フルーツ飴
「そうだ、長田くん。さっきの。」
私は学くんに300円を渡した。
「気にしなくていいよ!」
「そ、そう?…あ、フルーツ飴だ!!
長田くん、フルーツ飴食べよう!」
「うん!」
学くんはアレルギーとかなくて、基本何でも食べるって学くんのお母さんから聞いているから、フルーツ飴は大丈夫なはず。
「長田くんは何にする?」
「え…っと、じゃあ、みかんで。」
「すみません!いちごとみかん下さい!」
店員のお姉さんにお金を渡した。
「はい、これ!」
みかん飴を学くんに渡した。
「!あ、ありがとう!!」
「あそこの人が少ない所に行って食べない?」
「そうだね!」
私と学くんは人気の少ない所へ移動した。
「あの…」
学くんが私に手を差し伸べた。
「?」
「またはぐれちゃったら大変だし…。」
「!!」
「あっ、嫌だったらごめんね…!!」
私は学くんの手を握った。
「!!!?」
「確かに、はぐれたら大変だもんね。」
お祭りの明かりでも分かるくらい、学くんの顔が真っ赤になっている。
私は学くんが1年生の頃から知ってるし、何度か手を繋いだことがあるけど、
学くんからすると今の私は同世代の女の子だから、緊張するよね!
「(可愛いなぁ〜)」
さっきの当てものの屋台のおじさんみたいな気持ちになっちゃう。
◇
「うん。これで大丈夫かな。」
陽菜ちゃんにメッセージで今いる場所を送った。これでメッセージに気付いてくれたら再会出来るはず。
「ここに座ろう!」
「そうだね!」
ベンチに並んで座って、飴を舐める。
「……」
いちご飴を舐めながら、ふと今までの出来事を思い返す。
私が何故か小学生の体になってから今まで。
「そういえば私、長田くんに何かして貰ってばかりだね。」
「??そう??」
「転校した初日に学校案内してくれたでしょ?ピアノも弾いてくれたし、沢山話し掛けてくれたし、浴衣選んでくれたし、ぬいぐるみ取ってくれた!」
どれも、凄く嬉しかった。
学くんが優しい子なのは知っていたけど、この見た目になって、普段の学校生活の学くんもとても優しい子だと知れた。




