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特等席

「うわぁ…!綺麗…」

「そうだね!」


夜空に打ち上げられた花火を2人で見上げる。

少し離れた所から、人のざわめきが聞こえる。皆あの場所で花火を見ているのだろう。

今、私と学くんが居る場所には誰もいない。


「ここから見えるなんて、知らなかった…。」

「そうなんだ。じゃあ、ここは特等席だね!」

「うん。」


チラッと隣の学くんを見ると、花火をワクワクしながら見上げる学くんの瞳が、

キラキラと宝石みたいに輝いている様に感じた。


「……綺麗…」


花火も、学くんの瞳もどっちも綺麗で、思わず声がもれた。



5分程で花火の打ち上げは終わった。


「あっという間だったなー花火。」

「本当にね!あっという間。」

「もっと沢山見たかったなー!」

「そうだね。でも、パッと咲いてすぐに消えてしまう儚さがあるからこそ、花火って魅力的なんだろうね。」

「??」


大人になったら分かるよ。きっと。


「こはるちゃん、来年も一緒にここで花火を見ようね!」

「!!」


来年か…。その時私どうなっているんだろう…。元の姿に戻っているのかな。

それとも…。


「こはるちゃん?どうしたの?眠たい?」

「あ、違うの!!つい花火の余韻に浸っちゃって。」

「よいん?」

「何でもないよ。来年も一緒に見ようね!!」

「うん!!」


出来ない約束で学くんには申し訳ないけど、

私も学くんと一緒に花火を見たい。

と心から思ってしまった。


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