次の課題は、ダンジョン探索!
エマと小鬼退治クエストをしてから早、1ヶ月。偶然なのか、エマとはほとんど会わず、俺は忙しくも楽しいファンタジーライフを送っている。
とは言ってもそのほとんどが銃や魔法修練の時間なんだけどな。
それも合間って、ベリィ先生の部屋に行ったり来たり。もう、何て言うかあの人の内弟子みたいな感じだ。
修練の他にはポーションの調合のバイトをしたり、1人でも出来る簡単なクエストで実戦訓練をしたりしてきた。
レベルも上がった俺の今のスキル構成はと言うと…
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魔導具:C 魔力強化:C マジックマスタリー:C
法術:A 神聖魔法:- 黒魔法:- 精霊魔法:-
メディテーション:C
銃マスタリー:C 魔導銃マスタリー:C
剣術:- 槍術:- 斧鎚術:- 体術:- 弓術:F
盾術:- レンジアタック:D
騎乗:D 薬草知識:C 調合:D ハンディクラフト:D
残りSP:5
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まあ、こんな感じ。
俺的最強に向けて着々と進んでるので毎日が達成感があって楽しい!現実世界の学校とは大違いだな。
そろそろ、昇級のクエストを受けないといけないんだが、そのために1度行かないといけないところがあるんだよな。
などと考え事をしながら食堂のテーブルに着き夕食を食べだす俺。
「やっほー、レンヤくん」
俺の隣にエマが座ってくる。
「おお!久しぶり!」
「うん!1ヶ月くらいだね。元気?」
「勿論!毎日が忙しくて楽しいぜ?」
「あはは。わたしもだよ~。あれからもっと強くなったんだから!」
「それは俺もだよ」
「レンヤくんはベリィ先生の所に行ってるの?」
「ああ、何だかんだ言って銃について習えるのはあの人のだけだからな。そういうエマはフィリー先生のところか?」
「そうだよ」
久しぶりに会って話も弾む俺達。
「あ、そうだ。エマ」
「なに?」
「そろそろ昇級クエを受けないといけないんだけど、また一緒にやろうぜ?」
「勿論だよ!わたしもレンヤくんに会ったらその話をしようと思ってたんだ」
「よし!じゃあ、昇級クエの前提条件、ダンジョンに行こうぜ」
「ダンジョン?なにそれ?」
おひおひ、この娘、ダンジョン知らねぇのかよ。まぁ、エマらしいと言えばエマらしいな。
「いいか?ダンジョンっていうのは…」
俺はダンジョンについて説明をする。
勿論、ゲーム知識だけではなく、こちらの世界で得た情報を統合した上の説明だ。
大昔、この世界で言うところの1000年くらい前に起きた大規模な魔法災厄にダンジョンの発生は由来する。
1000年前にも俺達のいる学校と同じ様な魔法学校がある国があったそうなんだ。
大魔導師ノアもそこで学んでたらしい。
ただ、裏でよからぬ事を企んでいる奴らも多かったらしく、国や学校を騙して、地下に巨大な研究施設を作っていたらしい。
そこでは、日々、人道、倫理を無視された研究が行われていた。特に『混沌』のもたらした禁書に記されていた「合成」の研究が盛んだったそうだ。
魔物や動物の合成から人と魔物の合成やら、人と人の合成、ありとあらゆる邪悪な研究がされていたらしい。
そして、ある日。研究施設の魔力炉が暴走。国1つを滅亡させ、その国の土地を障気や魔素の満ちた人の住めない場所に変えてしまった。
地下施設は無限に変化する魔宮へと姿を変えた。
諸説あるが『混沌』の侵略を阻止するために世界が取った処置というのが有力視されている。
こういったダンジョンは時折世界に現れているそうだ。最も、同じ場所に固定され、規模も圧倒的に大きいのはここくらいなものらしい。
もともとの国から名前を取って「ヴェスタダンジョン」と名付けられたそうだぜ。
長らく、人の探索をうけなかったヴェスタダンジョンだけど、大魔導師ノアがダンジョン内から一瞬で帰還出来る術式を作り上げてからは盛んに探索が行われている様だ。
ただ、危険度はパネェけどな。
その分、得られる物も大きいから、今日も今日とてヴェスタダンジョンには多くの人が挑戦している。
「なるほど~、でもそんなに危険な所に初級者のわたし達が行って大丈夫なの?」
「まあ。そこは学校側が対策を取ってるからな。安心していいぜ」
「そっか~、レンヤくんがそういうなら安心だね。いつ行くの?」
「明日にしよう。朝飯を食べたらクエストに行く準備を整えてエントランスで待ち合わせだな」
「わかった!楽しみだな~。じゃあ、今日は早く寝ておくね!」
「おう。よろしくな」
そこで、俺はエマのトレイを見る。
「ところで、エマ」
「なに?」
「それ、全部食うのか?」
エマはお世辞にも背の高い娘ではなく、少し小さめだ。
それが、なんと言うか、超特大プレートを持ってきている。
コレ、俺達の世界で言う爆盛りってやつですよ?テレビで大食い芸能人とか、フードファイターが挑戦するやつ!
「もちろん!美味しいよ?前衛は身体が資本!いっぱい食べて身体も強くしないとね♪」
エマの食べっぷりに感心、というか少し呆れてしまう俺だった。
言うまでもないが、エマのヤツは平気な顔して食べきった。見てるだけで胸焼けしそう…
「へぇ~、ここがダンジョンのエントランスなんだぁ。人がいっぱいだねえ!」
次の日。
俺とエマは約束通りヴェスタダンジョンのエントランスにやってきた。
冒険者や学校の生徒達で賑わっている。
「エマ」
「なに?」
「昨日、1つ言い忘れたんだけど」
「うん」
「生徒がダンジョンに挑めるのは4人からなんだ」
「うん」
「ん?わたしたち2人じゃん、どうするの?」
「ん~、まぁコレばっかりは同じく2人でダンジョン待ちしている奴らでもいないことには…」
「それ、ダメじゃん!」
そう、俺はたまにこういうポカをする。少し困っていると…
「あのう、もしかしてそちらもお2人ですか?」
「「ん??」」
金髪をポニーテールにした女の子が俺達に声をかけてきた。年のころは俺達と同じくらいだ。
「私達も2人になってしまって、よかったら一緒にダンジョンに挑戦しませんか?」
こういうのを「渡りに船」って言うんだろうな、マグロとかつけるなよ?
俺の親父が「渡りに船、つまりマグロ」とかワケのわからんギャグ?を言っていたからなぁ…
「「是非!!」」
俺とエマは食い気味でその娘に迫る。
「よかった。ありがとう、2人とも。見つかったよ、お兄ちゃん!」
少女は、近くにいた兄らしい人物を呼ぶ。
年のころはまぁ、俺達と同じくらい。顔はちょっと幼さが残る感じだけど背が少し高く、少しマッシブな体型をしている少年が近づいてくる。
ああ、この2人か!
俺はゲーム知識からこの2人を思い出す。
「やあ、はじめまして。僕はジーク。この娘は妹のティータ。ヨロシク」
右手を差し出してくるジーク。
「こちらこそ、ヨロシクな。俺はレンヤ。こっちのは…」
「エマよ!よろしくね、ジークくん、ティータちゃん!」
自己紹介をする、俺達。
この兄妹は、結構強いキャラだ。
この2人も初級者なのが以外だった。
実際にゲーム内では、NPCと一緒にダンジョンに行くことはないからな!
今から楽しみだぜ!
こうして、俺達は受付カウンターに向かった。




