じゃがいもくんとさつまいもちゃんとさといもくん
じゃがいもくんとさつまいもちゃんとさといもくんが、あつまっておしゃべりしています。
「ぼくたち、同じおいもだけど、どこがちがうのかなぁ」
じゃがいもくんが言いました。
「そりゃあ、見た目がちがうじゃない。1番おしゃれなのは、むらさき色のわたしでしょ」
さつまいもちゃんが、ふふんと得意顔で言います。
「うーん、くやしいけどそうだね」
さといもくんが言いました。
「でも、粘り強さならぼくが1番さ」
さといもくんは、えっへんと胸をはりました。
「えー、じゃあぼくは何が1番なのかなぁ」
気弱なじゃがいもくんが、半べそをかきながら聞きました。
「じゃがいもくん? なにかなぁ」
さつまいもちゃんもさといもくんも首をひねって考えています。
さつまいもちゃんが、ぱっと顔をあげました。
「わかったわ! 変身するのが得意じゃない?」
「変身?」
じゃがいもくんが聞き返しました。
さといもくんが、
「そっか。じゃがいもくんは、ポテトサラダにもなれるし、肉じゃがにもなれる。カレーライスにだってなれるもんね」
と言うと、さつまいもちゃんが、
「そうよ。変身ナンバーワンだよ」
元気な声で言いました。
「変身ナンバーワン? ぼくも1番あったんだね」
じゃがいもくんは、とってもうれしそうに、にこにこしています。
それから、じゃがいもくんとさつまいもちゃんとさといもくんは、なかよく遊びました。