助手はいりません。~筋しなばしかむ肉~
なんか、色々とすいません。
昔々、ある所にそれはそれはマッチョな浦島太郎がおりました。
「ふんッ!ふんッ!まっそーーーーー!!」
「どうだ?キレてるかーーーい?」
マッチョな浦島太郎は、
漁師でありながら漁に出ず、
日頃から自分の小屋で筋トレばかりしておりました。
そしてその小屋からは奇声が轟き、
決して誰も近寄ろうとはしませんでした。
漁師でありながら、
漁に出ない為、
プロテインが足りなくなったマッチョな浦島太郎は、
海の豊富なプロテインを摂取する為に、
(物理的に)重い腰を上げると釣り竿を1本手に持ち、
海へと向かいました。
舟は(マッチョな浦島太郎の体重のせいで)沈んでしまう為、
浜辺からの遠投がマッチョな浦島太郎の釣りスタイルなのです。
マッチョな浦島太郎がズシズシと音を立てながら歩き浜辺に着くと、
其処にはヒョロガキが4人ばかし、
よってたかって1匹の海亀を苛めておりました。
マッチョな浦島太郎は、
良質なプロテインの為、
自慢の筋肉をポージングで見せ付け、
気味悪がったヒョロガキ共は逃げていきました。
ですが一方で助けられたと思った海亀は仰向けにされた状態で言いました。
「助けて頂いてありがとうございます。もし宜しければ、甲羅を返しては頂けませんか?このままでは動くに動けません。」
「良質なプロテインとて、そのまま食べられるのは可哀想と言うもの。せめて、その面でも拝んでから頂くとしよう。」
海亀の願いを聞き届けるべく、
マッチョな浦島太郎は亀の甲羅に手を掛けたその時!!
「だ、ダブルシックスパック……だと!!」
マッチョな浦島太郎は見てしまったのです。
海亀の腹がキレイに12個に割れているのを!
そしてマッチョな浦島太郎は見せ付けられたダブルシックスパックにすっかり意気消沈。
そのまま良質なプロテインを諦めると、トボトボと自分の小屋へと帰っていきました。
それから、浦島太郎は心をすっかり改め、日々漁に励みましたとさ。
めでたしめでたし。
「あ、あのう、助けて下さーい。」
良質なプロテインの助けを求める声は聞き届けられず、
浜辺に木霊していた。
本当に、本当に、色々とすいません。