気が早すぎる!!
本当はこんな時間に子供1人で歩かせる訳には…と思ったし、寧ろ私が送って行こうかと思ったぐらいなんだけど、学くんの気持ちがとても嬉しかった。
それに、お祭りから帰る人がちらほらといるもんね。
「着いたよ!学くんありがとう。」
「どういたしまして!」
学くんと別れる直前、誠斗くんが帰ってきた。
「あ、おかえりなさい!おね…こはる。」
「ただいま!!」
「君は…こはるのお友達かな?」
「はい!長田学です!」
学くんは誠斗くんにお辞儀をした。
いつも思うけど、本当に礼儀正しいなぁ。
「あのねお父さん。学くんが家まで送ってくれたの!」
「そうなんだ。ありがとう。学くん。」
「は、はい!」
「じゃあね!学くん!!気を付けて帰ってね!!」
「うん!」
学くんに手を振り、彼の背中が見えなくなるまで誠斗くんと見守っていた。
「彼、とても良い子ですね!」
「そうなんだよ!学童の教え子なんだけどね、サッカーとピアノやっていて、とても礼儀正しくて優しくて、笑わせてくれる子なんだよ!」
「うーん、なるほど…」
「?どうしたの?誠斗くん。」
「“娘に彼氏が出来る”ってこう言う気持ちなのか…」
「はい?」
誠斗くんの発言に、変な声が出た。
「ち、ちょっと?何考えてるか知らないけど、今の私と学くんは同級生だけど、元々は教え子だからね?親子程離れているんだからね!!?それに娘じゃないからね!?」
「あはは…そうでした。」
「まだ本当の娘も生まれていないのに、気が早すぎるよ誠斗くん…。」
「すみません。そろそろ家の中に入りましょうか。」
◇
「ただいまー」
「ただいま。」
「おかえりなさい!」
家の中に入ると、美帆が誠斗くんの食事を用意して待っていた。
私はお祭りで色々食べるから、晩御飯は用意しなくていいと伝えていた。
元々私は一人暮らしをしていたから料理は出来るんだけど、美帆が
『1人分増える分は問題ないから、お姉ちゃんの分も用意するよ〜』
と言ってくれた。
「夏祭り楽しかった?」
「うん!!!」
私は2人に、学くんがぬいぐるみを取ってくれたこと、他の友達とはぐれてしまったこと、
その時学くんと2人で花火を見たこと、
村越くんにスーパーボールを貰ったこと、
皆で焼きそばを食べて、型抜きをして盆踊りに参加したことを話した。
「そうかそうか!楽しかったようで何より!」
美帆は笑顔で頷きながら私の話を聞いていた。
「学くん?だったっけ?すっごく良い子だね!」
「でしょ?」
「お姉ちゃん、もしかして後日彼氏連れて来るとか…!?それはちょっと控えた方が良いんじゃないかな?相手の為にも…。」
「さっきから誠斗くんも言ってたけど、クラスメイトと私は親子程歳が離れてるんだから、何も無いってば…。」
私はリビングを出て、お風呂に入る準備をした。




