見た目は小学生、中身はアラサー
今日は仕事がお休みの日。
いつもなら結構遅くまで寝ているんだけど、
今日は早く目が覚めた。
「んー…」
昨晩、いつもより早く寝たから、早く起きるのも当然か。
ベッドから降りようと足をおろす。
「(あれ、こんなにベッドって高かったっけ…)」
寝起きでふわふわしている頭で考える。
とりあえず顔を洗おうと洗面所に向かった。
「…あれ…?」
鏡に映るのは、いつもの私ではなく、“子供”。小学校低学年位の子供だ。
目を何度も擦っても、写っているのは子供。試しに体を動かしてみる。
そしたら、鏡に映る子供も同じ動きをする。
「え?…え、え??…何でーー!!??」
◇
何故か子供の姿になってしまった私は、
パニックになって、近くに住む妹夫婦の家へと向かった。
「何度聞いても信じられないんだけど…」
「ですよね…」
妹の美帆は、怪しい物を見る目で私を見ていた。
そりゃあそうだ。私だって逆の立場になったら怪しむもん…。
「確かにお姉ちゃんの面影があるけど…。
…まさか、隠し子?」
「そんな、私2年近く彼氏いないし!
それに私と美帆、しょっちゅう会ってるじゃない!!いつの間に妊娠出産したのよ!!」
「確かに…。1ヶ月に1、2回は会うもんねぇ…。」
◇
「じゃあ、質問。『私の1番の好物は何?』」
「マンゴープリン」
「正解。次。『私と夫の馴れ初めは?』」
「美帆が彼の大学の事務の仕事をしている時に彼から熱烈なアタックを受けた。」
「最後。これは家族と夫しか知らない質問。『私はちょっと変わった所にホクロがあります。それはどこ?』」
「お尻にあるよね。」
余談だけど、私は左側の太ももにホクロがあるんだよね。
「…正解。お姉ちゃん、疑ってごめんね。
信じるよ。」
「ありがとう…!!!」