まさかの再会
30歳にもなると、周りがどんどん結婚し、子供も生まれ…。
友達と時間を合わせて出掛けることが難しくなり、気が付いたら遊びに行く友達がゼロになっていた。
だからもう何年振りだろう…。友達と出掛けるのは。
「こはるちゃん!」
美帆と待ち合わせ場所に到着すると、
陽菜ちゃんが車から出て来た。
「乗って乗って!」
車の扉が自動で開く。
「今日はこはるをよろしくお願いします。」
「よろしくお願いします。」
「!」
私と美帆が陽菜ちゃんのお母さんに挨拶をすると、美帆が驚いた表情をしていた。
「どうしたの?」
「(お姉ちゃん、陽菜ちゃんのお母さん、同級生の吉田多佳子さんじゃない?)」
「!!!?」
吉田多佳子は、私の“本当の”同級生だ。
成人式以来会ってないけど、変わってないな。
まさかこんな所で再会するとは…。
「(運転席にいるのに、よく分かったね。)」
「(2、3年前に買い物中に偶然会ったからね…。結婚して池田になったって言ってたし。)」
正直再会が嬉しいかと言われたら、あまり嬉しくはない。こんな形って言うのもあるけど、多佳子にはあまり良い思い出がないと言うか…。
今陽菜ちゃんが9歳ということは、21ぐらいで陽菜ちゃんを産んだって事か。
◇
車に乗り込むと、多佳子が私に話しかけて来た。
「こはるちゃん。今日は陽菜と遊ぶ約束をしてくれてありがとう。」
幸い、彼女は私と美帆に気付いていない。
美帆も日傘とマスクで顔を隠している。
「こはる。何かあったら連絡するんだよ。」
「うん。」
母娘らしい会話をして、車はショッピングモールへ向かった。




