新大陸へ――新しい日常に向けて――
俺たちの操作するキャラは現在海上の船の上にいる。
アル:お兄ちゃん! 新大陸ですって! 心が躍りますね?
カーボン:落ち着けよ、まだ初回拡張パックの大陸だぞ? 現在は四つ拡張パックが出て、それだけの数のフィールドがあるんだぞ
アル:それでも、ですよ! お兄ちゃんと旅をするのは楽しいじゃないですか! ああ! 心が躍ります!
とても嬉しそうなアルを放っておいて俺は新大陸のクエストについて考える。新大陸実装時点でのレベルキャップは40、まだまだ俺たちが苦戦する敵に出会うのは先になりそうだ。
しかし、一人でないというのがこれほどいいことだとは思わなかった。レベルカンストまで一人で延と出来ることをこなしていたが、二人になってからあっという間に出来ることが増えていった。人は一人では生きられないというが、ネトゲ特有の仲間が必須なシステムではまさにそうなのだろう。
アル:ねえお兄ちゃん?
カーボン:なんだ?
アル:これからも二人でいてくれますよね?
カーボン:俺が誰かを無差別に誘うほどコミュ力があると思うのか?
アルは笑ってから、俺に対して画面越しに笑顔で言った。
アル:お兄ちゃんには私がついてないとダメみたいですね!
俺もそれに反論せず答える。
カーボン:ああ、俺は誰かと一緒にいないと何も出来ないらしい
アル:とてもレベル100の発言とは思えませんね
クスクスと笑いながらアルはそう言う。
カーボン:俺はそんな完璧な人間じゃないさ、だから……
アル:何ですか?
カーボン:これからも頼むぞ!
アルは喜びを表すモーションを全て実行してから答えた。
アル:もちろんじゃないですか!
その迷いの無い言葉に俺は心底ほっとするのだった。
ここから先の未知の地域に対しての期待と一人じゃないことの安心感にリアルの俺はついつい笑顔になってしまうのだった。
最強の話はここで一旦終わる、何しろここから先には強い敵がたくさんいる。だけどそれらに負けないことを確信している俺にはここから先に存在するのは希望だけだった。
――了――
お読みくださりありがとうございます!
このお話はここで一区切りとなります。
現在新作ラブコメも書いていますのでよろしければそちらも読んでくださいね!
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