『母プレスマンと子プレスマン』
母プレスマンが、子プレスマンの速記を見ていて、文句を言いました。
「どうして朗読者が読んだとおり、速記者が動かしたとおりに速記文字を書かないのです。そんなことでは立派なプレスマンになれませんよ」、と。
子プレスマンが言いました。
「お母さん、僕はまだ未熟です。お母さんがお手本を見せてくれたら、きっと上達してみせます」、と。
母プレスマンは、もっともだと思いましたので、見本を見せることにしました。しかし、どうも勝手が違うのです。うまく書けません。いや、歳のせいなわけないじゃないですか。違います。久しぶりで調子が出ないだけです。子供が見ていて緊張しているし。
とか何とか言って、母プレスマンは、結局うまく書けませんでした。
教訓:自分でもできないことを人に要求するのはたやすい。