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空の1036日。

第17話ー夏ー


きょうは起きるとホノカがいなかった。


なにかを取りに、お父さんと、山へ行ったらしい。


そしてホノカは昼の11時ごろに帰ってきた。

体にダニをいっぱいつけて帰ってきた。


山菜を取ってきたんだって。おいしそう・・・。


ホノカはすぐお風呂に入っちゃった。


だから話すヒマがなかった。


けど、その後1時ごろから、おにわで焼き肉をした。


ぼくもカゴごと外へ出してもらってホノカと一緒にご飯を食べました♪

それからホノカがみどりのボールで遊んでたから、ぼく、応援した。


第18話ー秋ー


今は2009年。今日はホノカの誕生日。


ホノカは12さいになる。そういえばもうホノカはしょうがく6年生なんだ!


おめでとう!ホノカは、おともだちから、家族から、たくさんプレゼントをもらってたよ!


嬉しそうだった♪


第19話ー最近ー


最近、ほんとうに具合が悪い。単なる寝不足かもしれないけど。

10月だ、ホノカのダンスの発表会がある。


ホノカは今までダンスの発表会何回出たんだろう。


えっと・・・1,2,3、、、、、8回だ!!すごーい。


第20話ー12月ー


あぁ、ほんとうに具合が悪くなってきた。


ホノカ・・・助けて~・・・。病院連れていってよー。

けどダンスとかピアノとかで、ヒマないよね・・・。



後もうすこしで、お正月。


ぼくが、ここに来てからの3回目のお正月。またひとりかぁ。


さびしいな・・・。



第21話ーしょうがつー


また、みんなごちそうを持っていなくなって・・・。



「カチッカチッカチッ」「ゴーン」・・・・・おめでとう。・・・・・



そして夜中の1時半ごろ、みんなが帰ってきたと思ったら、


すぐ着替えてまたどこか行っちゃった。ぼくには目もくれない。


最近掃除もしてくれない。お水もご飯もめったに取り替えてくれない。


さびしい。ブログだっていつの間にかやめちゃったし、遊ぶ機会もなくなっちゃったなぁ。



第22話ー最期ー


ホノカが冬休みに入った。


だから、ホノカといる時間が増えたし、ぼくの名前を呼んでくれたりした。


けど、ごめんね、ホノカ。ぼく・・・体が痛い。かゆい。お腹が空かない。



第23話ー検診ー


日がすぎるにつれ、だんだん体が悪化していく。


しっぽの上のトコが、かゆいなぁ・・・けど、かいてもかいても、わかんない!ムズムズする・・・


2010年、1月22日。

それに気付いてくれたお母さんが、病院へ連れていってくれた。



カゴのまま行った。

ぼくは、しろい服をきた人にがっしりつかまれて、しっぽの上に薬をぬられた。


お医者さんはこう言っていた。

医:「ストレスと、栄養不足で自分で自分を傷つけています。」

そう、傷つけているところが、ぼくのムズムズするところだったんだ。

医:「止まり木に止まれるだけ、まだ元気です。けれど、もう止まれなくなったら諦めるしかないでしょう。」



それが終わったあと、カゴに布をかぶせられて、家にかえった。


次の日から、大変だった。

お母さんにつかまれて、むりやり飲み薬を飲まされた。


けっこう甘かった。




第24話ー最終最後ー


2010年、1月31日。


ホノカが外へ出してくれた。


喜んで出たけど、その時ぼく一番体調悪い日だったってわかってた?


けど、ありがとう、ホノカ。




ホノカ:「きゃ!空ー!」ぼくはもう安全には歩けなかった。


羽をバタバタするしかなかった。


あぁ、電気がまぶしい・・・・・。



ぼくはテレビの下に隠れた。


ホノカ:「そら!だめ!出ておいで!!」


しょうがなくぼくは出た。それからもろくにうまく歩けなかった。



そしたらお母さんが来て、ぼくをタオルで抱いてくれた。




ぼく・・・・もう・・・・ムリかもしれない・・・。




お母さんが、ばあちゃんと、(お母さんの)妹を呼んでくるよう頼んだ。


母:「空がちょっと危ないから、ばあちゃんと、とこちゃん(母の妹)を呼びなさい!」





「ポタ・・・」





ホノカの目からおおつぶの涙がこぼれてた。





ホノカ:「うっ・・・うっ・・・・」






ホノカ、なんでそんな悲しむの?やめてよ、ぼくも悲しくなっちゃう。






しばらくしたら、ばあちゃんと、とこちゃんが来た。






ぼくは、まず、カゴにもどされた。


けどぼくは、立てなかった。鳴けなかった。ホノカに何も言えなかった。


ぼくは、あおむけになった。まだ息はできるけど、足がかたい。動かない。


むりやり羽を動かして、起き上がった。けどやっぱり上手く立てない。




そしたらまたお母さんがタオルでぼくを抱っこしてくれた。






その次にホノカが抱っこしてくれた。なんだか1番暖かくて安心した。


けどぼくはもう、このまま逝く。ホノカとは、離れたくない。けど離れなくちゃ。けどやだ。



ぼく、強い男だから、みんなに悲しい瞬間は見せたくない!!



ぼくは必死に目を開けた。


けど、どんどんせまくなる視界。







だめだ!ホノカと離れるわけにはいかない!!お母さん!ばあちゃん!




そしてぼくは、小さなカゴに布をひいたベッドに寝かされた。



みんなに、見守られた。


だから、ぼくは起きなきゃ。ホノカとまだ遊ぶんだ。




「コテッ・・・」やっぱり体が思うように動かない。なんでだ・・・。



第25話ーばいばい。ー



ホノカ・・・・・・・・・・・。



だめだ、目をつむっちゃだめだ・・・・・・・・。




けどホノカは何度も何度も言ってくれた。



「空、もういいよ。」「空、もう眠っていいよ・・・。」



ホノカは涙ながら言った。



いやだ!ぼくはいやだ!ホノカといる!!






しかしホノカはしばらくすると、寝ると言って部屋へ行ってしまった。


ホノカ:「空になにかあったらぜーーったい起こしてね!」と言った。






ばあちゃんも、とこちゃんも、みんなぼくから離れた。











最後に、

みんなの顔をみたいよ。

























ホノカ・・・・・・・・・・・・・。

























ホノカ:「おかあさーん、空が心配で眠れないよ。」




ホノカが、空のベッドをのぞいた。




ホノカ:「えっ・・・・?お母さんちょっと・・・」


母:「え?」


お母さんは、空のベッドを見た。




母:「あららー空亡くなってる」




ホノカの目からいっせいに涙があふれてきた。






ホノカ:「そらぁーーー!!うっうぁぁああぁぁーーー」




お母さんも泣いた。


みんなの目から涙がこぼれた。









空は、半分起き上がった状態で亡くなっていた。




きっと、最後にみんなの顔を見たかったのだろう。














2010年1月31日 23:50頃 永眠した。
























ホノカ、お願い・・・・・・。









ぼくともう1度遊んで・・・・・・・。




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