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楽しい時間はあっという間

トランポリン、滑り台、ボールプール…

夢中になって遊んだ。

社会人にになって、こんなに心の底から

“楽しい”と思える事なんてあまり無かった。

職場と家の行き来しかしなかったから。


「陽菜ー!そろそろ帰るよー。」


多佳子と学くんのおばあさんがいた。


「もうそんな時間かぁ。」


楽しい時間は本当にあっという間だなぁ。


「えー!まだ遊びたい!!」

「また今度連れて行ってあげるから!

今日は帰るよ。」

「陽菜ちゃん、帰ろう。」

「はぁい。」

「杉田さん、池田さん、またね!」


学くんも、そろそろ帰るそうだ。


「うん!またお祭りの時にね♪」

「長田くん、浴衣を選んでくれて本当にありがとう!」


感謝の気持ちを伝えると、学くんは少し照れた笑顔を見せてくれた。



「こはるちゃん、良かったら家まで送るよ。」

「あ、行きで待ち合わせしていたの場所で、母が待っていてくれるって約束しているので。」


申し訳ないけど、多佳子の提案を丁寧にお断りした。

車で移動すること約10分。

待ち合わせ場所に着いた。

そこには日傘を持った美帆が待っていた。


「今日はおね…こはるがお世話になりました。」

「いえ、こはるちゃん、本当にしっかりしていて…!」


美帆の方をチラッと見ると、必死で笑いを堪えていた。


「…って、あれ?美帆ちゃん!?」


やっと気付いたか。


「吉田先輩!?」


誰よりも先に気付いた癖に、今気付いた振りをする我が妹。役者だな。


「ママ、知り合い?」

「うん。ママが中学生の頃の後輩。

美帆ちゃん子供いないって前言ってなかった?」

「実はちょっと事情があって、親戚の子供を預かっているんです。」

「そうなんだ。…あ、真帆は元気?」


あなたの目の前にいますよ。


「はい!元気にしていますよ!」

「真帆によろしく言っといてね!」

「はい!」



「こはるちゃん!またお祭りの時に会おうね!!」

「うん!!」


陽菜ちゃんに手を振り返すと、車が出発した。


「よろしくだってさ。」

「聞いてたよ。」

「帰ろうか、お姉ちゃん。」

「うん。」

「どんな浴衣買ったの?」

「帰ったら見せるよ。」



帰宅して、私は美帆に買った浴衣を見せた。


「何だかお姉ちゃんが選ばなさそうな可愛いデザインだね。」

「同じクラスの長田学くんって子が選んでくれたの。」


ショッピングモールで、隣の席の男の子と偶然出会った事を話した。


「選んでくれたのが嬉しくて、これはフリマアプリに出さずに大切にしようって思う。」

「うんうん!それがいいと思うよ!」

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