学くんの両親
「たしか、高校の先生だったかな?」
「あ、お父さんも学校の先生なんだ!」
「お父さん“も”?」
「あっ」
今の私が学くんの家庭事情を知っているのはおかしいよね!?
「こはるちゃんのお父さんも学校の先生なの?」
「あ、えっと…、私のおばあちゃんが、学校の先生だったの!」
「へー、そうなんだ!」
あながち嘘では無い。
私の本当の母親も教員免許を持っているから…。
でも、学くんがいつもお迎えが遅い理由がやっとわかった。
教師は本当に激務だから。私なんかと違って、子育てをしている学くんのご両親を尊敬する。
しかも、学くんには1つ年下の弟と、5歳年下の妹がいるから…。
「……」
急に独身子無しの自分が悲しくなってきた。
大人の姿に戻ったら婚活しようかな…。
「こはるちゃーん?」
「えっ!?何!?」
「いや、急にしゃべらなくなったから、どうしたのかなって。」
学くんの弟である、湊くんも近くにいた。
「心配かけてごめんね。お母さん、18時には来るって言ってたのに、ちょっと遅いから気になってさ。」
と、適当な理由をつけたけど、本当に遅いなぁ。どうしたんだろう。
◇
「遅くなりました!!すみません!!」
18時45分頃、美帆と学くんのお母さんが同時に来た。
2人の話によると、どうやら電車が止まって動かなかったらしい。
「19時で学童閉まるって聞いたから、焦りました…。」
「今日みたいな時は、連絡頂けたら少し長めに開けますから、安心して下さいね!」
「ありがとうございます!
…じゃ、こはる。帰ろうか!」
「うん。学くんバイバイ!」
「バイバイ!また明日!!」
校門を出て、学くん達は正反対の方向に帰った。
「お姉ちゃん、初めての学童はどうだった?」
「いつもの癖で、子供達が机の上に乗ったりしたら注意しそうになった。」
「そっかそっか!楽しかった?」
「うん。楽しかったよ。」
学くんと空くんと一緒に宿題をした事、
学くんはサッカーが本当に上手な事、
他の学年の友達が沢山出来た事など、美帆に話した。
美帆はニコニコしながら私の話を聞いてくれた。




