未来のエース
「こはるちゃん、もし良かったら今日の試合、最後までみていってほしいな。」
「勿論!最後まで観るよ。」
「ありがとう!!」
少し離れた所から、学くんを呼ぶ声がした。
「そろそろ行かなきゃ。」
「行ってらっしゃい!」
「行ってきます!!おれ、頑張るよ!!」
学くんは駆け足で仲間の元へ向かった。
◇
試合開始の合図が鳴った。
学くんはどこだろう…?
「いた!」
子供の姿になってから、何故か視力が良くなって、遠くがよく見える様になった。
仲間が相手チームからボールを奪い、隙を狙い、学くんへボールを託した。
「(頑張れ!!)」
学くんはボールを守りながら、敵のゴールへ。このままシュートを決めるのは少し厳しいかも?と思っていたら、学くんが同じチームの仲間にボールをパス。
パスを受け取った子が、シュートを決めた!!
学くんとシュートを決めた子は、ハイタッチをする。
「(うーん、素敵!)」
凪くんの方にも目を向けた。
相手チームからのシュートをとにかく取る!!
体全体を使って、ボールを取る。
絶対に入れさせない!って強い意志を感じる気がする!
さっき学くんが言っていた
『鉄壁の森井』
って異名も伊達じゃないなと思った。
◇
今回の試合も、学くんは大活躍だった。
いつもと違う学くんの姿を沢山見ることが出来て、嬉しかった。
「学くん!お疲れ様!!」
「ありがとう!」
「今回もかっこよかったよ!!」
「!!?」
何故か学くんは真っ赤になって目を逸らしていた。
「後半の試合で、作戦を変えたのかな?
一気に点差が広がったよね!」
「よく気付いたね!監督とチームはメイトににやってみたい事があるって言ったら、思い切りやれって!」
「え、学くんが作戦を考えたの!?」
「?うん。」
学くん、勉強苦手だと言っていたけど、地頭はとても良いんだな。
元の姿に戻ったら、学くんの特性を活かして学力を伸ばして上げたいなぁ。
「凄い!!しかも大成功だったじゃん!」
「失敗する時もあるけどね。」
「失敗したとしても、ああしてみたい。こうしたらどうだろうって試行錯誤…色々試してみるのはとても良い事だよ!!」
凪くんが『鉄壁の森井』なら、
学くんは『未来のエース』
とかかな?今でも充分活躍しているけど、もっと成長したら、今よりももっと出来る事が多くなる筈。
学くんの成長を、見守っていたいな…。
異動が心配だけど…。




