 オレは未々、余裕だぞ★
こんなの準備運動前の簡単なストレッチみたいなもんだろ? 」
セロフィート
「 おや、言ってくれますね。
それでこそ、ワタシだけのマオです♪ 」
マオ
「 そうだろ?
ははは……………… 」
セロの特別スペシャルコースなんて絶っっっ対に御免だぁぁぁぁ!!!
此処で余裕の有る所を見せとかないと死ぬぅ~~~~!!
セロは御機嫌みたいだ。
どうやら特別スペシャルコースは受けなくて良さそうかな?
レスタさんは熱心に御機嫌なセロと話している。
魔獣討伐って3ヵ月も掛かるんだな。
ゾッとするぅ~~。
セロフィート
「 日も暮れて来ましたし、続きは明日にしましょう 」
マオ
「 賛成ぇ~~!
キノコンにマッサージしてもらおっと…… 」
セロフィート
「 レスタさんは温泉で身体を癒してください。
入浴後にはキノコンが全身をマッサージをしてくれます 」
レスタ・グインノルチ
「 それは助かる。
セロが作ってくれた温泉とやらに浸かると身体が解れて疲れも溶ける様に消えるから不思議だな 」
セロフィート
「 温泉は健康を支えてくれる天然の薬湯です。
気に入ってもらえて安心しました 」
マオ
「 オレも温泉に入って、夕食の時間迄ゆっくり── 」
セロフィート
「 マオは居残りです。
日頃の運動不足をワタシと一緒に解消しましょう♪ 」
マオ
「 えぇ゛っ?!
散々打ち合ったのに未だ続けるのかよ?! 」
セロフィート
「 当然です。
さっきのは準備運動前のストレッチなのでしょう?
次は準備運動しましょう 」
マオ
「 スパルタぁぁぁぁぁぁあ!! 」
セロフィート
「 誰がスパルタですか 」
レスタ・グインノルチ
「 ……………………セロ、程々にな? 」
セロフィート
「 安心してください、レスタさん。
ワタシは何時も適度に手を抜いています♪ 」
マオ
「 嘘を言うなよ!
嘘を!! 」
レスタさんはオレの事を心配してくれている。
なんて優しい人なんだ。
スパルタなセロにも見習ったほしいもんだ。
迎えに来たキノコンに促されて、レスタさんは先に屋敷へ戻って行く。
中庭に残ったのは、セロとオレだけだ。
日が暮れ始めてるってのに何する気なんだか──。
マオ
「 これから暗くなるってのに何するんだよ? 」
セロフィート
「 マオには目隠しをしてもらいます。
飛び掛かるスライムの気配を察知し、斬ってください 」
マオ
「 えぇっ!?
スライムを斬る?
そんな事したら死んじゃうんじゃないか? 」
セロフィート
「 安心してください。
中庭に居るスライムは全て分身体です。
本体が無事であれば、分身体を斬っても死にません 」
マオ
「 分身体……。
何かキノコンみたいだな…… 」
セロフィート
「 ワタシのスライムは気配察知し難いです。
マオの気配察知能力を向上させるのに丁度良いです。
スライムを斬らなければ、マオの身体にペイントが付きます。
制限時間は60分です 」
マオ
「 ペイントって……最悪なんだけど…… 」
セロフィートは古代魔法を発動して、オレに目隠しをする。
剣を構えたオレは、周囲の気配を読む。
既にセロの気配を感じない。
極僅かな気配のスライムの動きを読んで斬るとか、鬼畜としか言い様がない。
ペイントまみれになりたくないから、神経を研ぎ澄まして頑張るしかない!!
◎ 訂正しました。
これは日々に ─→ これは日々に
随分と鈍りなしたね。─→ 随分と鈍りましたね。
丁度│良いです。─→ 丁度良いです。
気に入ってもらえて ─→ 気に入ってもらえて