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「・・・行きますか」


豹は3倍ほど大きくなったゴリをチラ見してからみんなに言った。


(いやいや、なんか二重顎とか三段腹やばくない?)


美しくない人は側にもおきたくない豹であった。




「あれが鬼ヶ島だよ!!」

犬嫁が言った。


それは禍々しいことも何もなくわざわざ海を渡らずも2メートルくらいしか離れていない。


(え、島とか言っちゃっていーの?)


そのジャンプで行けるほどの島?には

¨鬼かじま!危けん!人ったらころす!¨

と、手書きの看板が立っていた。


犬、猿、キジ、力太郎はそれを見てそこへ今から足を踏み入れようとすることへの恐怖に息を呑んだ。


(誤字脱字すんごい)

豹は皆とはテンションが違ったようだった。



島はとても狭く、一軒家一つ分くらいの土地に一軒家がギリギリ建っていた。


「あのーすみません〜誰かいますか〜?」


豹はとりあえずドアに向かって言った。



「・・・だれ?」


(うーわめちゃくちゃ声可愛い!女の子♪)

さすがに鬼は男だと思っていた豹のテンションは上がった。


「僕達鬼とお話ししに来ました」

豹は退治する気を無くした。


ガチャーーー


「赤鬼は留守です・・・」

中からおどおどと顔を出したのは



「!!!!!!!」


(かわいい!!かわいい!!青いけどめっちゃかわいい!!)









「そうだったんだね」

犬嫁が言った。

「かわいそうに」

キジ姉さんも続けた。


青鬼の話によると姉妹で暮らす2人はいつの間にか人々に悪い噂を流されて皆んなの住む島から離れて(2メートル)暮らすことを余儀なくされたと言う。


赤鬼、青鬼は桃しか食べられないので改良を重ね、大きな桃を作った。

しかしその桃はいつも大量に盗まれてしまうと言う。


そして少しでも多くの桃を作るために赤鬼は朝から晩まで桃作りをしているという。


「・・じーさんばーさん家に大量にでっかい桃のストックあったよ」


黒幕はじーさんばーさんでバレないように桃太郎に鬼退治をさせようとしていたのだった。


「じーさんとばーさんはコミュニティが広いから今更本当のこと言ってもきっと誰も信じてくれないだろうね」

ゴリが言った。


「桃しか食べられないってのがやっかいだべな」

力太郎は腕を組んで言った。


そして豹はそんな事よりもかわいい青鬼を見て、赤鬼の登場を心待ちにしていた。














ダンーー!!


「・・いってぇ・・お前・・」


学校の裏庭でボコボコにされていたのは亜斗夢だった。

そしてその相手はなんとゴリゴリマッチョとなったあのケンシロウだったのだ。


そこへ通りかかった桃太郎。


「亜斗夢!大丈夫?!」

優しい桃太郎は亜斗夢に駆け寄った。


(桃太郎・・)

いつも偉そうにしている自分にも優しくしてくれる桃太郎を見て少し涙を浮かべた。


「桃太郎じゃねーか!!」

自信満々にゴリゴリマッチョでパンチパーマでイメチェンしたケンシロウが恨みのこもった相手へ言った。



「・・誰だ」


桃太郎は真剣な顔で言った。


「ざけんな。忘れもしないお前のせいで俺は恥をかかされたんだ!お前に力太郎なんて言われてな!そのおかげで俺は生まれ変わっ・・」


ケンシロウが言い終わる前に桃太郎は亜斗夢を抱えて立ち去ろうとしていた。


生徒もチラホラ騒動に気付いて集まってきていた。


「おい!何シカトしてんだコラ!!」

ケンシロウは怒鳴りつけた。


(あれがあのケンシロウ?!)

(臭いもなくなってる!)

(キャラ変しすぎ!)

生徒達は豹と桃太郎の入れ替わりには鈍かったがケンシロウの豹変にはめざとかった。



振り向いた桃太郎はケンシロウをじっと見て


「誰か知らないけど理由もなく人を傷つける奴は最低だ」


もちろん桃太郎に悪気はない。

ケンシロウを臭いで力太郎と間違えていたが臭いの無くなったケンシロウは桃太郎にとっては知らない人だった。




元々陰キャで傷つきやすいケンシロウはまた皆んなの前で最低扱いされ再び登校拒否となった。



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